カログラ®錠の安全性と有効性

カログラ錠の安全性と有効性
特定使用成績調査中間結果報告[安全性情報]第2報及び国内の臨床試験データより

「禁忌を含む注意事項等情報」等は、Drug Informationをご参照ください。

一部承認外の用法及び用量の成績が含まれていますが、安全性情報であるため紹介します。

特定使用成績調査中間結果報告[第2報]におけるカログラ®錠の実臨床下での副作用発現状況は以下のとおりでした1)

副作用等発現状況

副作用等発現状況を示す表
  • 安全性解析対象症例100例のうち、副作用は1クールで10例に認められ、副作用発現割合は10.00%(10/100例)でした。
  • 副作用の内訳は、「頭痛」4.00%(4/100例)、「悪心」4.00%(4/100例)、「蕁麻疹」2.00%(2/100例)、「口唇炎」1.00%(1/100例)、「アトピー性皮膚炎」1.00%(1/100例)、「関節痛」1.00%(1/100例)、「好酸球数増加」1.00%(1/100例)でした。
  • 死亡例を含む重篤な副作用の発現は認められませんでした。
  • 投与中止に至った副作用は、中間解析で集計されませんでした。
  • 「使用上の注意」から予測できない副作用は1クールで2例に認められ、副作用発現割合は2.00%(2/100例)でした。
    内訳は、「口唇炎」1.00%(1/100例)、「アトピー性皮膚炎」1.00%(1/100例)でした。
  • 実施計画書にて定義した中枢性神経症状関連の副作用は認められませんでした。
    ※片麻痺/認知機能障害/構音障害/小脳失調症状(ふらつき、眩暈)/失語/四肢麻痺/視覚異常/嚥下障害/不随意運動/脳神経麻痺/その他
  • カログラ®錠の安全性情報については、DIページをご参照ください。

患者背景:投与開始時点での部分的Mayoスコア副作用等発現状況

投与開始時点での部分的Mayoスコア副作用等発現状況を示すグラフ
特定使用成績調査中間結果報告[第2報]において、投与開始時点での部分的Mayoスコア(95例)は5.0±1.6(平均値±標準偏差)でした。
1)特定使用成績調査中間結果報告[第2報]

6. 用法及び用量
通常、成人にはカロテグラストメチルとして1回960mgを1日3回食後経口投与する。
7. 用法及び用量に関連する注意
7.1 8週間投与しても臨床症状や内視鏡所見等による改善効果が得られない場合、本剤の継続の可否も含め、治療法を再考すること。
7.2 他のインテグリン拮抗薬であるナタリズマブ(遺伝子組換え)においてPMLの発現が報告されている。本剤のPML発現リスクを低減するため、投与期間は6ヵ月までとし、6ヵ月以内に寛解に至った場合はその時点で投与を終了すること。また、本剤による治療を再度行う場合には、投与終了から8週間以上あけること。
[5.2、8.2、9.1.1、11.1.1参照]

国内第Ⅲ相試験(CT3)において、プラセボに対するカログラ®錠の優越性(主要評価項目:8週時のMayoスコアによる改善率①)が検証されました2,3)(検証的解析結果)。

初回投与期検証期(8週)の有効性/Mayoスコアによる改善率①【主要評価項目】(検証的解析結果)

主要評価項目である8週時のMayoスコアによる改善率①について、カログラ®錠群のプラセボ群に対する有意差が認められたことから、プラセボに対するカログラ®錠の優越性が検証されました(プラセボ群に対するオッズ比[両側95%信頼区間]3.30[1.73, 6.29]、p=0.0003、Wald χ2検定)。
※投与群、ベースラインにおけるMayoスコア(6点以上7点以下、8点以上10点以下)、ステロイド、抗TNF-α抗体製剤、免疫療法剤治療の有無及び寛解導入療法開始日から本登録日までの期間(4週未満、4週以上)を説明変数としたロジスティック回帰分析
初回投与期検証期(8週)の有効性/Mayoスコアによる改善率①を示すグラフ
初回投与期検証期(8週)の有効性/Mayoスコアによる改善率①を示す表
a)投与群、ベースラインにおけるMayoスコア(6点以上7点以下、8点以上10点以下)、ステロイド、抗TNF-α抗体製剤、免疫療法剤治療の有無及び寛解導入療法開始日から本登録日までの期間(4週未満、4週以上)を説明変数としたロジスティック回帰分析
※:Wald χ2検定 欠測値(単純な欠測)はLOCFにより補完した。
Mayoスコアによる改善率①:以下の3つの条件を満たす被験者の割合
・0週のMayoスコアと比較して30%以上減少かつ3点以上減少
・血便サブスコアが0週と比較して1点以上減少又は1点以下
・粘膜所見サブスコアが1点以下

国内第Ⅲ相試験(CT3)において、部分的Mayoスコアによる累積改善率は、投与2週目より有意な改善を示しました(p<0.005、χ2検定、名目上のp値)2,3)

初回投与期継続期(0~24週)の有効性/部分的Mayoスコアによる累積改善率【副次評価項目】

中等症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内第Ⅲ相試験(AJM300/CT3)において、カログラ®錠投与開始時点での部分的Mayoスコア(102例)は5.7±1.3(平均値±標準偏差)でした。カログラ®錠投与2週目から臨床症状の改善(部分Mayoスコアによる累積改善率)が認められました(p<0.005、χ2検定、名目上のp値)
初回投与期継続期(0~24週)の有効性/部分的Mayoスコアによる累積改善率を示すグラフと表
※:χ2検定(いずれも名目上のp値)欠測値(単純な欠測)はLOCFにより補完した。
部分的Mayoスコアによる改善率:以下の2つの条件を満たす被験者の割合
・各投与期0週の部分的Mayoスコアと比較して25%以上減少かつ2点以上減少
・血便サブスコアが各投与期0週と比較して1点以上減少又は1点以下
カログラ®錠120mg 令和3年12月1日付け追加照会事項に対する回答より作表

国内第Ⅲ相試験(CT3)において、24週時の部分的Mayoスコアによる累積改善率は、初回投与期で71.1%、寛解後の再燃時に再投与した場合は73.1%でした2,3)

投与期の回数ごとの有効性(初回投与期、再投与期)/部分的Mayoスコアによる累積改善率【副次評価項目】

投与期の回数ごとの部分的Mayoスコアによる累積改善率は、1回では52.6%~71.1%、2回では53.8%~73.1%でした。
投与期の回数ごとの有効性(初回投与期、再投与期)/部分的Mayoスコアによる累積改善率を示すグラフと表
部分的Mayoスコアによる改善率:上記参照 欠測値(単純な欠測)はLOCFにより補完した。
2)社内資料:第Ⅲ相試験結果(2022年3月28日承認、申請資料概要2.7.6.14)[承認時評価資料]
3)Matsuoka K, et al. Lancet Gastroenterol. Hepatol. 2022:7(7):648-657
利益相反:本研究はEAファーマとキッセイ薬品の支援を受けた。著者にEAファーマの社員が含まれる。

国内第Ⅲ相試験(CT3)において、寛解導入が完了した症例では、投与終了後に5-ASAに戻した後の非再燃状態を粘膜治癒で終了した場合は75%(12/16例)、血便消失で終了の場合は約51%(23/45例)が維持していました2-5)

※粘膜所見サブスコアが0点又は血便サブスコアが0点になった症例

初回投与期直後の非投与期における部分的Mayoスコアによる再燃までの期間及び潰瘍性大腸炎の治療状況【副次評価項目のサブグループ解析】

カログラ®錠投与後の非投与期における非再燃率及び潰瘍性大腸炎の治療状況は以下のとおりでした。

治験薬投与終了時に粘膜治癒に至った症例

  • 治験薬投与終了時に粘膜治癒に至った症例を示すグラフ
  • 治験薬投与終了時に粘膜治癒に至った症例を示す表
    例数(%)
    治験薬投与終了から部分的Mayoスコアによる再燃又は中等症の状態となるまでの期間、潰瘍性大腸炎の治療のために用いた薬剤(治療)
2)社内資料:第Ⅲ相試験結果(2022年3月28日承認、申請資料概要2.7.6.14)[承認時評価資料]より改変
5)社内資料:第Ⅲ相試験結果(2022年3月28日承認、申請資料5.3.5.1.4)[承認時評価資料]より改変
部分的Mayoスコアによる再燃:以下の3つの条件を満たす状態
・部分的Mayoスコアが治験薬投与終了時から3点以上上昇
・血便サブスコアが1点以上
・担当医師による潰瘍性大腸炎のための治療の追加又は変更(上記2条件を満たした時点以降の追加・変更とする)

治験薬投与終了時に血便サブスコアが0点に至った症例

  • 治験薬投与終了時に血便サブスコアが0点に至った症例を示すグラフ
  • chart10_1000-715_202506
    例数(%)
    治験薬投与終了から部分的Mayoスコアによる再燃又は中等症の状態となるまでの期間、潰瘍性大腸炎の治療のために用いた薬剤(治療)
2)社内資料:第Ⅲ相試験結果(2022年3月28日承認、申請資料概要2.7.6.14)[承認時評価資料]より改変
5)社内資料:第Ⅲ相試験結果(2022年3月28日承認、申請資料5.3.5.1.4)[承認時評価資料]より改変
部分的Mayoスコアによる再燃:以下の3つの条件を満たす状態
・部分的Mayoスコアが治験薬投与終了時から3点以上上昇
・血便サブスコアが1点以上
・担当医師による潰瘍性大腸炎のための治療の追加又は変更(上記2条件を満たした時点以降の追加・変更とする)

各薬剤の使用にあたっては、電子添文をご確認ください。

国内第Ⅲ相試験(CT3)において、8週までの副作用の発現頻度は、カログラ®錠群で16.7%(17/102例)、プラセボ群で13.9%(14/101例)でした2,3)

安全性の評価項目:初回投与期の安全性の概要

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検証期における主な副作用は、カログラ®錠群では上咽頭炎2.0%(2/102例)、悪心2.0%(2/102例)、肝機能異常2.0%(2/102例)でした。プラセボ群では上咽頭炎3.0%(3/101例)、発疹2.0%(2/101例)でした。全期間(検証期と継続期)における主な副作用は、カログラ®錠群では上咽頭炎.9%(3/102例)、頭痛2.0%(2/102例)、悪心2.0%(2/102例)、肝機能異常2.0%(2/102例)でした。プラセボ群では上咽頭炎4.0%(4/101例)、インフルエンザ2.0%(2/101例)、上腹部痛2.0%(2/101例)、発疹2.0%(2/101例)でした。
本試験において死亡に至った副作用は、両群ともに認められず、重篤な副作用は、検証期においてプラセボ群の1例に頭痛及び発熱が各1.0%(1/101例)に認められました。投与中止に至った副作用は、検証期においてカログラ®錠群で薬物過敏症1.0%(1/102例)、プラセボ群で嘔吐1.0%(1/101例)に認められました。

ET2試験、ET3試験、CT2試験、CT3試験はプラセボ対照試験で患者の選択基準及び除外基準が類似しており、第Ⅱ相試験の投与期間と第Ⅲ相試験の検証期の投与期間が8週間であることから、8週時の有害事象について併合解析しました。

ET2試験、ET3試験、CT2試験の対象にはいずれも経口の副腎皮質ホルモン製剤に対して効果不十分又は不耐の患者が含まれており、承認された効能又は効果から逸脱したデータが含まれますが、承認時評価資料のため紹介します。

参考:国内第Ⅱ相及び第Ⅲ相試験の併合解析における年齢別の副作用発現状況6)

国内第Ⅱ相試験(AJM300/ET2、AJM300/ET3試験)及び第Ⅲ相試験(AJM300/CT2、AJM300/CT3試験)の併合解析における年齢別副作用一覧(2例以上に発現)【安全性のサブグループ解析】

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例数(%)
2)社内資料:第Ⅲ相試験結果(2022年3月28日承認、申請資料概要2.7.6.14)[承認時評価資料]
3)Matsuoka K, et al. Lancet Gastroenterol. Hepatol. 2022:7(7):648-657
利益相反:本研究はEAファーマとキッセイ薬品の支援を受けた。著者にEAファーマの社員が含まれる。
4)社内資料:第Ⅲ相試験結果 追加集計結果に関する報告書(2)
5)社内資料:第Ⅲ相試験結果(2022年3月28日承認、申請資料5.3.5.1.4)[承認時評価資料]
6)社内資料:国内第Ⅱ相試験(AJM300/ET2、AJM300/ET3試験)及び第Ⅲ相試験(AJM300/CT2、AJM300/CT3試験)の併合解析

4. 効能又は効果
中等症の潰瘍性大腸炎(5-アミノサリチル酸製剤による治療で効果不十分な場合に限る)

試験概要

一部承認外の用法及び用量の成績が含まれていますが、安全性情報であるため紹介します。

特定使用成績調査中間結果報告[第2報]1)

目的 日常診療の使用実態下における中等度の活動期潰瘍性大腸炎患者に対するカログラ®錠120mgの有効性に関する情報を収集するとともに、安全性を評価し、本剤を有効かつ安全に使用するための情報を得ること。
対象 本調査は、本剤を初めて使用する中等症の潰瘍性大腸炎(5-ASA製剤による治療で効果不十分な場合に限る)患者約300例を対象としており、今回の中間報告では2024年3月27日までに収集した安全性解析対象症例の100例を対象とした。
観察期間 1クール(初回観察期):分冊1(投与期間)[最長26週]+分冊2(追跡調査期間)[最長52週]
2クール(再治療観察期):分冊3(投与期間)[最長26週]+分冊4(追跡調査期間)[最長52週]
調査期間 2022年6月~2028年5月
登録期間 2022年6月~2024年11月
※登録患者数が調査予定患者数に達したため、2024年9月に短縮した
調査項目 患者背景、副作用発現状況 など
Limitation 本調査は中間段階であり、症例数が限られているため明確な結論は得られていない。
ET2試験、ET3試験、CT2試験の対象にはいずれも経口の副腎皮質ホルモン製剤に対して効果不十分又は不耐の患者が含まれており、承認された効能又は効果から逸脱したデータが含まれますが、承認時評価資料のため紹介します。

国内第Ⅱ相試験(AJM300/ET2試験)7)

目的 活動期潰瘍性大腸炎患者を対象に、プラセボを対照とした二重盲検比較試験により、カログラ®錠を1回あたり480mg、1日3回、8週間経口投与した際の、カログラ®錠の有効性及び安全性について探索的に検討する。
試験デザイン プラセボ対照無作為化二重盲検多施設共同並行群間比較試験
対象 経口の5-ASA製剤(SASP製剤を含む)又は経口の副腎皮質ホルモン製剤に対して効果不十分又は不耐の中等症の活動期にある日本人潰瘍性大腸炎患者46例
方法 カログラ®錠120mg又はプラセボ錠を1回4錠、1日3回食後に経口投与した。投与期間は8週間とした。
評価項目 【安全性の評価項目】副作用発現状況 など
解析計画 【安全性の評価項目】有害事象は治験薬との因果関係別に発現例数と発現率を投与群別に算出した。また、年齢・性別のような人口統計学的特性、その他の被験者背景、有効性の結果などによる部分集団解析を実施した。

国内第Ⅱ相試験(AJM300/ET3試験)8,9)

目的 活動期潰瘍性大腸炎患者を対象に、プラセボを対照とした二重盲検比較試験により、カログラ®錠を1回あたり960mg、1日3回、8週間経口投与した際の、カログラ®錠の有効性及び安全性などを探索的に検討する。
試験デザイン プラセボ対照無作為化二重盲検多施設共同並行群間比較試験
対象 経口の5-ASA製剤(SASP製剤を含む)又は経口の副腎皮質ホルモン製剤に対して効果不十分又は不耐の中等症の活動期にある日本人潰瘍性大腸炎患者102例
方法 カログラ®錠120mg錠又はプラセボ錠を1回8錠、1日3回食後に経口投与した。投与期間は8週間とした。
評価項目 【安全性の評価項目】副作用発現状況 など
解析計画 【安全性の評価項目】有害事象は治験薬との因果関係別に発現例数と発現率を投与群別に算出した。また、人口統計学的特性、その他の被験者背景などによる部分集団解析を実施した。

国内第Ⅲ相試験(AJM300/CT2試験)10)

目的 活動期潰瘍性大腸炎患者を対象に、プラセボを対照とした二重盲検比較試験により、カログラ®錠を1回あたり960mg、1日3回、8週間経口投与した際の、カログラ®錠の有効性について検証するとともに安全性及び血漿中薬物濃度などを検討する。
試験デザイン 初回投与期:プラセボ対照無作為化二重盲検多施設共同並行群間比較試験(プラセボを対照とした有効性の検証試験)
再投与期:無対照多施設共同単群試験
対象 経口の5-ASA製剤(SASP製剤を含む)又は経口副腎皮質ホルモン製剤に対して効果不十分又は不耐の中等症の活動期にある日本人潰瘍性大腸炎患者165例
方法 初回投与期:カログラ®錠120mg錠又はプラセボ錠を1回8錠、1日3回食後に経口投与した。
再投与期:カログラ®錠120mg錠を1回8錠、1日3回食後に経口投与した。
評価項目 【安全性の評価項目】副作用発現状況 など
解析計画 【安全性の評価項目】安全性は、初回投与期及びカログラ®錠投与期の回数ごとに評価した。有害事象は治験薬との因果関係別に発現例数と発現率を投与群別に算出した。また、人口統計学的特性、その他の被験者背景などによる部分集団解析を実施した。

7. 用法及び用量に関連する注意
中等症の潰瘍性大腸炎(5-アミノサリチル酸製剤による治療で効果不十分な場合に限る)
7.1 8週間投与しても臨床症状や内視鏡所見等による改善効果が得られない場合、本剤の継続の可否も含め、治療法を再考すること。
7.2 他のインテグリン拮抗薬であるナタリズマブ(遺伝子組換え)においてPMLの発現が報告されている。本剤のPML発現リスクを低減するため、投与期間は6ヵ月までとし、6ヵ月以内に寛解に至った場合はその時点で投与を終了すること。また、本剤による治療を再度行う場合には、投与終了から8週間以上あけること。[5.2、8.2、9.1.1、11.1.1参照]

国内第Ⅲ相試験(AJM300/CT3試験)2,3)

目的 活動期潰瘍性大腸炎患者を対象に、プラセボを対照とした二重盲検比較試験により、カログラ®錠を1回あたり960mg、1日3回、8週間経口投与した際の、カログラ®錠の有効性について検証するとともに安全性などを検討する。
試験デザイン 初回投与期:プラセボ対照無作為化二重盲検多施設共同並行群間比較試験(プラセボを対照とした有効性の検証試験)
再投与期:無対照多施設共同単群試験
対象 経口の5-ASA製剤(SASP製剤を含む)に対して効果不十分又は不耐の中等症の活動期にある日本人潰瘍性大腸炎患者203例
方法 初回投与期:カログラ®錠120mg錠又はプラセボ錠を1回8錠、1日3回食後に経口投与した。
再投与期:カログラ®錠120mg錠を1回8錠、1日3回食後に経口投与した。
評価項目 【主要評価項目】初回投与期検証期(8週)におけるMayoスコアによる改善率①(検証的解析項目):以下の3つの条件を満たす被験者の割合
  • 0週のMayoスコアと比較して30%以上減少かつ3点以上減少
  • 血便サブスコアが0週と比較して1点以上減少又は1点以下
  • 粘膜所見サブスコアが1点以下
【副次評価項目】初回投与期継続期(0~24週)部分的Mayoスコアによる累積改善率※1:部分的Mayoスコアが2点以下かつ全てのサブスコアが1点以下の被験者の割合 など
再投与期(0~24週)部分的Mayoスコアによる累積改善率※1:同上 など
非投与期部分的Mayoスコアによる再燃※2までの期間※1【副次評価項目のサブグループ解析】及び非投与期潰瘍性大腸炎の治療状況【副次評価項目のサブグループ解析】 など
※1:カログラ®錠投与期の回数ごとの解析を含む
※2:部分的Mayoスコアによる再燃:以下の3つの条件を満たす被験者の割合

  • 部分的Mayoスコアが治験薬投与終了時から3点以上上昇
  • 血便サブスコアが1点以上
  • 担当医師による潰瘍性大腸炎のための治療の追加又は変更(前述の2条件を満たした時点以降の追加・変更とする)
投与期の回数ごとの解析対象
カログラ®錠投与期の回数 解析対象
0回 初回投与期プラセボ群に割付けられた被験者の初回投与期
1回 初回投与期プラセボ群に割付けられた被験者の再投与期1回目
初回投与期カログラ®錠群に割付けられた被験者の初回投与期
2回 初回投与期プラセボ群に割付けられた被験者の再投与期2回目
初回投与期カログラ®錠群に割付けられた被験者の再投与期1回目
投与期の回数:初回投与期及び再投与期で、カログラ®錠が投与された期の数をカログラ®錠投与期の回数と定義した。
【安全性の評価項目】副作用発現率 など
解析計画 【主要評価項目(主解析)】(検証的解析項目)
FASを解析対象集団とし、Mayoスコアによる改善率①を目的変数、投与群及び割付因子を説明変数としたロジスティック回帰分析(主効果モデル)を行った。また、プラセボ群に対するオッズ比及びその両側95%信頼区間を算出し、Wald χ2検定を行った。プラセボ群と比較し、カログラ®錠群が有意に改善した場合、本剤の有効性が検証されたと判断した。
割付因子は以下のとおりであった。
  • 本登録時におけるMayoスコア
  • 今回の活動期における副腎皮質ホルモン製剤(経口剤、注射剤、局所製剤)、抗TNF-α抗体製剤、免疫療法剤治療の有無
  • 今回の活動期における寛解導入療法開始日から本登録日までの期間
【主要評価項目(副解析)】
PPSを解析対象集団とし、主解析と同様の解析を行った。また、割付因子で調整しない各群の初回投与期(8週)のMayoスコアによる改善率①を計算し、χ2検定を行った。
【副次評価項目】
初回投与期の副次評価項目は、投与群ごとに評価時点までに一度でも解析項目を達成した例数を集計し、割合及びその両側95%信頼区間を算出した。プラセボ群とカログラⓇ錠群との群間差及び差の両側95%信頼区間を算出し、χ2検定を行った。
再投与時の副次評価項目の解析については、各被験者での初回投与期及び再投与期のうち、カログラ®錠が投与された期の数をカログラ®錠投与期の回数と定義し、評価時点、カログラ®錠投与期の回数ごとに解析項目の要約統計量及びその両側95%信頼区間を算出した。
非投与期の部分的Mayoスコアによる再燃までの期間は、直近の治験薬投与終了時の状態別(粘膜治癒又は血便サブスコア0点)に、Kaplan-Meier法にてサブグループ解析した。非投与期潰瘍性大腸炎の治療状況は、直近の治験薬投与終了時の状態別(粘膜治癒又は血便サブスコア0点)に例数を集計し、割合を計算した。
【安全性の評価項目】
安全性は、初回投与期及びカログラ®錠投与期の回数ごとに評価した。有害事象は治験薬との因果関係別に発現例数と発現率を投与群別に算出した。また、人口統計学的特性、その他の被験者背景などによる部分集団解析を実施した。
*検証的な解析以外で得られたp値を名目上のp値とした。
1)特定使用成績調査中間結果報告[第2報]
2)社内資料:第Ⅲ相試験結果(2022年3月28日承認、申請資料概要2.7.6.14)[承認時評価資料]
3)Matsuoka K, et al. Lancet Gastroenterol. Hepatol. 2022:7(7):648-657
利益相反:本研究はEAファーマとキッセイ薬品の支援を受けた。著者にEAファーマの社員が含まれる。
7)社内資料:第Ⅱ相試験結果(2022年3月28日承認、申請資料概要2.7.6.11)[承認時評価資料]
8)社内資料:第Ⅱ相試験結果(2022年3月28日承認、申請資料概要2.7.6.12)[承認時評価資料]
9)Yoshimura N, et al.: Gastroenterology. 2015 Dec; 149(7):1775-1783
利益相反:本試験は、味の素製薬株式会社(現 EAファーマ株式会社)の支援により実施された。
本試験の著者に同社を含む企業からの資金提供を受けているものが含まれる。
10)社内資料:第Ⅲ相試験結果(2022年3月28日承認、申請資料概要2.7.6.13)[承認時評価資料]

●詳細は電子添文をご参照ください。また、電子添文の改訂にご留意ください。

2025年8月作成

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