| 目的 | 活動期潰瘍性大腸炎患者を対象に、プラセボを対照とした二重盲検比較試験によってカログラ®錠の有効性及び安全性などを検討する。 |
| 試験デザイン | 初回投与期:プラセボ対照無作為化二重盲検多施設共同並行群間比較試験(プラセボを対照とした有効性の検証試験) 再投与期:無対照多施設共同単群試験 |
| 対象 | 経口の5-ASA製剤(SASP製剤を含む)に対して効果不十分又は不耐の中等症の活動期にある日本人潰瘍性大腸炎患者203名 |
| 方法 | 初回投与期:カログラ®錠120mg錠又はプラセボ錠を1回8錠、1日3回食後に経口投与した。 再投与期:カログラ®錠120mg錠を1回8錠、1日3回食後に経口投与した。 |
| 評価項目 | 主要評価項目(検証的解析項目):
初回投与期継続期(0~24週)
*カログラ®錠投与期の回数ごとの解析を含む |
| 解析計画 | 【主要評価項目】(検証的解析項目) 主解析ではFASを解析対象集団とし、Mayoスコアによる改善率①を目的変数、投与群及び割付因子を説明変数としたロジスティック回帰分析(主効果モデル)を行った。また、プラセボ群に対するオッズ比及びその両側95%信頼区間を算出し、Waldχ2検定を行った。プラセボ群と比較し、カログラ®錠群が有意に改善した場合、カログラ®錠の有効性が検証されたと判断した。割付因子は以下のとおりであった。
初回投与期の副次評価項目の解析は、投与群ごとに評価時点までに一度でも解析項目を達成した例数を集計し、割合及びその両側95%信頼区間を算出した。プラセボ群とカログラ®錠群との群間差及び差の両側95%信頼区間を算出し、χ2検定を行った。 【安全性の評価項目】 安全性は、初回投与期及びカログラ®錠投与期の回数ごとに評価した。有害事象は治験薬との因果関係別に発現例数と発現率を投与群別に算出した。 ※検証的な解析以外で得られたp値を名目上のp値とした。 |
7. 用法及び用量に関連する注意
7.1 8週間投与しても臨床症状や内視鏡所見等による改善効果が得られない場合、本剤の継続の可否も含め、治療法を再考すること。
7.2 他のインテグリン拮抗薬であるナタリズマブ(遺伝子組換え)においてPMLの発現が報告されている。本剤のPML発現リスクを低減するため、投与期間は6ヵ月までとし、6ヵ月以内に寛解に至った場合はその時点で投与を終了すること。また、本剤による治療を再度行う場合には、投与終了から8週間以上あけること。[5.2、8.2、9.1.1、11.1.1参照]
| 目的 | カログラ®錠の投与に適切な患者プロファイルを明らかにするとともに、同薬の有効性を予測するバイオマーカーを特定し、治療評価の適切な時期を決定する。 |
| 試験デザイン | カログラ®錠の国内第Ⅲ相試験(AJM300/CT3試験)(以後、CT3試験)は、5-ASA製剤に対して効果不十分または不耐の患者を対象とした多施設共同、無作為化、プラセボ対照、二重盲検試験であった1, 2)。CT3試験では、初回投与期にはカログラ®錠120mg錠又はプラセボ錠を1回8錠、1日3回食後に経口投与し、再投与期にはカログラ®錠120mg錠を1回8錠、1日3回食後に経口投与した。本研究(ASPECT試験)は、CT3試験に登録された患者を対象とした後ろ向き観察研究であり、CT3試験に登録された合計203名(カログラ®錠群102名、プラセボ群101名)を含む。CT3試験で採取された血清サンプルから、抗インテグリンαvβ6抗体を含むバイオマーカーを測定した。また、CT3試験の症状日誌を確認し、カログラ®錠治療後に使用された薬剤を調査した。 |
| 方法 | CT3試験に登録された186名(カログラ®錠群96名、プラセボ群90名)の試験中に採取された血清サンプルを用いてバイオマーカー(ロイシンリッチα2グリコプロテイン[LRG]、抗インテグリンαvβ6抗体価)を評価した。排便回数(Mayo排便回数サブスコア)と直腸出血の重症度(Mayo直腸出血サブスコア)は、患者が毎日記録した症状日誌のデータを用いて評価した。カログラ®錠治療により臨床的寛解を達成した患者については、カログラ®錠治療終了後1年間にわたり寛解維持療法として使用した薬剤名と用量を調査した。臨床的寛解は、部分的Mayoスコアが2以下かつすべてのサブスコアが1以下と定義した。LRG、抗インテグリンαvβ6抗体価、症状日誌、寛解維持療法として使用した薬剤のデータは本研究で作成した。その他のデータはCT3試験のデータを用いた。 |
| 評価項目 |
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| 解析計画 | ベースライン患者背景の比較にはFisherの正確検定またはMann‒Whitney U検定を用いた。バイオマーカーの予測有効性は、ROC曲線解析とYouden指数法を用いてベースラインのバイオマーカー値のカットオフを算出し、臨床的寛解と臨床的寛解なしに分類することで評価した。そして、予測バイオマーカーの感度及び特異度、及びカットオフ値以下又はカットオフ値以上のバイオマーカー値を持つ症例間の臨床的寛解率を評価した。 排便回数および直腸出血の消失は日ごとに評価し、これらのエンドポイントをカログラ®錠群とプラセボ群間でFisherの正確検定を用いて比較した。カログラ®錠群における直腸出血改善の経時的変化は、潜在クラス混合効果モデルを用いて解析し、ベイズ情報量基準(BIC)に基づいて最適なクラスタ数を決定した。治療終了時のバイオマーカーとMESの相関は、Spearmanの順位相関係数(ρ)を用いて評価した。MES 0/1群とMES 2/3群の比較は、Wilcoxonの順位和検定を用いて行った。ROC曲線分析およびYouden指数法を用いてMES 0/1とMES 2/3を区別するためのカットオフ値を算出し、これらのカットオフ値の感度および特異度を算出した。カログラ®錠治療終了から1年以内の臨床的寛解維持率は、カプランマイヤー法を用いて推定した。検出限界(200U/mL)を超える抗インテグリンαvβ6抗体価については、データ解析のために200.0U/mLを代入した。全ての解析において、両側p値が0.05未満の場合を統計的に有意とした。 1)社内資料:第Ⅲ相試験結果(2022年3月28日承認、申請資料概要2.7.6.14)[承認時評価資料] 2)Matsuoka K, et al.: Lancet Gastroenterol Hepatol. 2022; 7(7): 648-657 利益相反:本研究はEAファーマとキッセイ薬品の支援を受けた。著者にEAファーマの社員が含まれる。 *臨床的寛解:部分的Mayoスコア≦2かつすべてのサブスコア≦1 5-ASA:5-アミノサリチル酸製剤 |
監修医コメント
臨床的寛解を達成した患者は、達成しなかった患者と比較して、ベースライン時のMayoスコアの中央値(p=0.001)、部分的Mayoスコア(p<0.001)、排便回数サブスコア(p=0.002)、および直腸出血サブスコア(p=0.012)が有意に低値でした(Mann-Whitney U検定、名目上のp値)。カログラ®錠群において、ベースライン時の部分的Mayoスコアが5以下の症例は合計41名(臨床的寛解23名+臨床的寛解なし18名)、6以上の症例は合計55名(臨床的寛解15名+臨床的寛解なし40名)であり、ベースライン時の部分的Mayoスコアに基づく臨床的寛解率は、スコアが5以下の患者では56.1%(23/41名)、6以上の患者では27.3%(15/55名)でした。4つのバイオマーカー(LRG、CRP、FCP、抗インテグリンαvβ6抗体価)すべてにおいて、臨床的寛解例の中央値は臨床的寛解なしの症例よりも低値を示しましたが、その差は統計的に有意ではありませんでした(いずれもp≧0.05、Mann-Whitney U検定、名目上のp値)
監修医コメント
ベースライン時のバイオマーカー値に基づいて臨床的寛解を予測するためのROC解析では、それぞれ以下のカットオフ値(曲線下面積[AUC]値)が得られました:
監修医コメント
Mayo排便回数サブスコアが1以下の患者の割合は、カログラ®錠群とプラセボ群の間で治療開始11日目で初めて有意差が認められました(p<0.05、Fisherの正確検定、名目上のp値)。同様に、Mayo直腸出血サブスコアが0の患者の割合は、16日目で初めて有意差が認められました(p<0.05、Fisherの正確検定、名目上のp値)。
監修医コメント
クラスタはベースライン時のMayo直腸出血サブスコアに応じて3つに分類されました。この解析の結果から、ベースラインのMayo直腸出血サブスコアが低い患者ほど改善が早く、高い患者では改善が遅くまた治療反応性が低い可能性が示唆されました。
監修医コメント
カログラ®錠による治療を受けた患者では、MES 0/1サブグループのFCP中央値はMES 2/3サブグループより有意に低値でした(109.5μg/g vs 942.0μg/g;p<0.001、Wilcoxonの順位和検定、名目上のp値)。
初回コース完了後に臨床的寛解を達成した症例における寛解維持率
2回目のコース完了後に臨床的寛解を達成した症例における寛解維持率
監修医コメント
カログラ®錠治療の初回コース完了後1年(365日)における臨床的寛解維持率は56.5%、2回目のコース完了後1年では53.0%でした。
監修医コメント
治療効果と適応患者像
カログラ®錠による臨床的寛解率は、ベースライン時の部分的Mayoスコアが5以下の患者では56.1%(23/41名)、6以上の患者では27.3%(15/55名)でした。臨床的寛解を達成した患者は、達成しなかった患者と比較して、ベースライン時のMayoスコアの中央値(p=0.001)、部分的Mayoスコア(p<0.001)、排便回数サブスコア(p=0.002)、および直腸出血サブスコア(p=0.012)が有意に低値でした(いずれもMann-Whitney U検定、名目上のp値)。
予測因子
4種類のバイオマーカー(LRG、CRP、FCP、抗インテグリンαvβ6抗体)を評価した結果、ベースライン時の抗インテグリンαvβ6抗体価が44.6U/mL未満の症例は、44.6U/mL以上の症例と比較して臨床的寛解率が有意に高いことが示されました(49.1% vs 26.8%;p=0.035、Fisherの正確検定、名目上のp値)。
症状改善のタイミング
カログラ®錠群とプラセボ群の間でMayo排便回数サブスコアが1以下の患者の割合に初めて有意差が認められたのは、治療開始11日目(p<0.05)であり、同様に、Mayo直腸出血サブスコアが0の患者の割合では、16日目でした(p<0.05、いずれもFisherの正確検定、名目上のp値)。カログラ®錠の効果判定はこの時期以降が適切と考えられました。
バイオマーカーと内視鏡治癒
カログラ®錠による治療を受けた患者では、MES 0/1サブグループのFCP中央値はMES 2/3サブグループより有意に低値でした(109.5μg/g vs 942.0μg/g;p<0.001、Wilcoxonの順位和検定、名目上のp値)。FCPは治療効果の非侵襲的評価に有用である可能性が示唆されました。
2026年6月作成
総合製品情報概要
活動期潰瘍性大腸炎におけるカログラ®錠の実臨床での有効性と安全性
【監修】大阪医科薬科大学病院 消化器内科 医長 炎症性腸疾患センター センター長 柿本 一城 先生、大阪医科薬科大学病院 消化器内科 小柴 良司 先生
活動期潰瘍性大腸炎患者に対するカログラ®錠の有効性と安全性
カログラ®錠の作用機序
カログラ®錠の臨床試験成績
カログラ®錠の安全性と有効性
中等症の活動期潰瘍性大腸炎患者に対するカログラ®錠の有効性と安全性
カログラ®錠を理解・納得して服薬いただく為に〜SDMの視点を踏まえ〜
患者向け冊子(RMP)「カログラ®錠を服用される患者さんとそのご家族の方へ」
医療従事者向け冊子(RMP)「カログラ®錠120mg投与における注意事項」
CAROGRA® Card
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