刺激性下剤が投与されている、慢性便秘症を合併した精神疾患患者に対するグーフィス®投与の影響

※グーフィス®の効能又は効果は「慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)」です。
日本標準商品分類番号872359 医薬品リスク管理計画対象製品 刺激性下剤が投与されている、慢性便秘症を合併した精神疾患患者に対するグーフィス®投与の影響 処方箋医薬品:注意-医師等の処方箋により使用すること 胆汁酸トランスポーター阻害剤 薬価基準収載 グーフィス®錠5mg GOOFICE®Tablets(エロビキシバット水和物錠)
宇野準二ら: 臨床精神薬理2023; 26(2): 197-206
COI: 当研究はEAファーマ株式会社及び持田製薬株式会社による資金提供を受けて実施された。

【監修】桶狭間病院藤田こころケアセンター 藤田 潔 先生

このページでは、下記2つの臨床試験の結果をご紹介いたします。
◆ 試験① 国内第Ⅲ相試験(簡易版)
◆ 試験② 刺激性下剤が投与されている、慢性便秘症を合併した精神疾患患者に対するグーフィス®投与の影響

「禁忌を含む注意事項等情報」等は、Drug Informationをご参照ください。

試験① 国内第Ⅲ相試験(簡易版)

試験概要

試験デザイン プラセボ対照無作為化二重盲検多施設共同並行群間比較試験
目的 慢性便秘症患者を対象にグーフィス®10mg又はプラセボを1日1回14日間経口投与し、投与期間第1週における自発排便回数の観察期間第2週からの変化量を主要評価項目とした二重盲検比較試験において、グーフィス®のプラセボに対する優越性を検証すると共に、安全性を検討することを目的とした。
対象 慢性便秘症患者133例(有効性解析対象〔FAS*1)〕:132例、安全性解析対象:132例)RomeⅢの機能性便秘の診断基準を参考として、同意取得時の6ヵ月以上前から自発排便回数が平均3回/週未満であり、かつ自発排便に関連した、①排便の25%以上にいきみがある、②排便の25%以上に兎糞状便又は硬便がある、③排便の25%以上に残便感がある、の3つのうち1つ以上の症状を有している慢性便秘症患者を対象とした。
プラセボ群:63例、グーフィス®10mg群:69例
投与方法 治験薬投与開始前の排便回数の調査期間として2週間の観察期間を設定した後、1日1回朝食前にグーフィス®10mg又はプラセボを14日間経口投与した。被験者は定められた時期に来院し、外来で観察・検査等が行われた。
評価項目 〈有効性に関する評価項目〉
主要評価項目(検証的解析項目)
  • 自発排便回数の変化量〔観察期間第2週 vs. 投与期間第1週〕(FAS)
〈安全性に関する評価項目〉
  • 副作用発現率
  • 臨床検査値
解析計画 主要評価項目である投与期間第1週における自発排便回数の観察期間第2週からの変化量*2)について、FASを解析対象とし観察期間第2週の自発排便回数を共変量とした共分散分析(ANCOVA)を適用した。
自発排便回数、完全自発排便回数については要約統計量を算出した。
●検証的な解析以外で得られたp値を名目上のp値とした。

自発排便:下剤/浣腸あるいは摘便なしに発現する排便。本治験においては、観察期間開始前日に下剤を使用した場合、又は観察期間開始後に救済薬(ビサコジル坐剤10mg)を使用した場合、使用後24時間以内の排便は自発排便としない。
完全自発排便:残便感のない自発排便
排便回数:「トイレに入ってから出るまでに生じた排便」を1回とカウントした(例:一度排便し、少し時間があいて再度排便した場合でも、トイレから出ていなければ1回とカウントする)。一方、排便後にトイレを出て再びトイレに入って排便した場合は、別々の排便としてカウントした。

*1)FAS:Full Analysis Set(最大の解析対象集団)治験薬が1回以上投与され、何らかの有効性に関する観測値を持つすべての被験者による集団を「最大の解析対象集団」とした。なお、排便回数の各週の評価可能日が5日未満の場合には、該当週の排便回数は欠測値として扱った。
*2)変化量=観察期間第2週データをベースライン値とした。

有効性

自発排便回数の変化量〔観察期間第2週 vs. 投与期間第1週〕(FAS)[主要評価項目(検証的解析項目)]

投与期間第1週における自発排便回数の観察期間第2週からの変化量(Mean±SD)は、プラセボ群1.73±1.88回、グーフィス®群6.40±4.73回であり、グーフィス®群はプラセボ群に対して自発排便回数の変化量が有意に大きく優越性が検証された(検証的解析結果、p<0.0001、共分散分析)。
〈主要評価項目(検証的解析結果)〉自発排便回数の変化量(観察期間第2週 vs. 投与期間第1週)
〈主要評価項目(検証的解析結果)〉自発排便回数の変化量(観察期間第2週 vs. 投与期間第1週)を示すグラフ
自発排便回数(観察期間第2週及び投与期間第1週)
自発排便回数(観察期間第2週及び投与期間第1週)を示すグラフ

安全性

副作用発現率

副作用の発現率は、プラセボ群7.9%(5/63例)、グーフィス®群30.4%(21/69例)であった。
いずれかの群で5%以上発現した副作用は、下表の通りであった。
本試験において死亡例を含む重篤な副作用は、いずれの投与群においても認められなかった。投与中止に至った副作用はプラセボ群0例、グーフィス®群4例9件(腹痛、下痢各4件、悪心1件)で認められた。
いずれかの群で5%以上発現した副作用
副作用発現率を示す表

臨床検査値

血清LDL-コレステロール濃度(Mean±SD)は、本登録日、2週来院時(中止日)の順に、プラセボ群において113.4±31.5mg/dL、114.9±31.4mg/dL、グーフィス®群117.9±29.9mg/dL、104.5±25.9mg/dLであった。
血清LDL-コレステロール濃度
血清LDL-コレステロール濃度を示すグラフ

刺激性下剤が投与されている、慢性便秘症を合併した精神疾患患者に対するグーフィス®投与の影響

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※グーフィス®の効能又は効果は「慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)」です。
宇野準二ら: 臨床精神薬理2023; 26(2): 197-206
COI: 当研究はEAファーマ株式会社及び持田製薬株式会社による資金提供を受けて実施された。
【監修】桶狭間病院藤田こころケアセンター 藤田 潔 先生

調査概要

目的 慢性便秘症を合併し刺激性下剤を服用している精神疾患患者に対して、グーフィス®を投与した際の刺激性下剤の使用状況の変化を調査すること。
対象・方法 桶狭間病院藤田こころケアセンターにて精神疾患の治療を入院あるいは通院により受けている患者で、慢性便秘症と診断され、2018年6月1日から2021年11月30日の間にグーフィス®の初回投与を受け、以後12週間以上の継続が確認されており、また、グーフィス®投与前4週間に刺激性下剤の投与歴がある20歳以上の患者53例を対象とした。
2018年5月1日から2022年2月28日を調査対象期間として、グーフィス®投与開始前4週と投与後24週までのデータを患者の診療録より得て、後ろ向きに調査した。
評価項目 <有効性>
主要評価項目
グーフィス®投与開始前と投与後の刺激性下剤の総投与量の比較
副次評価項目
  • 刺激性下剤、グーフィス®の投与量の推移
  • グーフィス®の投与量の推移
  • 入院患者における、グーフィス®投与前後の頓用下剤投与回数の推移
  • 入院患者における、グーフィス®投与前後の1週間あたりの排便回数
  • 解析集団全体の刺激性下剤の切替・離脱状況
<安全性>
有害事象、副作用の発現率、中止率
解析計画
  • 主要評価項目について、評価時期における刺激性下剤の総投与量の要約統計量を算出し、対応のあるt検定を用いて比較した。
  • 副次評価項目について、各評価項目で要約統計量の算出を行い、投与開始前と投与後各時点との対応がある検定が可能なもの(刺激性下剤の投与量の推移、グーフィス®の投与量の推移、入院患者の各種頓用下剤の投与回数の推移、入院患者のグーフィス®投与開始前後1週間あたりの排便回数)については、データの分布に応じて、対応のあるt検定、もしくはWilcoxonの符号順位検定を行った。
  • 有意水準は両側5%とした。
Limitation 本論文中にlimitationの記載はなかったが、診療録に基づく後ろ向きの調査であったこと、対象症例数が少なかったこと、グーフィス®投与前の便秘症治療薬として、刺激性下剤の他にも浸透圧性下剤、漢方薬、坐剤を投与された患者がいたことなどがlimitationとして考えられる。
●検証的な解析以外で得られたp値を名目上のp値とした。

4. 効能又は効果 慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
6. 用法及び用量 通常、成人にはエロビキシバットとして10mgを1日1回食前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、最高用量は1日15mgとする。

患者背景

平均年齢は58.3±15.5歳(Mean±SD)、精神疾患はうつ病38例(71.7%)、双極性障害7例(13.2%)、統合失調症49例(92.5%)、認知症9例(17.0%)、合併症は慢性腎不全4例(7.5%)、パーキンソン病1例(1.9%)であった。
グーフィス®投与開始前における便秘症治療薬として、刺激性下剤以外にも、浸透圧性下剤5例(9.4%)、漢方薬6例(11.3%)、坐剤10例(18.9%)が使用されていた。
背景因子 n(%)
全症例 53
性別  
男性 18 (34.0)
女性 35 (66.0)
年齢(歳), Mean±SD 58.3±15.5
65歳以上 21 (39.6)
精神疾患(重複 有)  
うつ病 38 (71.7)
双極性障害 7 (13.2)
統合失調症 49 (92.5)
認知症 9 (17.0)
合併症 なし 48 (90.6)
合併症 あり 5 (9.4)
入院・外来  
外来のみ 11 (20.8)
投与前外来⇒投与後入院あり 7 (13.2)
投与前入院⇒投与後外来あり 14 (26.4)
入院のみ 21 (39.6)
便秘症治療薬(重複 有)  
浸透圧性下剤 5 (9.4)
刺激性下剤 53 (100)
漢方薬 6 (11.3)
坐剤 10 (18.9)
精神疾患治療薬(重複 有)  
抗うつ薬 23 (43.4)
抗精神病薬 35 (66.0)
認知症治療薬 3 (5.7)
その他 34 (64.2)
入院外来区分は, 投与開始時の区分で記載
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●各薬剤の使用にあたっては、電子添文をご確認ください。

有効性

グーフィス®投与開始前と投与後の刺激性下剤の総投与量の比較[主要評価項目]

グーフィス®投与開始前と投与後9~12週の各4週間での刺激性下剤総投与量については、刺激性下剤総投与量(Mean±SD)は、グーフィス®投与開始前4週間で455.5±439.7mg、グーフィス®投与後9~12週で303.6±380.1mgであり、有意に減少した(変化量-151.9±381.7mg、95%CI[-257.1,-46.7] p=0.005、名目上のp値、対応のあるt検定)。
グーフィス®投与開始前4週間と投与後9~12週の刺激性下剤総投与量
グーフィス®投与開始前と投与後の刺激性下剤の総投与量の比較を示すグラフ
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刺激性下剤、グーフィス®の投与量の推移[副次評価項目]

グーフィス®投与前後における4週間ごとの刺激性下剤、およびグーフィス®の1日換算の投与量†は下図のように推移した。刺激性下剤は、いずれの時点においてもグーフィス®投与前の16.3mgに比べ有意に減少した(投与後1-4週、5-8週、9-12週、13-16週いずれもp<0.01、投与後17-20週、21-24週いずれもp<0.05、名目上のp値、対応のあるt検定)。
†4週間での総使用量を28で除した量
グーフィス®と刺激性下剤の1日換算投与量
グーフィス®と刺激性下剤の1日換算投与量を示すグラフ
Mean±SD
※p<0.05, ※※p<0.01, 名目上のp値(vs.投与開始前; 対応のあるt検定)
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また、グーフィス®の4週間ごとの5mg、10mg、15mgの最頻度投与量は下図のように推移した。
グーフィス®の4週ごとの最頻度投与量
グーフィス®の4週ごとの最頻度投与量を示すグラフ
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入院患者における、グーフィス®投与前後の頓用下剤投与回数の推移[副次評価項目]

1週間ごとの頓用下剤投与回数は、投与開始前1週の1.0±1.7(Mean±SD)から平均で0.2回~0.9回を推移しており、投与開始前1週と比較して、投与後6週、8週、10週、11週で有意差が認められた(6、8、10週 p<0.05、11週 p<0.01、いずれも名目上のp値、対応のあるt検定)。
入院患者における、グーフィス®投与前後の1週間あたりの頓用下剤投与回数
入院患者における、グーフィス®投与前後の1週間あたりの頓用下剤投与回数を示すグラフ
Mean±SD
※p<0.05, ※※p<0.01, いずれも名目上のp値(vs.投与開始前1週;対応のあるt検定)
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●刺激性下剤、屯用下剤の使用にあたっては、電子添文をご確認ください。

入院患者における、グーフィス®投与前後の1週間あたりの排便回数[副次評価項目]

入院患者における、グーフィス®投与開始前後の1週間あたりの排便回数は、投与開始前1週の4.7±4.3(Mean±SD、以下同)から、投与後12週5.2±4.4回、投与後24週7.3±5.5回となり、投与開始前1週と比較して、投与後2週、5週、9週、16週で有意差が認められた(いずれもp<0.05、名目上のp値、対応のあるt検定)。
入院患者における、グーフィス®投与前後の1週間あたりの排便回数
入院患者における、グーフィス®投与前後の1週間あたりの排便回数を示すグラフ
Mean±SD
※p<0.05, 名目上のp値(vs.投与開始前1週;対応のあるt検定)
宇野準二ら: 臨床精神薬理2023; 26(2): 197-206

解析集団全体の刺激性下剤の切替・離脱状況[副次評価項目]

グーフィス®投与開始時に刺激性下剤投与を中止した切替例は9例(17.0%)、グーフィス®投与開始以降に刺激性下剤投与を中止した離脱例は18例(34.0%)であり、合計27例(51.0%)で刺激性下剤が不要となった。

刺激性下剤の切替・離脱例数

項目 カテゴリー 解析対象集団
刺激性下剤 切替・離脱 評価例数 53
刺激性下剤 切替 9 (17.0%)
刺激性下剤 離脱 18 (34.0%)
該当せず 26 (49.1%)
宇野準二ら: 臨床精神薬理2023; 26(2): 197-206

●刺激性下剤の使用にあたっては、電子添文をご確認ください。

安全性

有害事象は2例(3.8%)2件が認められた。このうち1件(糞便性イレウス)は軽度かつ非重篤であり、グーフィス®との因果関係はなかった。残る1件(下痢)は中等度かつ非重篤であり、グーフィス®投与中止により回復しており、グーフィス®との因果関係がある副作用であった。また、死亡例はなかった
グーフィス®投与12週以降24週までの累積中止例数は10例(18.9%)であった。中止理由は転院5例(9.4%)、便秘状況の改善2例(3.8%)、効果不十分1例(1.9%)、有害事象(下痢)1例(1.9%)、受診なし1例(1.9%)であった。

監修者コメント

刺激性下剤が投与されている、慢性便秘症を合併した精神疾患患者に対して、グーフィス®を投与したところ、2週、5週、9週、16週で排便回数が投与前に比べて有意に増加し(いずれもp<0.05、名目上のp値、対応のあるt検定)、刺激性下剤の投与量も減少した。
精神疾患と便秘症は関連しやすく、精神疾患患者には慢性便秘症を合併し、刺激性下剤などの便秘症治療薬の投与を受けている患者が多いと考えられる。「便通異常症診療ガイドライン2023-慢性便秘症」では、刺激性下剤は慢性便秘症に対して有効であるが、長期連用により耐性が出現して難治性便秘になることがあり注意が必要であるとし、頓用または短期間の投与を提案している
当研究により、グーフィス®は、慢性便秘症を合併する精神疾患患者の刺激性下剤の使用量減少に寄与できる可能性があることが示唆された。

※日本消化管学会編, 便通異常症診療ガイドライン2023-慢性便秘症, 2023, p.81

●刺激性下剤の使用にあたっては、電子添文をご確認ください。

2025年8月作成

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