EAファーマ株式会社:社内資料(慢性便秘患者における有効性、安全性の検討)<承認時評価資料>
Nakajima A, et al.:Lancet Gastroenterol Hepatol 2018;3(8):537-547
(著者にEAファーマ株式会社よりアドバイザー料を受領している者が含まれる。当研究はEAファーマ株式会社、持田製薬株式会社の支援にて行われた。)
試験デザイン | プラセボ対照無作為化二重盲検多施設共同並行群間比較試験 |
目的 | 慢性便秘症患者を対象にグーフィス®10mg又はプラセボを1日1回14日間経口投与し、投与期間第1週における自発排便回数の観察期間第2週からの変化量を主要評価項目とした二重盲検比較試験において、グーフィス®のプラセボに対する優越性を検証すると共に、安全性を検討することを目的とした。 |
対象 | 慢性便秘症患者133例(有効性解析対象〔FAS*1)〕:132例、安全性解析対象:132例)RomeⅢの機能性便秘の診断基準を参考として、同意取得時の6ヵ月以上前から自発排便回数が平均3回/週未満であり、かつ自発排便に関連した、①排便の25%以上にいきみがある、②排便の25%以上に兎糞状便又は硬便がある、③排便の25%以上に残便感がある、の3つのうち1つ以上の症状を有している慢性便秘症患者を対象とした。 プラセボ群:63例、グーフィス®10mg群:69例 |
投与方法 | 治験薬投与開始前の排便回数の調査期間として2週間の観察期間を設定した後、1日1回朝食前にグーフィス®10mg又はプラセボを14日間経口投与した。被験者は定められた時期に来院し、外来で観察・検査等が行われた。 |
評価項目 | 〈有効性に関する評価項目〉 1)主要評価項目(検証的解析項目)
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解析計画 | 主要評価項目である投与期間第1週における自発排便回数の観察期間第2週からの変化量*2)について、FASを解析対象とし観察期間第2週の自発排便回数を共変量とした共分散分析(ANCOVA)を適用した。 自発排便回数、完全自発排便回数については要約統計量を算出した。 |
自発排便:下剤/浣腸あるいは摘便なしに発現する排便。本治験においては、観察期間開始前日に下剤を使用した場合、又は観察期間開始後に救済薬(ビサコジル坐剤10mg)を使用した場合、使用後24時間以内の排便は自発排便としない。
完全自発排便:残便感のない自発排便
排便回数:「トイレに入ってから出るまでに生じた排便」を1回とカウントした(例:一度排便し、少し時間があいて再度排便した場合でも、トイレから出ていなければ1回とカウントする)。一方、排便後にトイレを出て再びトイレに入って排便した場合は、別々の排便としてカウントした。
レスポンダー:1週間あたりの自発排便回数又は完全自発排便回数が、観察期間第2週より1回以上改善し、かつ3回以上である被験者をそれぞれレスポンダーとする。
*1)FAS:Full Analysis Set(最大の解析対象集団)治験薬が1回以上投与され、何らかの有効性に関する観測値を持つすべての被験者による集団を「最大の解析対象集団」とした。なお、排便回数の各週の評価可能日が5日未満の場合には、該当週の排便回数は欠測値として扱った。
*2)変化量=観察期間第2週データをベースライン値とした。
投与期間第2週における自発排便回数の観察期間第2週からの変化量(Mean±SD)は、プラセボ群1.79±1.78回、グーフィス®群5.00±3.20回であり、グーフィス®群はプラセボ群に対して自発排便回数の変化量の有意な増加が認められた(p<0.0001、名目上のp値、共分散分析)。
投与期間第1週の完全自発排便回数の観察期間第2週からの変化量(Mean±SD)は、プラセボ群0.62±1.44回、グーフィス®群3.39±3.86回、投与期間第2週の完全自発排便回数の観察期間第2週からの変化量は、プラセボ群0.86±1.45回、グーフィス®群2.98±3.10回で、グーフィス®群は投与期間第1週及び第2週いずれにおいても、プラセボ群に対して完全自発排便回数の変化量の有意な増加が認められた(投与期間第1週、第2週ともにp<0.0001、名目上のp値、共分散分析)。
治験薬投与開始から24時間以内の自発排便発現患者の割合は、プラセボ群41.3%(26/63例)、グーフィス®群85.5%(59/69例)であり、グーフィス®群の自発排便発現患者の割合はプラセボ群に対して有意に多かった(p<0.0001、名目上のp値、Fisherの正確検定)。
治験薬投与開始から48時間以内の自発排便発現患者の割合は、プラセボ群69.8%(44/63例)、グーフィス®群92.8%(64/69例)であり、グーフィス®群の自発排便発現患者の割合はプラセボ群に対して有意に多かった(p=0.0012、名目上のp値、Fisherの正確検定)。
〈副次評価項目〉
治験薬投与開始から24時間以内の自発排便発現患者の割合
〈副次評価項目〉
治験薬投与開始から48時間以内の自発排便発現患者の割合
Bristol便形状スケールの1週間あたりの中央値(Mean±SD)は、観察期間第2週においてプラセボ群2.1±1.2、グーフィス®群2.4±1.1、投与期間第1週においてプラセボ群2.5±1.2、グーフィス®群4.4±1.3、投与期間第2週においてプラセボ群2.7±1.4、グーフィス®群4.2±1.2であり、投与期間第1週、第2週ともグーフィス®群のBristol便形状スケールに基づいた便硬度の中央値はプラセボ群に対して有意に大きかった(投与期間第1週、第2週ともにp<0.0001、名目上のp値、Wilcoxon 順位和検定)。
便秘の重症度(Mean±SD)は、観察期間第2週においてプラセボ群2.7±0.8、グーフィス®群2.7±0.8、投与期間第1週においてプラセボ群2.3±1.0、グーフィス®群1.1±1.1、投与期間第2週においてプラセボ群2.1±1.1、グーフィス®群1.0±1.0であり、投与期間第1週、第2週ともにグーフィス®群の便秘の重症度評価はプラセボ群に対して有意に低かった(投与期間第1週、第2週ともにp<0.0001、名目上のp値、Wilcoxon 順位和検定)。
2025年3月作成
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