製品情報

製品Q&A

パリエット®錠5mg・錠10mg・錠20mg Q&A

「製品Q&A」は、医療関係者の皆様からよくご質問頂く事項をとりまとめたものです。
製品の適正使用に関する参考情報であり、すべての事例にあてはまるものではございません。
その他のお問い合わせは、弊社くすり相談室、または担当MRにいただきますようお願いします。

効能・効果、用法・用量

Q.本剤の効能・効果、用法・用量について教えてください。
A. 【効能・効果】
[5㎎・10㎎・20mg]
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、Zollinger - Ellison症候群、
[5㎎・10㎎]
非びらん性胃食道逆流症、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制
下記におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助
 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、
 早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎

※「効能・効果に関連する使用上の注意」に関しては添付文書をご参照ください。

【用法・用量】
[5㎎・10㎎・20mg]
<胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、Zollinger‐Ellison症候群>
通常、成人にはラベプラゾールナトリウムとして1回10mgを1日1回経口投与するが、病状により1回20mgを1日1回経口投与することができる。なお、通常、胃潰瘍、吻合部潰瘍では8週間まで、十二指腸潰瘍では6週間までの投与とする。

<逆流性食道炎>
[5㎎・10㎎・20mg]
治療
逆流性食道炎の治療においては、通常、成人にはラベプラゾールナトリウムとして1回10mgを1日1回経口投与するが、病状により1回20mgを1日1回経口投与することができる。なお、通常、8週間までの投与とする。
また、プロトンポンプインヒビターによる治療で効果不十分な場合、1回10mg又は1回20mgを1日2回、さらに8週間経口投与することができる。ただし、1回20mg1日2回投与は重度の粘膜傷害を有する場合に限る。

[5㎎・10㎎]
維持療法
再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法においては、通常、成人にはラベプラゾールナトリウムとして1回10mgを1日1回経口投与する。また、プロトンポンプインヒビターによる治療で効果不十分な逆流性食道炎の維持療法においては、1回10mgを1日2回経口投与することができる。

[5㎎・10㎎]
<非びらん性胃食道逆流症>
通常、成人にはラベプラゾールナトリウムとして1回10mgを1日1回経口投与する。なお、通常、4週間までの投与とする。

[5㎎・10㎎]
<低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制>
通常、成人にはラベプラゾールナトリウムとして1回5mgを1日1回経口投与するが、効果不十分の場合は1回10mgを1日1回経口投与することができる。

[5㎎・10㎎]
<ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助>
通常、成人にはラベプラゾールナトリウムとして1回10mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びクラリスロマイシンとして1回200mg(力価)の3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。ただし、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。 プロトンポンプインヒビター、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの3剤投与によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合は、これに代わる治療として、通常、成人にはラベプラゾールナトリウムとして1回10mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びメトロニダゾールとして1回250mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。

※「用法・用量に関連する使用上の注意」に関しては添付文書をご参照ください。

参考資料:
1.添付文書
Q.PPI(本剤)に投与期間制限(4、6、8週間まで)があるのはなぜですか?
A. PPIの投与期間制限は、80~90%以上の治癒が得られる投与期間(胃潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎:8週間、十二指腸潰瘍:6週間)が根拠になっています。なお、PPIの開発治験では、投与期間制限以上の期間での検討は行われていません。
一方、PPIによる非びらん性胃食道逆流症の治癒率は低く、4週間での自覚症状の改善・消失率は約50%程度と報告されており、8週間投与しても自覚症状の改善は4週間投与とほぼ同じであるという報告1)に基づいて、4週間の投与期間制限があります。

参考文献:
1.Aliment.Pharmacol.Ther.13: 795-804, 1999
Q.逆流性食道炎で本剤を1日20mgを8週間を超えて投与することはできますか。
A. 逆流性食道炎で10mgまたは20mgを1日1回8週間投与し、効果が不十分な場合(内視鏡検査で逆流性食道炎が治癒していないことを確認すること)、1回10mgを1日2回、8週間の追加投与が認められています。また、その際に、内視鏡検査で重度の粘膜障害を確認した場合は1回20mg1日2回8週間の投与が認められています。
また、プロトンポンプインヒビターによる治療で効果不十分な逆流性食道炎の維持療法において、1回10mgを1日2回経口投与することができます。(2017年9月承認取得)

参考資料:
1.逆流性食道炎におけるパリエットの使い方
Q.本剤の服用タイミングについて教えてください。
A. 本剤は添付文書上、服用の時間帯は設定されておりません。食事の影響を受けずにどのタイミングで服用しても効果に差はないと考えられています。食事に関連するデータは、胃潰瘍、十二指腸潰瘍を対象として朝食後と就寝前投与で内視鏡治癒率を比較した検討で、同程度の臨床効果が確認されています1)。 また、本剤は食事摂取の有無で薬効に大きな違いは生じないと考えられるという文献もあります2)。 以上より、患者さん毎に飲み忘れの少ない時間帯を選んで服用していただいて結構です。
但し、PPIを飲んでいても夜間に酸を分泌してしまうNAB(ノクターナル・アシッド・ブレイクスルー)という病態を対象に行った検討では、夜(夕食30分前)に投与した方が効果を得られたという報告があります3)

参考文献:
1.篠村 恭久.Modern Physician.14.69-84.1994
2.沢田 康文.医薬ジャーナル.43(4)173-175.2007
3.Pehlivanov,N.D.Aliment.Pharmacol.Ther.18.883-890.2003
Q.本剤は食事(食前・食後服用)による影響を受けますか?
A. 本剤は食事の影響を受けないと考えられます。食前投与と食後投与による、血中濃度やpHモニタリングを用いた検討を行っており、食事の影響を受けないことが確認されています。

参考文献:
1.Int.J.Clin.Pharmacol.Ther.32.9.466.1994
2.医薬ジャーナル.43. 4.173.2007
3.Digestion.93.107.2016
4.Aliment.Pharmacol.Ther.24.1445.2006
Q.PPIは、頓服処方されることがありますか?
A. 「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2015」に、『オンデマンド療法』の記載があり、医師の判断によって、頓服処方をされることがあります。
※保険審査に関しては、各都道府県の審査機関の判断になります。

参考文献:
1.「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2015:改訂第2版」南江堂. P74(2015)
Q.胃全摘後の患者さんにPPIを投与することはありますか?
A. 胃全摘により胃酸分泌を伴わない病態を考えて治療方針を検討いただくことが前提ですが、胃全摘術を含む胃切徐術後逆流性食道炎に対し、PPIを投与した臨床報告があります。
胃全摘ではなく、胃の部分切除である幽門側胃切除術後の逆流性食道炎は、胃酸・ペプシンによる酸性と膵液を中心としたアルカリ性食道炎の両方が混在する病態を呈するのが特徴であり、術後に残った酸分泌能力、胃・食道逆流防止機構の機能障害の程度により症例ごとの病態が異なります。 幽門側切除後に自覚症状を有し、内視鏡にて逆流性食道炎と診断された43例(幽門側胃切除術39例、胃全摘術4例)に対し、本剤の臨床効果を検討し、胃全摘術後症例における本剤の効果を検討した4症例で本剤が有効であることが示されました。
※保険審査に関しては、各都道府県の審査機関の判断になります。

参考文献:
1.目黒英二(厚生連鹿角組合総合病院/外科):新薬と臨床.51(5)416-425(2002)

相互作用

Q.本剤と「水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム含有の制酸剤」(販売名:マーロックスなど)の併用注意の記載理由は?
A. 添付文書の相互作用(併用注意)の項には、「水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム含有の制酸剤:本剤単独投与に比べ制酸剤同時服用、制酸剤投与1時間後服用で平均血漿中濃度曲線下面積がそれぞれ8%、6%低下したとの報告がある。」と記載しており、併用による本剤のAUCの低下のデータに基づいて、記載しています1)。

参考文献:
1.Int.J.Clin.Pharmacol.Ther.37.5.249(1999)
Q.本剤と制酸剤(酸化マグネシウム:重曹)は、併用できますか?
A. 本剤と「水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム含有の制酸剤」(販売名:マーロックスなど)は併用注意ですが、その他の各種制酸剤 (酸化マグネシウム:重曹〔略称カマ、カマグ〕、販売名:マグミット、マグラックスなど)との相互作用の報告はなく、併用できます。
Q.本剤とジゴキシンとの相互作用について教えてください。
A. 本剤の胃酸分泌抑制作用により、胃内pHが上昇し、ジゴキシン・メチルジゴキシンの吸収を促進するため、ジゴキシン・メチルジゴキシンの血中濃度が上昇することが報告されています。

参考資料・文献:
1.インタビューフォーム Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目7相互作用
2.Humphries,T.J. Am.J.Gastroenterol.91(9)1914.1996

体内動態

Q.ラベプラゾールの非酵素的代謝とは何ですか?
A. ラベプラゾールの主代謝経路は、チオエーテル体への還元反応です。ただしこの経路はP450分子種や補酵素(NADPH)が存在しない条件で進むことから、酵素が介在しない反応ということで「非酵素的還元反応」あるいは「非酵素的代謝」といっています。また、参考資料には、 「他のPPIに比べ、ラベプラゾールは主に非酵素的に代謝されるため、CYP2C19の遺伝子多型による影響を最も受けにくい薬剤である。」と記載されています。1、2)

参考文献:
1.Ishizaki,T.APT Digest.S.S-1.15-18.2000
2.Ishizaki,T.Aliment.Pharmacol.Ther.13.S-3.27-39.1999
Q.胃内pH3、pH4ホールディングタイムは何の指標ですか?
A. pH3 holdingtime、pH4 holdingtimeとは、1日24時間の中で、胃内pHが3又は4以上を示す保持時間を表します。 (1)胃内pH3以上でペプシン活性が失われること (2)胃内pH4以上を1日17時間~18時間(pH4holdingtimeが17~18時間)維持した場合、十二指腸潰瘍においてほぼ100%の治癒率が期待できることから、潰瘍治療における、酸分泌抑制の目安としてpH3またはpH4のholdingtimeがよく用いられます。また、GERDでもpH4以上の時間の割合が多いことと治癒の相関性が確認されています。

参考文献:
1.Gastroenterology.1990Aug;99(2):345-51. 1990
2.BellN.J:Digestion,S1(suppl1),S9.1992

安定性

Q.本剤の粉砕投与は可能ですか?
A. 腸溶製剤であり、粉砕投与は不可とご案内しています。 ラベプラゾールナトリウムは酸性状態下で不安定であり、胃酸などに曝された状態では十分な薬効を発揮することができなくなります。 原薬の水溶液中の安定性データでは、pH5、30分間でほとんど失活してしまいます(社内資料)。

安全性

Q.肝障害のある患者に対して慎重投与の理由について教えてください。
A. 本剤は主として肝臓で代謝されるため、肝障害のある患者では、高い血中濃度を維持して副作用が発現する可能性があります。
なお、副作用として国内において肝硬変患者で肝性脳症の報告があります。

参考文献:
1.インタビューフォームⅦ薬物動態に関する項目1-4)肝障害患者における薬物動態
2.本剤後期臨床第2相試験
Q.腎障害のある患者における体内動態について教えてください。
A. 血液透析を必要とする高度の腎障害患者(クレアチニンクリアランス5mL/min以下)を対象とし、ラベプラゾールナトリウム20mgを透析翌日に単回投与した際、並びに、2週間の休薬の後、透析中に再度同用量を単回投与した際の血漿中濃度推移を健康成人(クレアチニンクリアランス90mL/min以上)と比較した。腎障害患者の薬物動態パラメータには非常に大きな個体変動が認められたものの、透析時、及び非透析時共に、健康成人の薬物動態パラメータとの間に有意な差は認められなかった。

参考文献:
1.インタビューフォームⅦ.薬物動態に関する項目
2.Swan.S.K.Aliment.Pharmacol.Ther.13.S-3.11-17.1999
Q.妊娠・産婦等への使用に関する注意点について教えてください。
A. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること1)

【解説】
(1) 承認時までに実施された国内の臨床試験では、妊婦又は妊娠している可能性のある女性は投与対象から除外されていたため,妊婦等に対する使用経験はありません。
(2) 1動物実験(ラット経口400mg/kg,ウサギ静注30mg/kg)で胎児毒性(ラットで化骨遅延,ウサギで体重の低下,化骨遅延)が報告されている。 また、ラットにラベプラゾールナトリウム(25mg/kg/日)、アモキシシリン水和物(400mg/kg/日以上)及びクラリスロマイシン(50mg/kg/kg/日以上)を4週間併用投与した試験で、雌で栄養状態の悪化が認められている〔「Ⅸ.非臨床試験に関する項目」の項参照〕。 (社内資料)
2米国の添付文書ではPregnancyCategoryCと記載されています2)

参考資料:
1.インタビューフォーム Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目10.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
2.インタビューフォームⅩⅡ.参考資料2.海外における臨床支援情報
Q.授乳婦への使用に関する注意点について教えてください。
A. 授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいですが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせるようお願いします。 動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されています。

【参考】
動物実験で、哺乳ラットに14C-ラベプラゾールナトリウム(20mg/kg)を絶食下経口投与したときの乳汁中放射能濃度は、血液中放射能濃度のピーク(投与後15分)より遅れて投与後6時間に最高値(6.059μgeq./mL)に達し、以後緩徐に減少した。また、乳汁中放射能濃度は、投与後4時間以降、母動物ラットの血液中放射能濃度の2~7倍高い濃度で推移した。 哺乳ラットに14C-ラベプラゾールナトリウム(20mg/kg)を絶食下経口投与した時の乳汁中への放射能濃度推移を検討した。乳汁中放射能濃度は,投与後6時間に最高値6,059μg・eq・/mLに達し、以後緩徐に減少した。 また,乳汁中放射能濃度は投与4時間以降,母動物の血液中放射能濃度の2~7倍高い濃度で推移した。

参考資料:
1.インタビューフォーム:Ⅶ.薬物動態4(3)乳汁への移行性

除菌治療

Q.本剤10mgで除菌治療を行う場合、内視鏡検査は必須ですか。
A. 本剤10mgの除菌における効能・効果は、 下記におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助です。 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃におけるヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎
上記のうち、「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」に用いるには、ヘリコバクター・ピロリが陽性であること、内視鏡検査によりヘリコバクター・ピロリ感染胃炎であることを確認することとされています1,2)
一方、それ以外の疾患では必ずしも内視鏡を行う必要はありません。

参考文献:
1.添付文書(効能・効果に関連する使用上の注意3.ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の場合)
2.「ヘリコバクター・ピロリ感染の診断及び治療に関する取扱いについて」 (保医発0221第31号:平成25年2月21日)
Q.ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎の除菌療法を行うにあたり、「H.pyloriが陽性であること」と「内視鏡検査によりヘリコバクター・ピロリ感染胃炎であること」を確認するのはなぜですか?(本剤添付文書「効能・効果に関連する使用上の注意」より)
A. 「H.pyloriに感染していること」を確認するのは、不必要な除菌療法をしないためです。
「内視鏡検査」は、 (1)H.pyloriに感染すると組織学的胃炎が誘発され、組織学的胃炎は内視鏡的に捉えられることから、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎を確実に診断するために行います。 (2)胃潰瘍、胃癌等の発現を見逃さないためにも必要です。

なお、この「効能・効果に関連する使用上の注意」は、効能・効果を追加した承認されたすべてのPPI、AMPC、CAM、MNZの製品の添付文書に共通の文言で記載されています。
Q.ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎の診断方法を教えてください。
A. ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎の確認に際しては、患者様ごとに、(1)及び(2)の両方を実施する必要があります。
(1)ヘリコバクター・ピロリの感染を以下のいずれかの方法で確認する。
迅速ウレアーゼ試験、鏡検法、培養法、抗体測定、尿素呼気試験、糞便中抗原測定
(2)胃内視鏡検査により、慢性胃炎の所見があることを確認する。
なお、感染診断及び除菌判定の詳細については、ガイドライン等を参照してください1)
また、内視鏡検査による診断の参考として下記文献もあります2,3)

参考文献:
1.日本ヘリコバクター学会『H.Pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版』
2.消化器内視鏡,24,10,2012,p1580
3.成人病と生活習慣病42,10,2012,p1183
Q.除菌前の感染診断時のPPIの休薬と、除菌判定時のPPIの休薬について教えてください。
A. 『H.pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版』p32~331)において、 1「除菌判定」は、除菌治療薬中止後、4週以降に行う 2「感染診断・除菌判定」は、静菌作用を有する薬剤を少なくとも2週間は中止することが望ましい、 と記載されています。

また、厚生労働省平成25年2月21日保医発2)において、 「6.感染診断実施上の留意事項(1)静菌作用を有する薬剤について『ランソプラゾール等、ヘリコバクター・ピロリに対する静菌作用を有するとされる薬剤が投与されている場合については感染診断の結果が偽陰性となるおそれがあるので、除菌前及び除菌後の感染診断の実施に当たっては、当該静菌作用を有する薬剤投与中止又は終了後2週間以上経過していることが必要である。』 とあります。
以上より、除菌判定は、除菌後4週間以上経過していること、さらに、除菌判定直前の2週間はPPIの休薬が必要になります。

参考資料:
1.『H.pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版』p32~33
2.厚生労働省保険局発信:平成25年2月21日保医発
Q.除菌期間中に、飲み忘れた場合、そのときの服薬はどうしたらよいですか?
A. 「飲み忘れに気づいた時刻(現在の時刻)が、飲み忘れた服用予定時刻と次回の服用予定時刻のどちらに近いかによって、対応が異なります。

(1)飲み忘れに気づいた時刻(現在の時刻)が、飲み忘れた服用予定時刻に近い場合
 気づいた時に服用してください。
(2)飲み忘れに気づいた時刻(現在の時刻)が、次回の服用予定時刻に近い場合
 飲み忘れた分は飲まないで1回分を飛ばし、次に飲む時間から飲んでください。
 ※なお、2回分を一度に飲まないでください。
 
 参考資料:
1.ラベキュア・ラベファイン「くすりのしおり」
『飲み忘れた場合は、気づいた時にできるだけ早く飲んでください。次に飲む時間が近い場合は、飲み忘れた分は飲まないで1回分を飛ばし、次に飲む時間に1回分を飲んでください。2回分を一度に飲んではいけません。』
Q.除菌期間中に、休薬があった場合、その後の服薬(残薬)はどうしたらよいですか?
A. 何らかの理由で、数回(数日)分の休薬があった場合、その後の服用の継続については、処方医に相談をお願いします。
Q.除菌期間中の1週間で、飲み忘れ・休薬があると、除菌率に影響しますか?
A. 服薬コンプライアンスは数%欠けた程度では除菌効果への影響はあまりありませんが、60%(1週間の除菌期間中の14回の服用中のうち8回)を下回ると明らかに低下するという報告があります。 LPZ60mg+AMPC2,000mg+CAM1,000mg1週間投与による除菌治療において、服薬コンプライアンス60%以上群の除菌率が72%、60%未満群の除菌率が20%と、服薬コンプライアンスが悪いと除菌率はかなり低率になるという結果でした1)

参考文献:
1.Helicobacter Research.5.3.2001.p246
Q.ペニシリンアレルギー患者の一次・二次除菌療法(レジメン)について教えてください。
A. アモキシシリンを使用しない除菌療法になりますが、確立したレジメン(用法・用量)はありません。
『H. pylori 感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版』の『ペニシリンアレルギー患者での除菌療法』の項目には、以下のレジメンが推奨されています。
なお、いずれのレジメンも保険適応外のため、自費診療になります。

(1) PPI 1日2回 + CAM:クラリスロマイシン200mg/400mg 1日2回 + MNZ 100mg 1日2回  7日間
(2) PPI 1日2回 + STFX:シタフロキサシン100mg 1日2回 + MNZ 250mg 1日2回  7日間
(3) PPI 1日2回 + MINO:ミノサイクリン250mg 1日2回 + MNZ 250mg 1日2回 7日間

参考文献:
1.『H. pylori 感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版』p52
Q.H.pylori除菌後に再感染することはありますか?
A. ヘリコバクター・ピロリ除菌後に再感染することが報告されており、再陽性化率は0-2%程度との報告があります。

(参考)
先進国での再陽性化率は、年率3%程度と報告されている。欧米の報告では、年間0.5-2.0%であり、わが国では0.22-2.0%との報告がある。2012年の報告でも除菌後1年以降再出現した菌は除菌前と異なる菌であり、再感染率は0.22%/年と報告している。 除菌1年以降に再陽性化した症例はそのほとんどが再感染であり、再陽性化率は年0-2%程度と思われる1)

参考文献:
1.HelicobacterResearch,16,6,501.2012
Q.一次除菌が不成功だと判明した場合、直ちに二次除菌を行ってよいですか?
A. 一次除菌後の除菌判定で陽性であれば、直ちに二次除菌を行うことができます。 判定後、二次除菌開始までの期間の制限はありません。
Q.三次除菌のレジメンについて教えてください。
A. 一次・二次除菌の不成功後の三次除菌については、確立したレジメン(用法・用量)はありません。
『H. pylori 感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版』の『三次以降の除菌(救済療法)について』の項目には、「三次除菌療法以降の救済療法には、STFX:シタフロキサシン(製品名:グレースビット)を用いた除菌方法や高用量のPPI/ AMPC(アモキシシリン)療法がある。」と記載され、以下の具体的なレジメンの記載があります1)

なお、いずれのレジメンも保険適応外のため、自費診療になります。

1.STFX:シタフロキサシン(製品名:グレースビット)を用いた他の三次除菌の報告
(1)RPZ10mg1日2回+AMPC500mg1日4回+STFX100mg1日2回:7日間(75.0%)3)
(2)RPZ10mg1日4回+AMPC500mg1日4回+STFX100mg1日2回:7日間(78.2%)2)
(3)LPZ30mg1日2回+AMPC750mg1日2回+STFX100mg1日2回:7日間(70.0%)9)
(4)RPZ10mg1日4回+MNZ250mg1日2回+STFX100mg1日2回:7日間(90.9%)4)
(5)RPZ10mg1日4回+MNZ250mg1日4回+STFX100mg1日2回:14日間(90.9%)4)
(6)RPZ10mg1日4回+AMPC500mg1日4回+STFX100mg1日2回:7日間(84.1%)4)
(7)RPZ10mg1日4回+AMPC500mg1日4回+STFX100mg1日2回:14日間(88.9%)4)
(8)RPZ10mg1日4回+MNZ250mg1日2回+STFX100mg1日2回:7日間(88.3%)10)
(9)EPZ20mg1日2回+AMPC250mg1日4回+STFX100mg1日2回:10日間(81.0%)5)
(10)EPZ20mg1日2回+MNZ250mg1日2回+STFX100mg1日2回:10日間(72.4%)5)

2.高用量PPI/AMPC(アモキシシリン)療法による三次除菌療法の報告
(1)OPZ40mg1日4回+AMPC750mg1日4回:14日間(83.8%)国外成績11)
(2)RPZ10mg1日4回+AMPC500mg1日4回:14日間(87.8%)10)
(3)LPZ30mg1日4回+AMPC500mg1日4回:14日間(54.3%)9)

参考文献:
1.『H. pylori 感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版』p51
2.Antimicrob.agents.Chemother.2012.56.1643-1645
3.Int.J.Antmicrob.agents.2012.39.352-355
4.J.Gastroenterol.Hepatol.2014.29.487-493 本剤1290
5.Helicobacter.2015.Nov.27[Epub ahead of print])
6.日本ヘリコバクター学会誌.2013.14.102-106
7.J.Gastroenterol.Hepatol.2011.26.1457-1461
8.Dig.Liver.Dis.2007.39.1001-1006
9.J.Gastroenterol.2013.48.1128-1135
10.Hepatogastroenterology.2010.57.1314-1319
11.Aliment.Pharmacol.Ther.2015.42.477-483
12.Helicobacter.2003.8.310-319 国外成績

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