二次性副甲状腺機能亢進症治療薬AJT240の日本および韓国・中国・台湾・ASEANを 除く全世界におけるライセンス契約をPathalys Pharma, lnc.と締結

EAファーマ株式会社

　二次性副甲状腺機能亢進症（secondary hyperparathyroidism：SHPT）は、慢性腎臓病（慢性腎不全）の進行に伴って発症する合併症のひとつで、副甲状腺から副甲状腺ホルモン（parathyroid hormone：PTH）が過剰に分泌される病態です。PTH が過剰に分泌されると骨からリンおよびカルシウムの血中への流出が促進されます。その結果、骨密度が低下し、骨折のリスクが高まります。また、リンおよびカルシウムが骨以外のところに沈着して異所性石灰化をおこし、関節痛などの症状を引き起こします。特に心血管系にリンおよびカルシウムが蓄積すると、動脈硬化などの心血管系障害の発症リスクが高まり、生命予後に影響を及ぼすことが報告されています。

　AJT240は、副甲状腺細胞膜上にあるカルシウム感知受容体に直接作用して、PTHの過剰分泌を抑制する薬剤です。また、AJT240は、透析終了時に薬剤を透析回路の静脈側に投与する注射剤であることから、維持透析患者様の服薬アドヒアランスを向上させることや、従来の経口二次性副甲状腺機能亢進症治療薬に見られる吐き気や嘔吐などの消化器関連の副作用を軽減することが期待されます。

　今回のPathalysへのライセンス付与は、二次性副甲状腺機能亢進症で苦しむ世界の血液透析患者様のアンメットメディカルニーズの充足に貢献できるものと期待しています。
　EAファーマは、消化器領域を中心とした医薬品開発を通じて新たな患者様価値を創出することで、世界中の患者様やそのご家族、そして医療関係者の皆様のベネフィット向上に貢献してまいります。

《参考資料》

1. EAファーマ株式会社について

　エーザイ株式会社の消化器事業子会社であるEAファーマ株式会社は、エーザイグループが
60年以上取り組んでいる消化器事業と、アミノ酸をコアとする味の素グループの消化器事業が、2016年4月に統合して設立された、研究開発、生産物流、営業・マーケティングのフルバリューチェーンを有する消化器のスペシャリティ・ファーマです。

    EAファーマ株式会社の詳細情報は、https://www.eapharma.co.jp/をご覧ください。

2. Pathalys Pharma, lnc.について

　Pathalys Pharma, lnc.は、Catalys PacificとDaVitaベンチャーグループが共同で設立した株式非公開の後期臨床バイオ医薬品開発企業です。米国ノースカロライナ州リサーチトライアングルパークに本社を置き、末期腎不全（End-stage Kidney Disease：ESKD）におけるアンメットニーズに対応する先進的治療薬の開発に取り組んでいます。ウパシカルセトナトリウム水和物は、Pathalysが最初に手掛ける開発品です。Pathalysは、ウパシカルセトナトリウム水和物に引き続き、ESKD患者様の優先度の高いニーズを捉え、可能性あるソリューションを患者様に提供してまいります。

    Pathalys Pharma, lnc.の詳細情報は、https://www.pathalys.comをご覧ください。

以上