活動期潰瘍性大腸炎におけるカログラ®錠の実臨床での有効性と安全性

※カログラ®錠の効能又は効果は以下のとおりです:
4. 効能又は効果 中等症の潰瘍性大腸炎(5-アミノサリチル酸製剤による治療で効果不十分な場合に限る)
【監修】大阪医科薬科大学病院 消化器内科 医長
炎症性腸疾患センター センター長 柿本 一城 先生
大阪医科薬科大学病院 消化器内科 小柴 良司 先生
このページでは、下記2つの臨床試験の結果をご紹介いたします。
◆ 試験① 国内第Ⅲ相試験(AJM300/CT3試験)(検証的試験)
◆ 試験② 活動期潰瘍性大腸炎におけるカロテグラストメチルの実臨床での有効性と安全性

「禁忌を含む注意事項等情報」等は、Drug Informationをご参照ください。

試験① 国内第Ⅲ相試験(AJM300/CT3試験)(検証的試験)

社内資料:第Ⅲ相試験結果(2022年3月28日承認、申請資料概要2.7.6.14)[承認時評価資料]
Matsuoka K, et al.: Lancet Gastroenterol Hepatol. 2022; 7(7): 648-657
利益相反:本研究はEAファーマとキッセイ薬品の支援を受けた。著者にEAファーマの社員が含まれる。

試験概要

目的 活動期潰瘍性大腸炎患者を対象に、プラセボを対照とした二重盲検比較試験によってカログラ®錠の有効性及び安全性などを検討する。
試験デザイン 初回投与期:プラセボ対照無作為化二重盲検多施設共同並行群間比較試験(プラセボを対照とした有効性の検証試験)
再投与期:無対照多施設共同単群試験
対象 経口の5-ASA製剤(SASP製剤を含む)に対して効果不十分又は不耐の中等症の活動期にある日本人潰瘍性大腸炎患者203例
方法 初回投与期:カログラ®錠120mg錠又はプラセボ錠を1回8錠、1日3回食後に経口投与した。
再投与期:カログラ®錠120mg錠を1回8錠、1日3回食後に経口投与した。
評価項目 主要評価項目(検証的解析項目):
  • 初回投与期検証期(8週)におけるMayoスコアによる改善率①:以下の3つの条件を満たす被験者の割合
    • 0週のMayoスコアと比較して30%以上減少かつ3点以上減少
    • 血便サブスコアが0週と比較して1点以上減少又は1点以下
    • 粘膜所見サブスコアが1点以下
副次評価項目:
初回投与期継続期(0~24週)

  • 部分的Mayoスコアによる累積改善率:以下の2つの条件を満たす被験者の割合
    • 各投与期0週の部分的Mayoスコアと比較して25%以上減少かつ2点以上減少
    • 血便サブスコアが各投与期0週と比較して1点以上減少又は1点以下
安全性の評価項目:
  • 副作用発現率[初回投与期検証期、初回投与期全期間(検証期と継続期)]
など
*カログラ®錠投与期の回数ごとの解析を含む
解析計画 【主要評価項目】(検証的解析項目)
主解析ではFASを解析対象集団とし、Mayoスコアによる改善率①を目的変数、投与群及び割付因子を説明変数としたロジスティック回帰分析(主効果モデル)を行った。また、プラセボ群に対するオッズ比及びその両側95%信頼区間を算出し、Waldχ2検定を行った。プラセボ群と比較し、カログラ®錠群が有意に改善した場合、カログラ®錠の有効性が検証されたと判断した。割付因子は以下のとおりであった。
  • 本登録時におけるMayoスコア
  • 今回の活動期における副腎皮質ホルモン製剤(経口剤、注射剤、局所製剤)、抗TNF-α抗体製剤、免疫療法剤治療の有無
  • 今回の活動期における寛解導入療法開始日から本登録日までの期間
【副次評価項目】
初回投与期の副次評価項目の解析は、投与群ごとに評価時点までに一度でも解析項目を達成した例数を集計し、割合及びその両側95%信頼区間を算出した。プラセボ群とカログラ®錠群との群間差及び差の両側95%信頼区間を算出し、χ2検定を行った。
【安全性の評価項目】
安全性は、初回投与期及びカログラ®錠投与期の回数ごとに評価した。現率を投与群別に算出した。
※検証的な解析以外で得られたp値を名目上のp値とした。

初回投与期検証期(8週)のMayoスコアによる改善率①[主要評価項目](検証的解析結果)

8週時のMayoスコアによる改善率①は、カログラ®錠群45.1%(46/102例)、プラセボ群20.8%(21/101例)でした。
カログラ®錠群のプラセボ群に対する有意差が認められたことから、プラセボ群に対するカログラ®錠の優越性が検証されました(プラセボ群に対するオッズ比[両側95%信頼区間]3.30[1.73, 6.29]**、p=0.0003、Wald χ2検定、検証的解析結果)。
**投与群、ベースラインにおけるMayoスコア(6点以上7点以下、8点以上10点以下)、ステロイド、抗TNF-α抗体製剤、免疫療法剤治療の有無及び寛解導入療法開始日から本登録日までの期間(4週未満、4週以上)を説明変数としたロジスティック回帰分析
欠測値(単純な欠測)はLOCFにより補完した。

初回投与期継続期(0~24週)の部分的Mayoスコアによる累積改善率[副次評価項目]

部分的Mayoスコアによる累積改善率は、いずれの評価時点でも両群間に有意差が認められました(p<0.005、χ2検定、名目上のp値)。
※χ2検定(いずれも名目上のp値)
部分的Mayoスコアによる改善率:以下の2つの条件を満たす被験者の割合
・各投与期0週の部分的Mayoスコアと比較して25%以上減少かつ2点以上減少
・血便サブスコアが各投与期0週と比較して1点以上減少又は1点以下
欠測値(単純な欠測)はLOCFにより補完した。

初回投与期の安全性[安全性の評価項目]

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例数(%)
初回投与期の検証期及び全期間(検証期と継続期)において、治験薬との因果関係ありの有害事象(副作用)の発現率は、カログラ®錠群でそれぞれ16.7%(17/102例)及び17.6%(18/102例)、プラセボ群でそれぞれ13.9%(14/101例)及び17.8%(18/101例)でした。
検証期における主な副作用は、カログラ®錠群では上咽頭炎2.0%(2/102例)、悪心2.0%(2/102例)、肝機能異常2.0%(2/102例)でした。プラセボ群では上咽頭炎3.0%(3/101例)、発疹2.0%(2/101例)でした。全期間(検証期と継続期)における主な副作用は、カログラ®錠群では上咽頭炎2.9%(3/102例)、頭痛2.0%(2/102例)、悪心2.0%(2/102例)、肝機能異常2.0%(2/102例)でした。プラセボ群では上咽頭炎4.0%(4/101例)、インフルエンザ2.0%(2/101例)、上腹部痛2.0%(2/101例)、発疹2.0%(2/101例)でした。
本試験において死亡に至った副作用は、両群ともに認められず、重篤な副作用は、検証期においてプラセボ群の1例に頭痛及び発熱が認められました。投与中止に至った副作用は、検証期においてカログラ®錠群で薬物過敏症1例、プラセボ群で嘔吐1例が認められました。

7. 用法及び用量に関連する注意
7.1 8週間投与しても臨床症状や内視鏡所見等による改善効果が得られない場合、本剤の継続の可否も含め、治療法を再考すること。
7.2 他のインテグリン拮抗薬であるナタリズマブ(遺伝子組換え)においてPMLの発現が報告されている。本剤のPML発現リスクを低減するため、投与期間は6ヵ月までとし、6ヵ月以内に寛解に至った場合はその時点で投与を終了すること。また、本剤による治療を再度行う場合には、投与終了から8週間以上あけること。[5.2、8.2、9.1.1、11.1.1参照]

試験② 活動期潰瘍性大腸炎におけるカロテグラストメチルの実臨床での有効性と安全性
-国内7施設による多施設共同後ろ向きコホート研究-

※5-アミノサリチル酸製剤による治療で効果不十分な中等症の潰瘍性大腸炎
Real-world effectiveness and safety of carotegrast methyl in patients with ulcerative colitis:a multicenter retrospective cohort study
Koshiba R, et al. Intest Res. 2025; Epub ahead of print.
[利益相反]著者の中にEAファーマから講演料を受け取った者が含まれる。

試験概要

目的 潰瘍性大腸炎(UC)に対する実臨床下でのカログラ®錠の有効性と安全性を検討する
試験デザイン 日本国内の7施設における多施設共同後ろ向きコホート研究
研究参加施設 大阪医科薬科大学、北摂総合病院、いのうえ消化器内科クリニック、むらのクリニック、守口敬仁会病院、錦秀会インフュージョンクリニック、市立ひらかた病院
対象 2022年3月~2024年10月に各施設でカログラ®錠による治療を受けた経口5-ASA製剤に対して効果不十分又は不耐の中等症の活動期UC患者62例
方法 カログラ®錠960mgを1日3回経口投与し、最長6ヵ月以内に投与を中止した。カログラ®錠による治療開始前1週以内に炎症マーカー等の基礎検査を実施した。治療開始後2、4、8、16、24週時点で評価した。カログラ®錠中止時に臨床的寛解に達した患者は寛解群に、達しなかった患者は非寛解群に分類された。
有効性評価 主要評価項目:
  • カログラ®錠投与終了時点の部分Mayo(pMayo)スコアに基づく臨床的寛解率
  • 背景因子別(コルチコステロイド/ATs未治療例、ブデソニド無効例)の臨床的寛解率(サブグループ解析)
副次評価項目:
  • カログラ®錠投与終了時点のpMayoスコアに基づく臨床的改善率**
  • 背景因子別(コルチコステロイド/ATs未治療例、ブデソニド無効例)の臨床的改善率(サブグループ解析)
  • 累積臨床的寛解率***
  • 臨床的寛解率・臨床的改善率の推移
  • カログラ®錠投与後のpMayoスコアおよび臨床検査値の推移(寛解群、非寛解群のサブグループ解析)
  • カログラ®錠の治療継続率(寛解群、非寛解群のサブグループ解析)
  • カログラ®錠投与中止の累積発生率(ベースライン時のpMayoスコア別のサブグループ解析)
  • 臨床的寛解と非寛解に関連する因子
  • カログラ®錠投与終了時における臨床的寛解の予測因子
  • カログラ®錠による臨床的寛解を反映するpMayoスコアの閾値
  • カログラ®錠投与中止後の累積非再燃率
  • カログラ®錠投与中止後の再燃に関連する因子(寛解維持群、再燃群のサブグループ解析) など
*臨床的寛解:pMayoスコア≦2点、各サブスコア≦1点、pMayoスコアのベースラインから2点以上の減少
**臨床的改善:pMayoスコアのベースラインから25%以上かつ2点以上の減少、直腸出血スコア1点以上減少または1点以下
***累積臨床的寛解:各診察時(2、4、8、16、24週)までに少なくとも1回臨床的寛解を達成することと定義された
ATs:先端治療
安全性評価 副次評価項目:有害事象の発現状況
解析計画 連続変数は中央値と四分位範囲(IQR)で示し、カテゴリ変数は頻度(%)で示した。また患者背景のサブグループ解析として寛解群と非寛解群に分けて、連続変数はMann-Whitney U検定、カテゴリ変数はPearson χ2検定を用いて群間比較した。
カログラ®錠投与終了時点の臨床的寛解率およびカログラ®錠中止の予測因子は、多変量ロジスティック回帰解析により同定した。カログラ®錠投与中止の累積発生率およびサブグループの群間差評価、およびカログラ®錠中止後の累積非再燃率はKaplan-Meier解析で算出した。臨床的寛解に関連する因子は単変量ロジスティック解析を用いて特定し、95%信頼区間を付したオッズ比(OR)として示された。多変量ロジスティック回帰分析における変数選択は、単変量解析でp<0.20となった因子を候補とし、相関の強い因子を除外した上で多変量モデルに投入した。寛解予測の性能はROC解析により評価し、AUCを算出した。統計学的有意差はp<0.05(両側検定)とした。
検証的な解析以外で得られたp値を名目上のp値とした。

Limitation

  • 本研究は多施設・後ろ向き研究であるため、カログラ®錠導入患者の選択バイアスや施設間の治療方針の違いが影響している可能性がある。
  • 投与前後に内視鏡検査を受けた患者が限られており、粘膜治癒の評価が困難である。
  • 血液検査データの欠損により、ベースラインと治療後の比較にばらつきが生じた可能性がある。
  • 中止後の観察期間が短く、長期的な予後は不明である。

各薬剤の使用にあたっては、電子添文をご確認ください。

ベースラインの患者背景

n(%)または中央値(IQR)
5-ASA:5-アミノサリチル酸製剤、MMX:薬物送達技術、ATs:先端治療、CRP:C反応性蛋白
Koshiba R, et al. Intest Res. 2025; Epub ahead of print.

監修医コメント

本研究は潰瘍性大腸炎患者62例を対象とした多施設共同の後ろ向きコホート研究です。患者の年齢中央値は44歳、罹患期間中央値(IQR)は64ヵ月(26-111ヵ月)でした。直前の治療は、経口5-ASAが88.7%、経口ブデソニドMMX製剤が6.5%、5-ASA局所製剤が21.0%、ブデソニド注腸フォーム剤が24.2%でした。また、CRP値の中央値は0.18mg/dL、pMayoスコアの中央値は5点、Mayo内視鏡サブスコアの中央値は2点でした。

カログラ®錠投与終了時点のpMayoスコアに基づいた臨床的寛解率[主要評価項目]・臨床的改善率[副次評価項目]

投与終了時点で48.4%(30/62例)の患者が臨床的寛解(主要評価項目)を、56.5%(35/62例)の患者が臨床的改善**(副次評価項目)を確認した。ベースラインでコルチコステロイドまたは先端治療(ATs)を使用していなかったサブグループ(n=42)では、54.8%(23/42例)が臨床的寛解を、64.3%(27/42例)が臨床的改善を確認した。カログラ®錠投与前にブデソニドを投与されていたが寛解に至らなかったサブグループ(n=17)では、35.3%(6/17例)が臨床的寛解、41.2%(7/17例)が臨床的改善を確認した。
*臨床的寛解:pMayoスコア≦2点、各サブスコア≦1点、pMayoスコアのベースラインから2点以上の減少
**臨床的改善:pMayoスコアのベースラインから25%以上かつ2点以上減少、直腸出血スコア1点以上減少または1点以下
Koshiba R, et al. Intest Res. 2025; Epub ahead of print.

監修医コメント

62例のうち、48.4%(30例)が臨床的寛解を、56.5%(35例)が臨床的改善を達成しました。

累積臨床的寛解率[副次評価項目]

全62例における累積臨床的寛解率は、治療開始後2週で37.1%、4週で46.8%、8週で50.0%、16週で54.8%、24週で54.8%であり、16週で最大に達した。
Koshiba R, et al. Intest Res. 2025; Epub ahead of print.

臨床的寛解率・臨床的改善率**の推移[副次評価項目]

臨床的寛解率は2週で37.1%、4週で41.9%、8週で45.2%、16週で48.4%、24週で45.2%であった。臨床的改善率は2週で43.5%、4週で50.0%、8週で58.1%、16週で48.4%、24週で46.8%であった。
*臨床的寛解:pMayoスコア≦2点、各サブスコア≦1点、pMayoスコアのベースラインから2点以上の減少
**臨床的改善:pMayoスコアのベースラインから25%以上かつ2点以上の減少、直腸出血スコア1点以上減少または1点以下
***ITT集団には治療反応の有無やその後の投与中止の有無にかかわらず、カログラ®錠による治療を開始したすべての患者を含む
Koshiba R, et al. Intest Res. 2025; Epub ahead of print.

監修医コメント

カログラ®錠投与開始後2週で37.1%(23/62例)、4週で41.9%(26/62例)が臨床的寛解を達成しました。

カログラ®錠投与後のpMayoスコアおよび臨床検査値の推移[副次評価項目][サブグループ解析]

ベースラインから24週までのpMayoスコアの変化について、寛解群はベースラインと比較して治療開始2週、4週、8週、16週、24週において有意に低下した(p<0.01、Mann-Whitney U検定、名目上のp値)。非寛解群はベースラインと比較して治療開始4週、8週において有意に低下した(それぞれp<0.01、p<0.05、Mann-Whitney U検定、名目上のp値)。
CRP値について寛解群はベースラインと比較して治療開始4週、16週時点において有意に低下した(それぞれp<0.05、p<0.01、Mann-Whitney U検定、名目上のp値)。非寛解群はいずれの週においてもベースラインと比較して有意な差はみられなかった(p≧0.05、Mann-Whitney U検定、名目上のp値)。
  • 2606
ベースラインから24週までのリンパ球数は、両群ともベースラインと比較して4週時点で有意に増加した(p<0.01、Mann-Whitney U検定、名目上のp値)。
白血球数は、両群ともベースラインと比較して8週時点で有意に増加した(p<0.01、Mann-Whitney U検定、名目上のp値)。
Koshiba R, et al. Intest Res. 2025; Epub ahead of print. *p<0.05、**p<0.01
名目上のp値、Mann-Whitney U検定

監修医コメント

寛解群では、治療開始2週以降、pMayoスコアが有意に低下しました(p<0.01、Mann-Whitney U検定、名目上のp値)。CRP値は4週及び16週時点で有意に低下しました(それぞれp<0.05、p<0.01、Mann-Whitney U検定、名目上のp値)。

カログラ®錠の治療継続率[副次評価項目][サブグループ解析]

全62例における投与期間の中央値(IQR)は84日(42-151日)であった。また、寛解群の投与期間中央値は133日(79-168日)、非寛解群では49日(15-89日)であり、両群間で有意差を認めた(p<0.001、Pearson χ2検定、名目上のp値)。
投与中止理由としては、臨床的寛解が43.5%(27/62例)、効果不十分が45.2%(28/62例)、有害事象が11.3%(7/62例)であった。また効果不十分による中止のうち78.6%(22/28例)は、14週以内に発生した。
Koshiba R, et al. Intest Res. 2025; Epub ahead of print.

カログラ®錠投与中止の累積発生率[副次評価項目][サブグループ解析]

効果不十分によるカログラ®錠投与中止の累積発生率をベースラインのpMayoスコアで比較したところ、pMayoスコアが6点以上の群は5点以下の群と比較して有意に高かった(p<0.001、Pearson χ2検定、名目上のp値)。
Koshiba R, et al. Intest Res. 2025; Epub ahead of print.

監修医コメント

全62例における投与期間(中央値)は84日で、寛解群では133日でした。また、pMayoスコアが6点以上の患者は5点以下の患者と比較して、効果不十分によるカログラ®錠の投与中止率が有意に高値を示しました(p<0.001、Pearson χ2検定、名目上のp値)。

臨床的寛解と非寛解に関連する因子[副次評価項目]

カログラ®錠投与終了時に臨床的寛解を達成した30例と非寛解の32例のベースラインの患者背景を比較したところ、非寛解群は治療開始時のpMayoスコア中央値が寛解群より有意に高かった(6点 vs. 4点、p=0.001、Mann-Whitney U検定、名目上のp値)。
n(%)または中央値(IQR)
5-ASA:5-アミノサリチル酸製剤、MMX:薬物送達技術、ATs:先端治療、CRP:C反応性蛋白
Koshiba R, et al. Intest Res. 2025; Epub ahead of print.
Mann-Whitney U検定
*名目上のp値

カログラ®錠投与終了時における臨床的寛解の予測因子[副次評価項目]

単変量解析では、pMayoスコアが高いほど寛解達成率が低く、逆相関が認められた(OR, 0.53; 95%CI, 0.36-0.78;p=0.001、名目上のp値)。またコルチコステロイド/ATs未治療例におけるオッズ比は2.25であった(95%CI, 0.75-6.76;p=0.149、名目上のp値)。多変量解析では、pMayoスコアが臨床的寛解の独立した予測因子であることが確認された(OR, 0.55; 95%CI, 0.37-0.81; p=0.003、名目上のp値)。
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CI:信頼区間、ATs:先端治療、5-ASA:5-アミノサリチル酸製剤、CRP:C反応性蛋白
Koshiba R, et al. Intest Res. 2025; Epub ahead of print.
*名目上のp値

監修医コメント

単変量解析では、ベースラインのpMayoスコアはカログラ®錠治療中の臨床的寛解率と逆相関していました。多変量解析では、pMayoスコアが臨床的寛解の独立因子であることが示されました。

カログラ®錠による臨床的寛解を反映するpMayoスコアの閾値[副次評価項目]

ROC曲線解析の結果、カログラ®錠治療終了時に臨床的寛解を予測するためのベースラインpMayoスコアの最適閾値は5点であることが示された(AUC=0.75、感度=75.0%、特異度=66.7%)
Koshiba R, et al. Intest Res. 2025; Epub ahead of print.

監修医コメント

カログラ®錠による臨床的寛解を予測するpMayoスコアの閾値は「5点」でした。

カログラ®錠投与中止後の累積非再燃率[副次評価項目]

ベドリズマブまたは顆粒球吸着除去療法を受けた4例およびアザチオプリンを新規で開始した3名を除く23例について、カログラ®錠投与中止後52週までの累積非再燃率を評価した。臨床的寛解によりカログラ®錠の投与が中止された後、8週、26週、52週における累積非再燃率はそれぞれ90.5%、78.9%、62.5%であった。中止後の維持療法としては、5-ASA単剤が53.3%、5-ASA+アザチオプリン(再開)が10.0%、アザチオプリン単剤(再開)が6.7%、無治療が6.7%であった。
一部の患者ではベドリズマブやGMA(顆粒球吸着除去療法)を新規に導入した例もみられた。
Koshiba R, et al. Intest Res. 2025; Epub ahead of print.

カログラ®錠投与中止後の再燃に関連する因子[副次評価項目][サブグループ解析]

カログラ®錠投与中止後の再燃に関する因子についてサブグループ解析を行ったが、いずれの因子も再燃との有意な関連は認められなかった(p≧0.05、Mann-Whitney U検定、名目上のp値)。
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n(%)または中央値(IQR)
5-ASA:5-アミノサリチル酸製剤、MMX:薬物送達技術、ATs:先端治療、CRP:C反応性蛋白
Koshiba R, et al. Intest Res. 2025; Epub ahead of print.
*名目上のp値

安全性:本研究における有害事象[副次評価項目]

有害事象の発現率は12.7%(8/63例)であった。本試験で発現した有害事象は、肝機能障害3例(4.8%)、悪心3例(4.8%)、頭痛1例(1.6%)、皮疹1例(1.6%)であった。すべての有害事象はカログラ®錠投与中止後速やかに回復した。
また本試験において死亡を含む重篤な有害事象は報告されなかった。投与中止に至った有害事象は63例中7例に認められたが、発現例数及び事象名は、データ開示がなく、確認できなかった。

カログラ®錠の安全性の詳細はDrug Informationをご参照ください。

監修医コメント

  • 今回の多施設後ろ向き研究において、カログラ®錠の治療終了時に48.4%のUC患者が臨床的寛解を達成しました。
  • 本研究では、カログラ®錠投与開始後2週で43.5%(27/62例)が臨床的改善を達成しました。
  • 単変量解析では、ベースラインのpMayoスコアはカログラ®錠治療中の臨床的寛解率と逆相関していました。多変量解析では、pMayoスコアが臨床的寛解の独立因子であることが示されました。
  • 多変量解析のROC曲線によってpMayoスコア5点が、カログラ®錠の有効性予測の閾値として同定されました。
  • 本研究における有害事象の発現率は12.7%(8/63例)、投与中止に至った有害事象は63例中7例であり、死亡を含む重篤な有害事象は報告されませんでした。

2026年6月作成

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