| 効能又は効果 | 本剤は、消化をほとんど必要としない成分で構成されたきわめて低残渣性・易吸収性の経腸的高カロリー栄養剤でエレメンタルダイエット又は成分栄養と呼ばれる。一般に、手術前・後の患者に対し、未消化態蛋白を含む経管栄養剤による栄養管理が困難な時用いることができるが、とくに下記の場合に使用する。
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| 脂質含有量 (g/300kcal) |
脂質のエネルギー比率 (%) |
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|---|---|---|
| エレンタール® | 0.5 | 1.5 |
| 国内で販売されている他社の医薬品扱いの経腸栄養剤 | 6.7~10.5 | 20~31.5 |
| 対象 | 未治療で切除不能と診断された、進行膵癌患者57名(20歳以上:男性27名、女性30名) [エレメンタルダイエット介入群(EI群):n=27、通常食群(ND群):n=30] |
| 方法 | 単施設(岐阜大学医学部附属病院)、前向き、ランダム化比較試験 主要評価項目:全生存期間(OS)*検証的解析項目 副次評価項目:栄養状態の維持効果(治療開始2ヵ月時点)、化学療法の治療反応性、無増悪生存期間(PFS)、安全性(初回化学療法における有害事象) |
| 患者背景 | 化学療法開始前の患者に対し、EI群またはND群に1:1の比率で無作為に割り付けられた。すべての患者は標準治療に基づき化学療法を受けた。 EI群:ED(エレンタール®)1~2包/日を2ヵ月以上摂取する。摂取時間、タイミング、1包の分割摂取は規定されていない。 ND群:栄養補助食品の追加は行われなかった。 |
| 解析計画 | 先行する後ろ向き研究において、1年生存率がEI群で約70%、ND群で約30%と報告されていることを踏まえ、α=0.05、β=0.20、脱落率10%を仮定し、各群30例と算出した。2群間の比較について、カテゴリ変数はFisherの正確確率検定、連続変数は対応のあるt検定またはMann‒WhitneyのU検定を用いた。OSおよびPFSの中央値はKaplan‒Meier法で推定し、log-rank検定を用いて比較した。すべての検定は両側検定とし、p値が0.05未満の場合を統計的に有意とした。 |
| 栄養指標の評価 | 血清タンパクマーカー:総タンパク(TP)、アルブミン(ALB)、トランスフェリン(Tf)、レチノール結合タンパク(RBP)、トランスサイレチン(TTR)/体組成分析/骨格筋面積(SMA)/脂肪組織面積(ATA)/骨格筋指数(SMI)/脂肪組織指数(ATI)/手指握力(HGS)を毎月測定した。また、全例に2週間ごとに栄養指導を行った。 |
監修医コメント
本研究は、進行膵癌において化学療法開始早期からエレンタール®配合内用剤を併用することで、栄養状態の維持や筋力低下の抑制に寄与し、治療効果の向上や全生存期間の延長につながる可能性を示したランダム化比較試験です。膵癌では治療早期から栄養障害が進行しやすく、その重要性はこれまでも指摘されていましたが、栄養治療による予後への影響を前向きに検討した報告は限られていました。本研究結果は、栄養治療を支持療法としての役割に加え、治療戦略の一部として早期から位置づける重要性を示唆しています。
2026年7月作成
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