松本大学

クローン病 寛解期栄養・食事指導のポイント

クローン病寛解期の食事は、「低脂質・低残渣・低刺激」でなければならないと、(管理)栄養士養成教育で使用される全ての教科書に記載されていることから、教科書通りに指導しがちですが、実際は患者様によって個人差が大きく、「ある方は食べられなくても、ある方には食べられる」、「量を控えれば問題ない」など、制限することは最低限に留め、食事の選択肢を必要以上に狭めない努力が必要です。そのためにも管理栄養士は、お一人お一人の食事歴と病態との関連をよく調べて、患者様の食事QOLが下がらないように努力していくことが求められます。

クローン病 寛解期栄養・食事指導のポイント

【クローン病患者様へのメッセージ】

松本大学では、これまで7年に渡り、クローン病の患者様より、治療の現状や管理栄養士に期待について、管理栄養士の中東真紀先生より、食事の工夫や栄養指導の現状について、ご講演頂いております。
これをきっかけに、藤岡研究室の学生は、3年に渡り、みえIBD患者会に参加させて頂き、中東真紀管理栄養士のご指導のもと、1年目はミニ講座を、2年目は料理教室を、3年目は食事会を開催致しました。

初めて参加した際には、学生と同世代の若者が、病気を理由に誤解や偏見に苦しんでいる現状を目の当たりにし、帰路では全員言葉を失ってしまう程の衝撃を受けました。
この体験をきっかけにIBDに対する認識を改め、患者様の「食べてみたい料理」や、「普段注意あるいは避けている食品」を調査し、「食べたいけれど控えている好物」を、安心して召し上がって頂けるレシピを、患者様だけでなくご家族やご友人と一緒に調理、試食する料理教室を開催しました。その時のメニューが、「おなかにやさしいキーマカレー」、「ナンと!油を使わないナン」、「和風しょうゆラーメン」、「揚げないメカジキの唐焼き」、「ギョ!ギョ!ギョーザでアップルパイ」、「脂肪ナッシー!ラッシー」です*。

しかし、料理教室という形式では、患者様によっては体力的な負担をおかけしてしまった反省から、翌年には、ゆっくりとお食事をしながらお話を伺わせて頂く形式に変更しました。その時の食事会のメニューが、「鮭のライスバーガー」、「揚げないかぼちゃコロッケ」、「大和なでしこ芋の蒸しパン」、「長野県産りんごのコンポート」です*。

クローン病寛解期の食事は、「低脂質・低残渣・低刺激」でなければならないと、(管理)栄養士養成教育で使用される全ての教科書に記載されていることから、脂質や残渣の多い食品や量を控えることを指導しがちですが、実際は患者様によって個人差が大きく、「ある方は食べられなくても、ある方には食べられる」、「量を控えれば問題ない」など、制限することは最低限に留め、食事の選択肢を必要以上に狭めない努力が必要です。そのためにも管理栄養士は、お一人お一人の食事歴と病態との関連をよく調べて、患者様の食事QOLが下がらないように努力していくことが求められます。

また、スライド療法によって成分栄養剤を併用すると、食事だけの場合より、一食あたりの脂質量を多く確保することができます。レシピでは、代替食品を用いることによって脂質の量を調整し、「柔らかく調理する」、「細かく刻む」、などにより、消化しやすい食事を心がけました。

食事会では、今回考案したレシピをご試食して頂き、簡単な調理は御一緒に行い、作り方を3分間クッキングで御紹介し、ご感想をお伺いしたいと考えております。皆様のお越しを、一同心よりお待ちしております。

「みえIBD」患者会のご紹介

*メッセージ中に紹介されたレシピは順次公開予定です。

2015.10
松本大学 人間健康学部 健康栄養学科 藤岡研究室(藤岡 由美子 先生)
監修 中東 真紀 先生 (鈴鹿医療科学大学 准教授、みえIBD患者会事務局 IBD専任管理栄養士 )

レシピ一覧