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2021年米国消化器病週間(DDW)において経口α4β7インテグリン阻害剤AJM347に関する演題を発表
2021年5月14日
各 位
EAファーマ株式会社
EAファーマ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:松江裕二、以下「EAファーマ」)は、2021年5月21日から23日までバーチャル形式で開催される「米国消化器週間(Digestive Disease Week:DDW)2021」において、当社が独自に創製、開発中の炎症性腸疾患治療薬、開発コード「AJM347」に関するデータを発表することをお知らせします。
AJM347は、α4β7インテグリン阻害作用を有する経口投与可能な低分子化合物です。炎症性腸疾患の腸管粘膜病変部位では、リンパ球をはじめとする炎症性細胞の過度な集積・浸潤が認められます。その一連の反応は、炎症性細胞表面に発現するインテグリンと、腸管粘膜の血管内皮細胞に過剰に発現する接着分子(MAdCAM-1等)との結合により仲介されています。AJM347は、選択的にα4β7インテグリンに拮抗することにより、MAdCAM-1との結合を介する細胞接着反応を阻害し、炎症部位への過剰なリンパ球浸潤を抑制することで、抗炎症作用を発揮すると考えられています。
本学会では、AJM347の臨床第Ⅰ相試験(抄録番号:Fr535)と前臨床薬理試験(抄録番号:Fr480)に関するデータの発表を予定しています。
<発表予定の試験データ>
抄録番号 | 演題名 | 発表日時 (現地時間) |
Fr535 | ORAL ALPHA 4 BETA 7 INTEGRIN ANTAGONIST AJM347 DEMONSTRATES SUSTAINED TARGET ENGAGEMENT IN A FIRST-IN-HUMAN STUDY IN HEALTHY VOLUNTEERS: AJM347の臨床第Ⅰ相試験結果 |
5月21日(金) ポスター発表 |
Fr480 | PHARMACOLOGICAL CHARACTERIZATION OF AJM347: A NOVEL, ORALLY ACTIVE AND SMALL MOLECULAR PRODRUG OF ALPHA 4 BETA 7-SELECTIVE INTEGRIN ANTAGONIST FOR INFLAMMATORY BOWEL DISEASE: AJM347の前臨床薬理試験結果 |
5月21日(金) ポスター発表 |
当社は、消化器のスペシャリティ・ファーマとして、革新的な新薬を創出することで、炎症性腸疾患治療の選択肢を広げ、患者様とそのご家族のQOL向上に、より一層貢献できるよう努めてまいります。
本件に関するお問い合わせ先
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EAファーマ株式会社 経営企画部TEL: 03-6280-9802
《参考資料》
1.EAファーマ株式会社について
エーザイ株式会社の消化器事業子会社であるEAファーマ株式会社は、エーザイグループが60年以上取り組んでいる消化器事業と、アミノ酸をコアとする味の素グループの消化器事業が、2016年4月に統合して設立された、研究開発、生産物流、営業・マーケティングのフルバリューチェーンを有する消化器のスペシャリティ・ファーマです。
EAファーマ株式会社の詳細情報は、https://www.eapharma.co.jp/をご覧ください。
2.炎症性腸疾患について
炎症性腸疾患は、腸管の粘膜に潰瘍ができる炎症性の疾患です。症状は、腹痛や下痢、下血などで、多くの場合は症状が軽快する「寛解」と悪化する「再燃」を繰り返し、患者様のQOL(生活の質)を低下させます。本疾患は、発症メカニズムが未だ解明されておらず、厚生労働大臣により「指定難病」に指定されています。 国内患者数は、潰瘍性大腸炎が約22万人、クローン病が約7万人で、近年、増加する傾向にあります1)。
1)
厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班による「潰瘍性大腸炎の皆さんへ知っておきたい治療に必要な基礎知識」(2020年3月改訂)、「クローン病の皆さんへ知っておきたい治療に必要な基礎知識」(2020年3月改訂)
以 上