潰瘍性大腸炎におけるカログラ®錠の使用適正化

※カログラ®錠の効能又は効果は以下のとおりです:
4. 効能又は効果 中等症の潰瘍性大腸炎(5-アミノサリチル酸製剤による治療で効果不十分な場合に限る)
J Gastroenterol. 2025 Dec; 60(12): 1523-1534. doi: 10.1007/s00535-025-02299-9. Epub 2025 Sep 22.
[訂正版]Matsuoka K, et al.: J Gastroenterol. 2026 Apr 10. doi: 10.1007/s00535-026-02399-0.Online ahead of print.(http://creativecommons.org/licenses/by/4.0/)
[利益相反]本試験はEAファーマ及びキッセイ薬品の支援を受けて実施された。
著者の中にEAファーマ、キッセイ薬品の社員が含まれる。
【監修】東邦大学医療センター佐倉病院 消化器内科 教授 松岡 克善 先生
このページでは、下記2つの臨床試験の結果をご紹介いたします。
◆ 試験① 国内第Ⅲ相試験(AJM300/CT3試験)(検証的試験)
◆ 試験② 潰瘍性大腸炎におけるカロテグラストメチルの使用適正化 -患者プロファイリング、予測バイオマーカーおよび有効性評価のタイミング(ASPECT試験)-

「禁忌を含む注意事項等情報」等は、Drug Informationをご参照ください。

試験① 国内第Ⅲ相試験(AJM300/CT3試験)(検証的試験)

社内資料:第Ⅲ相試験結果(2022年3月28日承認、申請資料概要2.7.6.14)[承認時評価資料]
Matsuoka K, et al.: Lancet Gastroenterol Hepatol. 2022; 7(7): 648-657
利益相反:本研究はEAファーマとキッセイ薬品の支援を受けた。著者にEAファーマの社員が含まれる。

試験概要

目的 活動期潰瘍性大腸炎患者を対象に、プラセボを対照とした二重盲検比較試験によってカログラ®錠の有効性及び安全性などを検討する。
試験デザイン 初回投与期:プラセボ対照無作為化二重盲検多施設共同並行群間比較試験(プラセボを対照とした有効性の検証試験)
再投与期:無対照多施設共同単群試験
対象 経口の5-ASA製剤(SASP製剤を含む)に対して効果不十分又は不耐の中等症の活動期にある日本人潰瘍性大腸炎患者203名
方法 初回投与期:カログラ®錠120mg錠又はプラセボ錠を1回8錠、1日3回食後に経口投与した。
再投与期:カログラ®錠120mg錠を1回8錠、1日3回食後に経口投与した。
評価項目 主要評価項目(検証的解析項目):
  • 初回投与期検証期(8週)におけるMayoスコアによる改善率①:以下の3つの条件を満たす被験者の割合
    • 0週のMayoスコアと比較して30%以上減少かつ3点以上減少
    • 血便サブスコアが0週と比較して1点以上減少又は1点以下
    • 粘膜所見サブスコアが1点以下
副次評価項目:
初回投与期継続期(0~24週)

  • 部分的Mayoスコアによる累積改善率:以下の2つの条件を満たす被験者の割合
    • 各投与期0週の部分的Mayoスコアと比較して25%以上減少かつ2点以上減少
    • 血便サブスコアが各投与期0週と比較して1点以上減少又は1点以下
安全性の評価項目:
  • 副作用発現率[初回投与期検証期、初回投与期全期間(検証期と継続期)]
など
*カログラ®錠投与期の回数ごとの解析を含む
解析計画 【主要評価項目】(検証的解析項目)
主解析ではFASを解析対象集団とし、Mayoスコアによる改善率①を目的変数、投与群及び割付因子を説明変数としたロジスティック回帰分析(主効果モデル)を行った。また、プラセボ群に対するオッズ比及びその両側95%信頼区間を算出し、Waldχ2検定を行った。プラセボ群と比較し、カログラ®錠群が有意に改善した場合、カログラ®錠の有効性が検証されたと判断した。割付因子は以下のとおりであった。
  • 本登録時におけるMayoスコア
  • 今回の活動期における副腎皮質ホルモン製剤(経口剤、注射剤、局所製剤)、抗TNF-α抗体製剤、免疫療法剤治療の有無
  • 今回の活動期における寛解導入療法開始日から本登録日までの期間
【副次評価項目】
初回投与期の副次評価項目の解析は、投与群ごとに評価時点までに一度でも解析項目を達成した例数を集計し、割合及びその両側95%信頼区間を算出した。プラセボ群とカログラ®錠群との群間差及び差の両側95%信頼区間を算出し、χ2検定を行った。
【安全性の評価項目】
安全性は、初回投与期及びカログラ®錠投与期の回数ごとに評価した。有害事象は治験薬との因果関係別に発現例数と発現率を投与群別に算出した。
※検証的な解析以外で得られたp値を名目上のp値とした。

初回投与期検証期(8週)のMayoスコアによる改善率①[主要評価項目](検証的解析結果)

8週時のMayoスコアによる改善率①は、カログラ®錠群45.1%(46/102名)、プラセボ群20.8%(21/101名)でした。
カログラ®錠群のプラセボ群に対する有意差が認められたことから、プラセボ群に対するカログラ®錠の優越性が検証されました(プラセボ群に対するオッズ比[両側95%信頼区間]3.30[1.73, 6.29]**、p=0.0003、Wald χ2検定、検証的解析結果)。
**投与群、ベースラインにおけるMayoスコア(6点以上7点以下、8点以上10点以下)、ステロイド、抗TNF-α抗体製剤、免疫療法剤治療の有無及び寛解導入療法開始日から本登録日までの期間(4週未満、4週以上)を説明変数としたロジスティック回帰分析
欠測値(単純な欠測)はLOCFにより補完した。

初回投与期継続期(0~24週)の部分的Mayoスコアによる累積改善率[副次評価項目]

部分的Mayoスコアによる累積改善率は、いずれの評価時点でも両群間に有意差が認められました(p<0.005、χ2検定、名目上のp値)。
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※χ2検定(いずれも名目上のp値)
部分的Mayoスコアによる改善率:以下の2つの条件を満たす被験者の割合
・各投与期0週の部分的Mayoスコアと比較して25%以上減少かつ2点以上減少
・血便サブスコアが各投与期0週と比較して1点以上減少又は1点以下
欠測値(単純な欠測)はLOCFにより補完した。

初回投与期の安全性[安全性の評価項目]

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例数(%)
初回投与期の検証期及び全期間(検証期と継続期)において、治験薬との因果関係ありの有害事象(副作用)の発現率は、カログラ®錠群でそれぞれ16.7%(17/102名)及び17.6%(18/102名)、プラセボ群でそれぞれ13.9%(14/101名)及び17.8%(18/101名)でした。
検証期における主な副作用は、カログラ®錠群では上咽頭炎2.0%(2/102名)、悪心2.0%(2/102名)、肝機能異常2.0%(2/102名)でした。プラセボ群では上咽頭炎3.0%(3/101名)、発疹2.0%(2/101名)でした。全期間(検証期と継続期)における主な副作用は、カログラ®錠群では上咽頭炎2.9%(3/102名)、頭痛2.0%(2/102名)、悪心2.0%(2/102名)、肝機能異常2.0%(2/102名)でした。プラセボ群では上咽頭炎4.0%(4/101名)、インフルエンザ2.0%(2/101名)、上腹部痛2.0%(2/101名)、発疹2.0%(2/101名)でした。
本試験において死亡に至った副作用は、両群ともに認められず、重篤な副作用は、検証期においてプラセボ群の1名に頭痛及び発熱が認められました。投与中止に至った副作用は、検証期においてカログラ®錠群で薬物過敏症1名、プラセボ群で嘔吐1名が認められました。

7. 用法及び用量に関連する注意
7.1 8週間投与しても臨床症状や内視鏡所見等による改善効果が得られない場合、本剤の継続の可否も含め、治療法を再考すること。
7.2 他のインテグリン拮抗薬であるナタリズマブ(遺伝子組換え)においてPMLの発現が報告されている。本剤のPML発現リスクを低減するため、投与期間は6ヵ月までとし、6ヵ月以内に寛解に至った場合はその時点で投与を終了すること。また、本剤による治療を再度行う場合には、投与終了から8週間以上あけること。[5.2、8.2、9.1.1、11.1.1参照]

試験② 潰瘍性大腸炎におけるカロテグラストメチルの使用適正化
-患者プロファイリング、予測バイオマーカーおよび有効性評価のタイミング(ASPECT試験)-

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※5-アミノサリチル酸製剤による治療で効果不十分な中等症の潰瘍性大腸炎
Optimising carotegrast methyl use in ulcerative colitis:patient profiling, predictive biomarkers, and timing of efficacy evaluation(ASPECT study)
Matsuoka K, et al.: J Gastroenterol. 2025 Dec; 60(12): 1523-1534. doi: 10.1007/s00535-025-02299-9. Epub 2025 Sep 22.
[訂正版]Matsuoka K, et al.: J Gastroenterol. 2026 Apr 10. doi: 10.1007/s00535-026-02399-0. Online ahead of print.
[利益相反]本試験はEAファーマ及びキッセイ薬品の支援を受けて実施された。著者の中にEAファーマ、キッセイ薬品の社員が含まれる。

試験概要

目的 カログラ®錠の投与に適切な患者プロファイルを明らかにするとともに、同薬の有効性を予測するバイオマーカーを特定し、治療評価の適切な時期を決定する。
試験デザイン カログラ®錠の国内第Ⅲ相試験(AJM300/CT3試験)(以後、CT3試験)は、5-ASA製剤に対して効果不十分または不耐の患者を対象とした多施設共同、無作為化、プラセボ対照、二重盲検試験であった1, 2)。CT3試験では、初回投与期にはカログラ®錠120mg錠又はプラセボ錠を1回8錠、1日3回食後に経口投与し、再投与期にはカログラ®錠120mg錠を1回8錠、1日3回食後に経口投与した。本研究(ASPECT試験)は、CT3試験に登録された患者を対象とした後ろ向き観察研究であり、CT3試験に登録された合計203名(カログラ®錠群102名、プラセボ群101名)を含む。CT3試験で採取された血清サンプルから、抗インテグリンαvβ6抗体を含むバイオマーカーを測定した。また、CT3試験の症状日誌を確認し、カログラ®錠治療後に使用された薬剤を調査した。
方法 CT3試験に登録された186名(カログラ®錠群96名、プラセボ群90名)の試験中に採取された血清サンプルを用いてバイオマーカー(ロイシンリッチα2グリコプロテイン[LRG]、抗インテグリンαvβ6抗体価)を評価した。排便回数(Mayo排便回数サブスコア)と直腸出血の重症度(Mayo直腸出血サブスコア)は、患者が毎日記録した症状日誌のデータを用いて評価した。カログラ®錠治療により臨床的寛解を達成した患者については、カログラ®錠治療終了後1年間にわたり寛解維持療法として使用した薬剤名と用量を調査した。臨床的寛解は、部分的Mayoスコアが2以下かつすべてのサブスコアが1以下と定義した。LRG、抗インテグリンαvβ6抗体価、症状日誌、寛解維持療法として使用した薬剤のデータは本研究で作成した。その他のデータはCT3試験のデータを用いた。
評価項目
  • カログラ®錠群における臨床的寛解の有無によるベースライン時の患者背景の比較
  • バイオマーカー(LRG、C反応性蛋白[CRP]、糞便中カルプロテクチン[FCP]、抗インテグリンαvβ6抗体価)による治療効果予測
  • 排便回数及び直腸出血の経時的変化
  • カログラ®錠群における直腸出血改善のクラスタ解析
  • 治療終了時におけるMayo内視鏡サブスコア(MES)とバイオマーカー値の相関
  • カログラ®錠群における臨床的寛解達成後の寛解維持率
  • カログラ®錠治療後に寛解を維持した症例における維持療法薬の使用状況
解析計画 ベースライン患者背景の比較にはFisherの正確検定またはMann‒Whitney U検定を用いた。バイオマーカーの予測有効性は、ROC曲線解析とYouden指数法を用いてベースラインのバイオマーカー値のカットオフを算出し、臨床的寛解と臨床的寛解なしに分類することで評価した。そして、予測バイオマーカーの感度及び特異度、及びカットオフ値以下又はカットオフ値以上のバイオマーカー値を持つ症例間の臨床的寛解率を評価した。
排便回数および直腸出血の消失は日ごとに評価し、これらのエンドポイントをカログラ®錠群とプラセボ群間でFisherの正確検定を用いて比較した。カログラ®錠群における直腸出血改善の経時的変化は、潜在クラス混合効果モデルを用いて解析し、ベイズ情報量基準(BIC)に基づいて最適なクラスタ数を決定した。治療終了時のバイオマーカーとMESの相関は、Spearmanの順位相関係数(ρ)を用いて評価した。MES 0/1群とMES 2/3群の比較は、Wilcoxonの順位和検定を用いて行った。ROC曲線分析およびYouden指数法を用いてMES 0/1とMES 2/3を区別するためのカットオフ値を算出し、これらのカットオフ値の感度および特異度を算出した。カログラ®錠治療終了から1年以内の臨床的寛解維持率は、カプランマイヤー法を用いて推定した。検出限界(200U/mL)を超える抗インテグリンαvβ6抗体価については、データ解析のために200.0U/mLを代入した。全ての解析において、両側p値が0.05未満の場合を統計的に有意とした。
1)社内資料:第Ⅲ相試験結果(2022年3月28日承認、申請資料概要2.7.6.14)[承認時評価資料]
2)Matsuoka K, et al.: Lancet Gastroenterol Hepatol. 2022; 7(7): 648-657
利益相反:本研究はEAファーマとキッセイ薬品の支援を受けた。著者にEAファーマの社員が含まれる。
*臨床的寛解:部分的Mayoスコア≦2かつすべてのサブスコア≦1
5-ASA:5-アミノサリチル酸製剤
検証的な解析以外で得られたp値を名目上のp値とした。

Limitation

  • 使用したデータにおいて一部の患者で治療終了時のMESデータが欠損していた。これらの欠損データを有する患者は、バイオマーカーとMESの関係を評価するための解析データセットから除外されたため、これらの解析におけるサンプルサイズが限定的となった。

各薬剤の使用にあたっては、電子添文をご確認ください。

ベースラインの患者背景

CT3試験に登録された203名のうち、解析対象となったのは186名(カログラ®錠群96名、プラセボ群90名)であった。
直腸出血および排便回数の症状データは、カログラ®錠群94名、プラセボ群87名で利用可能であった。寛解維持療法に関するデータは48名から収集され、再燃後に2回目、3回目のコースでカログラ®錠治療を選択した患者も含め、合計59時点で収集された。
chart01_1000-715_202606
n(%)または中央値(四分位範囲:IQR)
5-ASA:5-アミノサリチル酸製剤、LRG:ロイシンリッチα2グリコプロテイン、CRP:C反応性蛋白、FCP:糞便中カルプロテクチン
a サラゾスルファピリジン系薬剤を含む
Matsuoka K, et al.: J Gastroenterol. 2025 Dec; 60(12): 1523-1534. doi: 10.1007/s00535-025-02299-9. Epub 2025 Sep 22.

カログラ®錠群における臨床的寛解の有無によるベースライン時の患者背景の比較

カログラ®錠群(初回コース)における臨床的寛解の有無による患者のベースライン特性を以下に示した。
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n(%)または中央値(四分位範囲:IQR) 5-ASA:5-アミノサリチル酸製剤、LRG:ロイシンリッチα2グリコプロテイン、CRP:C反応性蛋白、FCP:糞便中カルプロテクチン
a サラゾスルファピリジン系薬剤を含む、b Fisherの正確検定、c Mann-Whitney U検定 *臨床的寛解:部分的Mayoスコア≦2かつすべてのサブスコア≦1 **名目上のp値
Matsuoka K, et al.: J Gastroenterol. 2025 Dec; 60(12): 1523-1534. doi: 10.1007/s00535-025-02299-9. Epub 2025 Sep 22.

監修医コメント

臨床的寛解を達成した患者は、達成しなかった患者と比較して、ベースライン時のMayoスコアの中央値(p=0.001)、部分的Mayoスコア(p<0.001)、排便回数サブスコア(p=0.002)、および直腸出血サブスコア(p=0.012)が有意に低値でした(Mann-Whitney U検定、名目上のp値)。カログラ®錠群において、ベースライン時の部分的Mayoスコアが5以下の症例は合計41名(臨床的寛解23名+臨床的寛解なし18名)、6以上の症例は合計55名(臨床的寛解15名+臨床的寛解なし40名)であり、ベースライン時の部分的Mayoスコアに基づく臨床的寛解率は、スコアが5以下の患者では56.1%(23/41名)、6以上の患者では27.3%(15/55名)でした。4つのバイオマーカー(LRG、CRP、FCP、抗インテグリンαvβ6抗体価)すべてにおいて、臨床的寛解例の中央値は臨床的寛解なしの症例よりも低値を示しましたが、その差は統計的に有意ではありませんでした(いずれもp≧0.05、Mann-Whitney U検定、名目上のp値)

バイオマーカーによる治療効果予測

カットオフ値を基準にしたバイオマーカー値の上下で層別化した臨床的寛解率を以下に示した。
ROC解析を用いて、ベースラインバイオマーカーのカットオフ値を算出し、臨床的寛解と臨床的寛解なしに分類した。次に、バイオマーカー値がこれらのカットオフ値を下回る症例と上回る症例の臨床的寛解率を算出した。
LRG:ロイシンリッチα2グリコプロテイン、CRP:C反応性蛋白、FCP:糞便中カルプロテクチン
a Fisherの正確検定、名目上のp値
Matsuoka K, et al.: J Gastroenterol. 2025 Dec; 60(12): 1523-1534. doi: 10.1007/s00535-025-02299-9. Epub 2025 Sep 22.

監修医コメント

ベースライン時のバイオマーカー値に基づいて臨床的寛解を予測するためのROC解析では、それぞれ以下のカットオフ値(曲線下面積[AUC]値)が得られました:

  • LRG=18.6μg/mL(AUC=0.532)
  • CRP=0.165mg/dL(AUC=0.548)
  • FCP=692.5μg/g(AUC=0.523)
  • 抗インテグリンαvβ6抗体価=44.6U/mL(AUC=0.591)
また、ベースライン時の抗インテグリンαvβ6抗体価が44.6U/mL未満の症例は、44.6U/mL以上の症例と比較して臨床的寛解率が有意に高いことが示されました(49.1% vs 26.8%;p=0.035、Fisherの正確検定、名目上のp値)。

排便回数及び直腸出血の経時的変化

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*p<0.05、Fisherの正確検定、名目上のp値
Matsuoka K, et al.: J Gastroenterol. 2025 Dec; 60(12): 1523-1534. doi: 10.1007/s00535-025-02299-9. Epub 2025 Sep 22.

監修医コメント

Mayo排便回数サブスコアが1以下の患者の割合は、カログラ®錠群とプラセボ群の間で治療開始11日目で初めて有意差が認められました(p<0.05、Fisherの正確検定、名目上のp値)。同様に、Mayo直腸出血サブスコアが0の患者の割合は、16日目で初めて有意差が認められました(p<0.05、Fisherの正確検定、名目上のp値)。

カログラ®錠群における直腸出血改善のクラスタ解析

カログラ®錠群におけるMayo直腸出血サブスコアの改善のクラスタ解析では、BICに基づき、最適な3つのクラスタが同定された。ベースライン時のMayo直腸出血サブスコアに基づき、患者は以下のいずれかに分類された。
クラスタ1:Mayo直腸出血サブスコアが最も低い群
クラスタ2:Mayo直腸出血サブスコアが中程度の群
クラスタ3:Mayo直腸出血サブスコアが最も高い群
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*潜在クラス混合効果モデル、名目上のp値  BIC:ベイズ情報量基準
データは、各Mayo直腸出血サブスコアに該当する患者数(各クラスタ全体に対する割合)
Matsuoka K, et al.: J Gastroenterol. 2025 Dec; 60(12): 1523-1534. doi: 10.1007/s00535-025-02299-9. Epub 2025 Sep 22.

監修医コメント

クラスタはベースライン時のMayo直腸出血サブスコアに応じて3つに分類されました。この解析の結果から、ベースラインのMayo直腸出血サブスコアが低い患者ほど改善が早く、高い患者では改善が遅くまた治療反応性が低い可能性が示唆されました。

治療終了時におけるMESとバイオマーカー値の相関

カログラ®錠群における治療終了時のバイオマーカー値とMESの相関係数は以下の通りだった。
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MES:Mayo内視鏡サブスコア、LRG:ロイシンリッチα2グリコプロテイン、CRP:C反応性蛋白、FCP:糞便中カルプロテクチン  a Wilcoxonの順位和検定、名目上のp値
Matsuoka K, et al.: J Gastroenterol. 2025 Dec; 60(12): 1523-1534. doi: 10.1007/s00535-025-02299-9. Epub 2025 Sep 22.

監修医コメント

カログラ®錠による治療を受けた患者では、MES 0/1サブグループのFCP中央値はMES 2/3サブグループより有意に低値でした(109.5μg/g vs 942.0μg/g;p<0.001、Wilcoxonの順位和検定、名目上のp値)。

カログラ®錠群における臨床的寛解達成後の寛解維持率

  • 初回コース完了後に臨床的寛解を達成した症例における寛解維持率

    chart08_500-545_202606
  • 2回目のコース完了後に臨床的寛解を達成した症例における寛解維持率

    chart09_500-545_202606
Matsuoka K, et al.: J Gastroenterol. 2025 Dec; 60(12): 1523-1534. doi: 10.1007/s00535-025-02299-9. Epub 2025 Sep 22.

監修医コメント

カログラ®錠治療の初回コース完了後1年(365日)における臨床的寛解維持率は56.5%、2回目のコース完了後1年では53.0%でした。

カログラ®錠治療後に寛解を維持した症例における維持療法薬の使用状況

カログラ®錠治療で臨床的寛解を達成した48名の患者を対象に、使用された寛解維持療法を59時点(2回目コース、3回目コースを含む)で評価した。維持療法の内訳は、経口5-ASA単剤療法46件、経口5-ASA併用療法3件、経口5-ASAとプロバイオティクスの併用3件、経口5-ASAと注腸5-ASAの併用1件、維持療法なしが6件であった。免疫調節薬、JAK阻害薬、生物学的製剤の使用は認められなかった。使用された経口5-ASA製剤は、Multi-Matrix System製剤27件、時間依存性製剤18件、pH依存性製剤6件、サラゾスルファピリジン5件であった。寛解維持療法開始時の経口5-ASA平均(±標準偏差)投与量は4402±636mgであり、維持期間中に2名で減量、1名で短期間のステロイド注腸フォームが追加された。
5-ASA:5-アミノサリチル酸製剤

本研究では安全性情報の集計は行われていません。カログラ®錠の安全性情報については、最新の電子添文をご参照ください。

監修医コメント

治療効果と適応患者像
カログラ®錠による臨床的寛解率は、ベースライン時の部分的Mayoスコアが5以下の患者では56.1%(23/41名)、6以上の患者では27.3%(15/55名)でした。臨床的寛解を達成した患者は、達成しなかった患者と比較して、ベースライン時のMayoスコアの中央値(p=0.001)、部分的Mayoスコア(p<0.001)、排便回数サブスコア(p=0.002)、および直腸出血サブスコア(p=0.012)が有意に低値でした(いずれもMann-Whitney U検定、名目上のp値)。
予測因子
4種類のバイオマーカー(LRG、CRP、FCP、抗インテグリンαvβ6抗体)を評価した結果、ベースライン時の抗インテグリンαvβ6抗体価が44.6U/mL未満の症例は、44.6U/mL以上の症例と比較して臨床的寛解率が有意に高いことが示されました(49.1% vs 26.8%;p=0.035、Fisherの正確検定、名目上のp値)。
症状改善のタイミング
カログラ®錠群とプラセボ群の間でMayo排便回数サブスコアが1以下の患者の割合に初めて有意差が認められたのは、治療開始11日目(p<0.05)であり、同様に、Mayo直腸出血サブスコアが0の患者の割合では、16日目でした(p<0.05、いずれもFisherの正確検定、名目上のp値)。カログラ®錠の効果判定はこの時期以降が適切と考えられました。
バイオマーカーと内視鏡治癒
カログラ®錠による治療を受けた患者では、MES 0/1サブグループのFCP中央値はMES 2/3サブグループより有意に低値でした(109.5μg/g vs 942.0μg/g;p<0.001、Wilcoxonの順位和検定、名目上のp値)。FCPは治療効果の非侵襲的評価に有用である可能性が示唆されました。

LRG:ロイシンリッチα2グリコプロテイン、CRP:C反応性蛋白、FCP:糞便中カルプロテクチン、MES:Mayo内視鏡サブスコア

2026年6月作成

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