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欧州クローン病・大腸炎会議(ECCO)2025において開発中の炎症性腸疾患治療薬である経口α4β7阻害剤NSHO-101(EA1080)の 臨床第Ⅰ相試験、1日1回投与データを発表予定
2025年2月14日
EAファーマ株式会社
EAファーマ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:籔根 英典、以下「EAファーマ」)は、ドイツのベルリンで2025年2月19日から22日に開催される第20回 欧州クローン病・大腸炎会議(ECCO)において、当社が独自に創製、開発中の炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)治療薬、開発コード「EA1080(NSHO-101)」の臨床第Ⅰ相試験に関する追加解析データを発表することをお知らせいたします。
発表概要
演題名:Oral α4β7 integrin antagonist EA1080 (NSHO-101) demonstrates target engagement and α4β7 integrin receptor occupancy following once-daily administration in healthy volunteers
著者: B G Feagan; Y Yazawa; T Seki; E Watanabe; H Ohishi; H Ueo; C Saito; U Lorch
区分: ポスターセッション
日時: 2月21日(金)12:40-13:40(CET)
場所: CityCube Messe Berlin, Poster Exhibition, Hall 2.2
ポスターID: P0815 (Abstract citation ID: jjae190.0989)
EA1080(NSHO-101)は、IBD患者様の治療のために開発されている新規経口選択的α4β7インテグリン阻害剤です。α4β7は、免疫細胞の小腸への遊走に寄与する細胞表面に存在する受容体であり、炎症反応の制御において重要な役割を果たします。小腸の高内皮細静脈に発現しているMAdCAM-1に結合し、炎症に反応してアップレギュレートされます。この相互作用を阻害することにより、EA1080(NSHO-101)は、炎症性白血球の小腸への接着および遊走を防止し、それにより炎症を減少させ、IBDの症状を改善する可能性を提供します。
EA1080(NSHO-101)の臨床第Ⅰ相試験では、184例の健康なボランティアを対象に、EA1080(NSHO-101)の単回及び反復漸増投与の安全性、忍容性、食事の影響、薬物動態(PK)および薬力学(PD)を評価しました。EA1080(NSHO-101)は概して安全であり、忍容性も良好でした。EA1080(NSHO-101)は、潰瘍性大腸炎の治療薬として、2025年上半期に第Ⅱ相の臨床開発を開始する予定です。
以上
本件に関するお問い合わせ先
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EAファーマ株式会社コーポレートコミュニケーション部TEL: 080-4176-5206
《参考資料》
1.EAファーマ株式会社について
エーザイ株式会社の消化器事業子会社であるEAファーマ株式会社は、エーザイグループが60年以上取り組んでいる消化器事業と、アミノ酸をコアとする味の素グループの消化器事業が、2016年4月に統合して設立された、研究開発、生産物流、営業・マーケティングのフルバリューチェーンを有する消化器のスペシャリティ・ファーマです。EAファーマ株式会社の詳細情報は、https://www.eapharma.co.jp/をご覧ください。
2.炎症性腸疾患について
炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)は、一般に潰瘍性大腸炎とクローン病の2疾患からなり、腸管の粘膜に潰瘍ができる炎症性の疾患です。症状は、腹痛や下痢、血便などで、多くの場合は症状が軽快する「寛解」と悪化する「再燃」を繰り返し、患者様のQOL(生活の質)を低下させます。本疾患は、発症メカニズムが未だ解明されておらず、厚生労働大臣により「指定難病」に指定されています。 2019年の国内患者数は、潰瘍性大腸炎約22万人、クローン病が約7万人で、近年、増加する傾向にあります1)。
1)厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班による「潰瘍性大腸炎の皆さんへ 知っておきたい治療に必要な基礎知識」(2020年3月改訂)
厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班による「クローン病の皆さんへ 知っておきたい治療に必要な基礎知識」(2020年3月改訂)