生産技術
私たちは「EAファーマ品質宣言」において、従業員一人ひとりが、私達の造る医薬品の一つひとつが患者様の命とつながっていることを常に意識し、品質の重要性を認識して自らの行動・判断の基準とすることを謡っております。hhc 理念のもと、患者様そして社会からの期待に応え、確かな品質をもって着実に安定的に医薬品をお届けすることを使命として、全員が一丸となって日々生産業務に取り組んでおります。これからも様々な環境変化に柔軟に対応し、持続可能な生産体制を築いていきます。
1.基礎的医薬品の安定供給
~患者様の想いに応える~
福島事業所では、成分栄養剤を3品種製造しています。これらの成分栄養剤は、たんぱく質(アミノ酸)・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラルの5大栄養系が、腸での消化の負担が少ない形で配合されていることが特徴である医薬品です。そのため、消化機能が低下している患者様にはなくてはならない医薬品として、厚生労働省から代替えの利かない基礎的医薬品に指定されています。この栄養素(ビタミンなど)のなかには非常に微量に配合されているものが多数あり、この微量な成分を粉末の中に均一に配合させる倍散技術は、当社が得意とする技術となります。これからもこの倍散技術を活かして、成分栄養剤を必要とされている患者様の想いに応えるため安定供給に努めています。

2.BCPへの取り組み
~いかなる時も患者様を支える存在に~
福島事業所は、福島県白河市に立地しており、2011年に発生した東日本大震災においても甚大な被害を受けました。その経験をふまえ、災害に備えた製品供給体制を構築しています。具体的には、災害に強い事業所になるべく建屋構造の改善を行うとともに、万が一被災したとしても製品供給を切らさないよう、東日本大震災の復旧に要した期間を参考に製品の在庫量を定めております。災害発生時においても、患者様に必要な医薬品をお届けできるよう取り組んでいます。
BCP(Business Continuity Planning): 災害などの緊急事態における企業や団体の事業継続計画のことです。
その目的は自然災害やシステム障害など危機的な状況に遭遇した時に損害を最小限に抑え、重要な業務を継続し早期復旧を図ることにあります。
3.安心・安全のために
1)製品トレーサビリティへの取り組み
福島事業所で製造した製品に、万が一不具合が見つかった場合や患者様から製品についてお問い合わせを受けたときなど、迅速かつ正確な製造工程の点検やお問い合わせへの回答が求められます。そのため福島事業所では、X線画像診断装置によって、製造途中の製品を一つひとつ画像データとして記録できる体制を整えております。また、製品一つひとつに特殊な識別印字を実施しており、お問い合わせを受けた場合には、事業所に保管している製造時の画像データと問い合わせいただいた製品にある特殊な識別印字とを組み合わせることで、問い合わせいただいた製品の製造中の状態を確認することが可能となっております。このトレーサビリティへの取組みは、医薬品の安心・安全を支える重要な取り組みとなります。
X線画像診断装置
2)異物混入の徹底排除への取り組み
福島事業所では、GMP等の基準を遵守することに加え、様々な異物混入防止策を講じております。異物を持ち込むことができない設備や作業工程であることはもちろんのこと、万が一に備え異物を取り除く装置を導入して高品質な医薬品を製造しております。例えば使用する原料は、一つひとつ必ず外装を清掃するとともに、秤量の際には、封緘している用具(輪ゴム等)の数量確認や管理、原料袋の欠損有無確認などきめ細やかな作業を徹底しています。また、製造室の壁や作業員のユニフォームは白色を基調とし、製造環境の5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)活動と組み合わせることで、異常に気づき易くするなどの工夫をしております。
GMP(Good Manufacturing Practice):医薬品の製造管理および品質管理に関する基準のことです。
4.作り手ができる患者様貢献への挑戦
~製品デザイン・包装パッケージへの工夫~
ユニバーサルデザイン導入は、生産部門ができる患者様への貢献活動と考えています。服用に際して、簡便かつ衛生的であり取り間違えが生じないよう解り易い表示であることが大切です。福島事業所で製造する製品には、医療関係者の皆様や患者様に、使い易さでご評価を頂き「グッドデザイン賞」を受賞した製品もあります。これからも使用する医療関係者の皆様や患者様の目線を忘れることなく、より良いデザインや機能性をもった製品をお届けするための挑戦を続けていきます。
GOOD DESIGN AWARD 2016
グッドデザイン賞受賞
5.環境への配慮と地域社会との交流
福島事業所では、サステナビリティ活動も重要な企業責任と捉えて、環境問題や地域への社会貢献活動に取り組んでいます。
環境問題対策は、省エネルギー活動やCO2排出削減に取り組んでいます。CO2削減では、福島事業所で購入する電力は全てグリーン電力(再生可能エネルギーで発電)としています。2025年からは、敷地内にソーラーパネルを設置して、太陽光発電で医薬品の製造に供する電力を一部賄う予定です。また、原材料の輸送をトラックから鉄道に切り替えるモーダルシフトの導入も検討しております。そして、より環境負荷の少ない製品、資源のサステナビリティを考慮した製品の市場リリースもより重要と考えております。
地域交流としては、近隣住民の皆様に対する事業所運営の情報公開の機会を設けるとともに、「EAファーマ杯」と称した地元教育委員会が主催する卓球大会、バレーボール大会に協賛し、地域コミュニティーの活性化活動にも協力しております。事業所開設時に設けた桜公園の紅枝垂れ桜が満開になる頃には、桜公園を一般公開し、近隣の憩いの場とするとともに福島事業所を観ていただく機会としています。
EAファーマ杯 卓球大会
福島事業所 桜公園