レクタブル®2mg注腸フォーム14回 特定使用成績調査 最終結果報告

この製品はDr.Falk Pharma社からのライセンスのもとに販売しています。
Saruta M, Omori T, Suzuki Y, et al.: Intest Res. 2026 Feb 11. https://doi.org/10.5217/ir.2025.00164.Epub ahead of print.
COI:本研究は、 EAファーマ株式会社及びキッセイ薬品工業株式会社の資金提供により実施された。また著者にEAファーマ株式会社、キッセイ薬品工業株式会社より資金提供を受けている者、EAファーマ株式会社の社員及びキッセイ薬品工業株式会社の社員が含まれる。
【監修】東京慈恵会医科大学 内科学講座 消化器・肝臓内科 主任教授 猿田 雅之 先生
このページでは、下記2つの臨床試験の結果をご紹介いたします。
◆ 試験① 国内第Ⅲ相試験(簡易版)
◆ 試験② レクタブル®2mg注腸フォーム14回 特定使用成績調査 最終結果報告

「禁忌を含む注意事項等情報」等はDrug Informationをご参照ください。

試験① 国内第Ⅲ相試験(簡易版)

社内資料:国内第Ⅲ相試験(承認時評価資料)
Naganuma M., et al. : J Gastroenterol, 53(4), 494, 2018 利益相反:当研究はEAファーマ株式会社の支援にて行われた。

試験概要

目的 プラセボを対照とした二重盲検比較試験によりレクタブル®2mg(ブデソニドとして)を1日2回6週間直腸内投与した際の粘膜治癒率を主要評価項目として、レクタブル®のプラセボに対する優越性を検証するとともに安全性を検討する。
また、6週間投与にて治療反応が認められたが粘膜治癒には至らなかった患者を対象に、レクタブル®をさらに6週間継続投与した際の安全性及び有効性を検討する。
試験デザイン プラセボ対照無作為化二重盲検多施設共同並行群間比較試験
対象 軽症から中等症の活動期潰瘍性大腸炎患者126例(レクタブル®群64例、プラセボ群62例)、そのうち継続投与した患者39例(レクタブル®群20例、プラセボ群19例)
投与方法 レクタブル®1日2回(ブデソニドとして4mg/日)又はプラセボ1日2回を、朝と夜なるべく排便後に直腸内投与した。
投与期間は6週間、継続投与期間は6週間(累計投与期間は最大でも12週間まで)とした。
評価項目 有効性の主要評価項目:(検証的解析項目)粘膜治癒率【6週】(内視鏡所見スコア=0点の患者の割合)
(サブグループ解析)粘膜治癒率【6週】(病型別:直腸炎型、左側大腸炎型、全大腸炎型)
安全性:副作用
※直腸からS状結腸にかけての病変部位を観察
解析計画 主要評価項目の主解析として、粘膜治癒率【6週】について、投与群ごとに点推定値及び95%信頼区間を求め、レクタブル®群とプラセボ群の対比を、下記の割付因子を共変量としたロジスティック回帰モデルで設定し、優越性の検定を行った。有意差は尤度比検定を用いた。
  • 現在の活動期の治療における局所製剤の使用有無(無し、有り)
  • 本登録日の排便スコア、血便スコア、内視鏡所見スコアの合計(4以下、5以上)
  • 原疾患の病変部位による分類(直腸及びS状結腸に限局、S状結腸を超えて口側に伸展)
粘膜治癒率については、病変の拡がりによる分類(病型別:直腸炎型、左側大腸炎型、全大腸炎型)を層別因子としたサブグループ解析を行うこととした。

有効性

粘膜治癒率6週(検証的解析結果)[主要評価項目]

粘膜治癒率(内視鏡所見スコア=0点の患者の割合)は、プラセボ群3.2%、レクタブル®群32.8%であり、両群間に有意差が認められた(尤度比検定,p<0.0001,検証的解析結果)。プラセボ群に対するオッズ比は、17.2〔95%信頼区間:4.5, 114.4〕であり、プラセボに対する優越性が検証された。
粘膜治癒率6週(検証的解析結果)[主要評価項目]を示すグラフ、縦軸が粘膜治癒率、横軸がプラセボ群(n=62)、レクタブル群(n=64)
  プラセボ群 レクタブル®
粘膜治癒率(%)[95%信頼区間] 3.2〔0.9, 11.0〕 32.8〔22.6, 45.0〕
オッズ比[95%信頼区間] 17.2〔4.5, 114.4〕
オッズ比はロジスティック回帰モデルによる。
※:粘膜治癒率(%)=(粘膜治癒した患者数÷総患者数)×100

注)共変量は以下のとおり
  • 現在の活動期の治療における局所製剤の使用有無(無し、有り)
  • 本登録日の排便スコア、血便スコア、内視鏡所見スコアの合計(4以下、5以上)
  • 原疾患の病変部位による分類(直腸及びS状結腸に限局、S状結腸を超えて口側に伸展)

7. 用法及び用量に関連する注意 本剤投与中は患者の病態を十分観察し、投与開始6週間を目安に本剤の必要性を検討し、漫然と投与を継続しないこと。[17.1.1 参照]

主要評価項目である粘膜治癒率の部分集団における結果【6週】

●病型別(サブグループ解析)

病型別における粘膜治癒率は、以下のとおりであった。
病型別 粘膜治癒率【6週】(主要評価項目のサブグループ解析)[副次評価項目]を示すグラフ、縦軸が粘膜治癒率、横軸がプラセボ群(n=23)レクタブル®群(n=22)直腸炎型、プラセボ群(n=34)レクタブル®群(n=31)左側大腸炎型、プラセボ群(n=5)レクタブル®群 (n=11)全大腸炎型
  直腸炎型 左側大腸炎型 全大腸炎型
プラセボ群 レクタブル® プラセボ群 レクタブル® プラセボ群 レクタブル®
群間差の点推定値(%)
〔95%信頼区間〕
31.8〔10.8, 52.7〕 29.6〔10.1, 47.7〕 27.3〔-19.6, 56.6〕

5. 効能又は効果に関連する注意 本剤が腸内で到達する範囲は概ねS状結腸部までであり、直腸部及びS状結腸部の病変に対して使用すること。[16.8.2 参照]

一部承認外の用法及び用量の成績が含まれるデータですが、安全性情報であるため紹介します。

安全性

本試験において、プラセボ群62例中6例(9.7%)、レクタブル®群64例中11例(17.2%)に副作用が認められた。主な副作用はレクタブル®群で高血圧3例(4.7%)、プラセボ群で高血圧1例(1.6%)であった。
本試験においていずれの群にも死亡を含む重篤な副作用は認められなかった。投与中止に至った副作用は、プラセボ群1例(炎症)、レクタブル®群3例(高血圧、末梢性浮腫、性器出血 各1例)であった。
承認時までの国内臨床試験※では175例中95例(54.3%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められている。主な副作用は血中コルチゾール減少72例(41.1%)、血中コルチコトロピン減少62例(35.4%)であった。
※第Ⅱ相試験並びに第Ⅲ相試験の集計結果を併合
注意:6週投与例、継続投与例のいずれにおいても、国内第Ⅲ相試験では、盲検性を維持するため、開鍵まで血漿コルチゾール濃度及び血漿コルチコトロピン濃度の測定結果を治験担当医師に開示しなかった。このため、これらの変動については有害事象の評価対象外とした。
なお、承認時までの副作用一覧の集計には、基準に該当する場合を副作用として取り扱った。(国内第Ⅱ相試験において、治験担当医師が有害事象と判断しなかった症例について、基準に該当する場合を副作用として取り扱った。)

●安全性情報については最新の電子添文をご参照ください

一部承認外(用法及び用量)の成績が含まれるデータですが、再審査申請資料として評価された成績のため紹介します

試験② レクタブル®2mg注腸フォーム14回 特定使用成績調査 最終結果報告

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【監修】東京慈恵会医科大学 内科学講座消化器・肝臓内科 主任教授 猿田 雅之 先生

監修者コメント

今回の特定使用成績調査は、複数の施設で実施された大規模な前向き観察研究であり、我々の知る限りレクタブル®を評価する臨床研究としては最大規模のものである。
本研究ではレクタブル®を投与2週間後に部分的Mayoスコアの低下や、寛解率は約44%を示したことから、実臨床におけるレクタブル®の有効性が示唆された。レクタブル®は高齢になるにつれ、アドヒアランスが重要視されるが本研究の年齢群別解析(65歳未満と65歳以上)でも部分的Mayoスコアの同様の改善が観察されたことから高齢患者さんにおいても寛解導入療法として適切な選択肢である可能性が確認された。
局所療法の使用歴がある患者さんや生物学的製剤/JAK阻害薬の治療を受けた患者さんは、初発の患者さんやそのような治療歴のない患者さんに比べて寛解に至る可能性が低いことが考えられた。しかし、これらの群でも投与2週よりベースラインに比較して部分的Mayoスコアの改善が認められた。この結果よりレクタブル®がより病勢が進行した患者さんや過去に治療を受けている患者さんにおいても寛解導入の選択肢となりうることを示している。

調査概要

試験デザイン 日本で実施された前向き多施設共同非盲検観察研究
対象 2018年2月1日から2020年4月30日までにブデソニド注腸フォーム剤の投与を開始した活動期の軽度から中等度のUC患者655名を対象とした。
方法 ブデソニド注腸フォーム剤を1回あたり1プッシュ(ブデソニドとして2mg)、1日2回直腸内に噴射し、ベースライン時、2、4、6週時、継続投与終了時(6~12週時)、最終評価時(各患者の最終評価時点)に安全性及び有効性、受容性を評価した。安全性解析対象症例は633例、有効性解析対象症例は小児患者または承認された用法及び用量の範囲外を除外した503例とした。
評価項目 [安全性]
  • 副作用
[有効性]
  • 臨床的寛解率
  • 部分的Mayoスコアの推移
  • 内視鏡スコアの変化量
  • 部分的Mayoスコアのサブグループ解析(以下、背景因子別)
    病型別、年齢別、局所製剤の使用歴別、ベースライン時の生物学的製剤またはヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬(以下、Bio/JAKi)の使用有無別
  • 患者さんが効果を実感するまでの時間
  • 本日の健康状態:VAS
※臨床的寛解率:部分的Mayoスコアが2点以下、かつ各サブスコアが1点以下を満たした者の割合
解析計画 SAS version 9.4(SAS Institute Inc.、Cary、NC、USA)を用いた。
[安全性]
副作用は「Medical Dictionary for Regulatory Activities 日本語版 24.0」に基づき分類した。
[有効性]
ロジスティック回帰分析を行い、臨床的寛解に影響する因子を決定した。
部分的Mayoスコアの変化量および内視鏡スコア変化量については、Wilcoxonの符号付順位和検定(1標本Wilcoxon検定)を用いた。病型別、年齢別、局所製剤の使用歴別、およびベースライン時のBio/JAKiの使用有無別について実施した部分的Mayoスコアのサブグループ解析を平均値+標準偏差の経時変化によりプロットした。年齢群(<65歳および≧65歳)別の各時点での部分的Mayoスコアの平均変化について2標本t検定を実施した。患者さんが効果を実感するまでの時間については自己記入式質問票を用いた。選択肢として「1~3日」「4日~1週間」「1~2週間」「2~4週間」「4~6週間」「6週間以降(現在まで)」「効果を感じなかった」を設けた。本日の健康状態:VASにおける評価時点ごとの平均変化量については1標本t検定を実施した。
Limitation プラセボや比較対照がないため、バイアスの存在は否定できない等がある。

検証的な解析以外で得られたp値を名目上のp値とした。

患者背景

全大腸炎型が245例(38.7%)、左側大腸炎型が250例(39.5%)、直腸炎型が138例(21.8%)であった。また426例(67.3%)が中等症であり、433例(68.4%)は再燃寛解型の臨床経過であった。
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(  )内は%表記
a分母は女性の症例数である
Saruta M, et al.: Intest Res. 2026 Feb 11. Epub ahead of print.

各薬剤の使用にあたっては、電子添文をご確認ください。

安全性

副作用発現は27/633例(4.3%)であり、詳細は以下の通りであった。
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aグルココルチコイド関連の副作用。一人が2件のグルココルチコイド関連の副作用を経験
b重篤な副作用
Medical Dictionary for Regulatory Activities Japanese version 24.0
Saruta M, et al.: Intest Res. 2026 Feb 11. Epub ahead of print.
本剤中止に至った副作用等は12例に認められ、その内訳は、「頭痛」3例、「高血圧」、「悪心」、「接触皮膚炎」、「裂肛」、「サイトメガロウイルス性腸炎」、「筋痙縮」、「ざ瘡」、「多毛症」、「血便排泄」、「腹痛」及び「滑液包炎」各1例であった。
重篤な副作用として「サイトメガロウイルス性腸炎」、「感染性腸炎」が各1例に認められたがいずれも転帰は回復であった。本調査において死亡に至った副作用は認められなかった。

レクタブル®の安全性情報について、最新の電子添文を参照ください。

有効性

  • 臨床的寛解率は経時的に増加し、2週時は44.2%、6週時は72.1%、最終評価時には69.8%に達した。
  • 部分的Mayoスコアは投与2週目よりベースラインに比べて有意に改善した(1標本Wilcoxon検定, P<0.0001, 名目上のP値)。
  • 内視鏡スコアにおいては投与終了時にベースラインと比較して有意に改善した(1標本Wilcoxon検定, P<0.0001, 名目上のP値)。
臨床的寛解率
※臨床的寛解率:部分的Mayoスコアが2点以下、かつ各サブスコアが1点以下を満たした者の割合
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[ ]内は95%信頼区間
Saruta M, et al.: Intest Res. 2026 Feb 11. Epub ahead of print.
  • 部分的Mayoスコアの推移

    chart05_500-313_202606

    部分的Mayoスコアの推移

    Saruta M, et al.: Intest Res. 2026 Feb 11. Epub ahead of print.
  • 内視鏡スコアの変化量

    内視鏡スコアの変化量

    Saruta M, et al.: Intest Res. 2026 Feb 11. Epub ahead of print.
    (Supplementary Fig. 5)
  • 病型別及び年齢別の部分的Mayoスコアは投与2週目よりベースラインに比べて有意に改善した(1標本Wilcoxon検定, P<0.0001,名目上のP値)。病型·年齢問わずレクタブル®の有効性が示された。
  • 病型別の部分的Mayoスコア〈サブグループ解析〉

    病型別の部分的Mayoスコア〈サブグループ解析〉

    ※各群の症例数は社内資料:レクタブル®特定使用成績調査最終結果報告サブグループ解析症例数より確認した。
    nは投与開始時の症例数である
  • 年齢別の部分的Mayoスコア〈サブグループ解析〉

    年齢別の部分的Mayoスコア〈サブグループ解析〉

    ※各群の症例数は社内資料:レクタブル®特定使用成績調査最終結果報告サブグループ解析症例数より確認した。
    nは投与開始時の症例数である
Saruta M, et al.: Intest Res. 2026 Feb 11. Epub ahead of print.
  • 過去の局所製剤使用歴別及びベースライン時のBio/JAKi使用有無別の部分的Mayoスコアは投与2週目よりベースラインに比べて有意に改善した(1標本Wilcoxon検定, P<0.01, 名目上のP値)。局所製剤やBio/JAKiの使用有無にかかわらずレクタブル®の有効性が示された。
  • 局所製剤の使用歴別の部分的Mayoスコア〈サブグループ解析〉

    局所製剤の使用歴別の部分的Mayoスコア〈サブグループ解析〉

    ※各群の症例数は社内資料:レクタブル®特定使用成績調査最終結果報告サブグループ解析症例数より確認した。
    nは投与開始時の症例数である
  • ベースライン時のBio/JAKiの使用有無別の部分的Mayoスコア〈サブグループ解析〉

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    ベースライン時のBio/JAKiの使用有無別の部分的Mayoスコア〈サブグループ解析〉

    ※各群の症例数は社内資料:レクタブル®特定使用成績調査最終結果報告サブグループ解析症例数より確認した。
    nは投与開始時の症例数である
Saruta M, et al.: Intest Res. 2026 Feb 11. Epub ahead of print.
  • 503名の内、効果を実感した患者さんは358名(71.2%)であり、その内307名(85.8%)は治療開始後2週以内に効果を実感したことが示された。
  • 本日の健康状態についてVAS※を用いた変化量は投与2週目よりベースラインに比べて有意に改善した(1標本t検定, P<0.0001, 名目上のP値)。
  • 患者さんが効果を実感するまでの時間(参考情報)

  • 本日の健康状態:VAS(参考情報)

5. 効能又は効果に関連する注意 本剤が腸内で到達する範囲は概ねS状結腸部までであり、直腸部及びS状結腸部の病変に対して使用すること。[16.8.2参照]
6. 用法及び用量 通常、成人には1回あたり1プッシュ(ブデソニドとして2mg)、1日2回直腸内に噴射する。
7. 用法及び用量に関連する注意 本剤投与中は患者の病態を十分観察し、投与開始6週間を目安に本剤の必要性を検討し、漫然と投与を継続しないこと。[17.1.1参照]

2026年6月作成

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