メインコンテンツに移動

慢性すい炎患者さんのためのすい臓にやさしい食事と生活習慣

すい臓のはたらき

すい臓は、食べ物を消化する「すい液」をつくり、十二指腸へと送り出す役目を持つ臓器です。

口の中に入った食べ物は、食道から胃、十二指腸へと運ばれます。そのとき、すい臓からたんぱく質や脂質を消化するすい液が送り出され、胃で消化しきれなかった食べ物は小腸で分解されていきます。

すい臓は胃のちょうど裏側、背中の近くに位置するため慢性すい炎などの炎症がおきると、お腹の左上から背中にかけて痛みを感じます。

慢性すい炎の痛みの原因

早めの治療が肝心です!

慢性すい炎は、放っておくと、どんどん悪化します

早めの治療が肝心です!

食事・生活習慣の改善が、いちばんの治療法です

慢性すい炎と診断されると、症状に合わせ、次のようなステップで治療が行われます。

①食事・生活習慣の改善

脂肪分の少ない食事と、禁酒・禁煙を心がけていただきます。
早めの治療が肝心です!

②薬物治療

すい臓のはたらきを補い消化を助ける薬や、痛み止めを処方します。

③外科治療

内視鏡治療や手術をして痛みの原因を取り除きます。

脂肪量は1日30〜35グラムまで

慢性すい炎の患者さんに、食事をとる上でいちばん気をつけていただきたいのは、脂っこい食べ物を出来るだけセーブすること。
最近では、脂肪量を制限すると、慢性すい炎の痛みがやわらぐ、という研究結果も、明らかになってきています。

食品ごとの脂質量の目安

スナックめん
1個100gあたり

スナックめん

19.7g

クロワッサン
1個50gあたり

クロワッサン

13.4g

ポテトチップス
1個90gあたり

ポテトチップス

31.7g

ブリ
大1切れ100gあたり

ブリ

20.4g

うなぎ
1串60gあたり

うなぎ

12.6g

イワシ
1尾50gあたり

イワシ

4.2g

和牛ヒレ
100gあたり

和牛ヒレ

15.0g

豚肩脂身付き
100gあたり

豚肩脂身付き

14.6g

若鶏むね肉
100gあたり

若鶏むね肉

5.9g

ウインナーソーセージ
2本30gあたり

ウインナーソーセージ

8.5g

鶏卵
中1個60gあたり

鶏卵

6.2g

マヨネーズ(全卵型)
大さじ1杯15gあたり

マヨネーズ(全卵型)

11.4g

出典:日本食品標準成分表 2015年版(七訂)

カンタンに食事の脂肪分を減らす工夫

そうは言っても、食事のたびに脂肪量に気を使うのは、大変です。
そこでおすすめしたいのが、毎日の食事に脂肪分の少ない栄養剤を取り入れる、という方法です。
たとえば、朝・昼・夜の3食のうち、1食を栄養剤に置き換えてみる。
たとえば、食事の前に栄養剤を服用してから、食事をとる。
栄養剤でバランスよく栄養を補給し、程良くお腹を満たすことで自然と食事の量は減り、脂肪量も抑えることができます。

これだけは守りましょう!

1.アルコール・タバコは控えましょう。

2.脂肪分が少なく、消化のよい食事を心がけましょう。脂肪分の少ない栄養剤を毎日の食事に上手に取り入れましょう。

3.お腹の痛みがなくなっても、定期的に受診をしましょう。

最後に

慢性すい炎は、すい臓が炎症を繰り返しながら、どんどんそのはたらきを失っていく病気です。
私たちは治療に全力で取り組みますが、残念ながら病気が完治することはありません。
一生つきあわなければならない病気ですが、食事・生活習慣の改善によって、病気の進行を遅らせることはできます。

患者さん、家族の方々、そして私たちが一緒になって、病気の進行を食い止める努力をしていきましょう。
食事・生活習慣の改善は、毎日続けることが大事。肩にちからを入れず、でも自分の体のことをちゃんと考えて、今日から毎日続けてみましょう。

慢性膵炎についてもう少し詳しい情報が知りたい方は、アプリが無料でインストールできます。

アプリ名称:「慢性膵炎」の話をしよう

監修: 厚生労働科学研究 
難治性疾患等政策研究事業
難治性膵疾患に関する調査研究班 
伊藤鉄英先生

監修
厚生労働科学研究 
難治性疾患等政策研究事業

難治性膵疾患に関する調査研究班 
伊藤鉄英先生