胆汁酸とグーフィス®の作用

日本標準商品分類番号872359 医薬品リスク管理計画対象製品 胆汁酸とグーフィス®の作用 処方箋医薬品:注意-医師等の処方箋により使用すること 胆汁酸トランスポーター阻害剤 薬価基準収載 グーフィス®錠5mg GOOFICE®Tablets(エロビキシバット水和物錠)

胆汁酸とは?

胆汁酸は胆汁の主成分であり、肝臓でコレステロールより生合成される。
胆汁酸の主な役割は、体内のコレステロールの調整や小腸内における脂質の消化・吸収である。胆汁酸の大部分は腸管から再吸収されて肝臓に戻り、再利用されている(腸肝循環)1, 2)。一方、再吸収されなかった胆汁酸は大腸へ流入し、消化管運動を促進する3)
1)滝川一: 細胞 2016; 48(10): 2-4/2)加川建弘: 細胞 2016; 48(10): 5-9/3)Bampton PA, et al.: Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol 2002; 2821(3): G443-449 4)Hofmann AF, et al.: Arch Intern Med. 1999; 159(22): 2647-2658
  • 腸肝循環(イメージ図)
  • 胆汁酸の主な作用(脂質の消化・吸収促進、コレステロールの調整、脂溶性ビタミンの吸収、界面活性作用、大腸運動促進、大腸水分分泌促進、直腸感覚閾値(便意)の促進)

グーフィス®の胆汁酸を介した3つの作用(Triple action)

グーフィス®は、IBAT※1を阻害して大腸への胆汁酸の流入を増加させます5~7)。増加した胆汁酸の作用によって水分分泌促進、大腸運動促進、便意の促進※2といった排便促進作用がもたらされます8~10)
※1:Ileal Bile Acid Transporter:胆汁酸トランスポーター ※2:直腸伸展刺激への感度を高める
  • 胆汁酸の排便に対する作用(1.大腸内への水分分泌を亢進させる。2.大腸の蠕動運動を促進させる。3.直腸伸展刺激への感度を高め、便意を促進させる。)/グーフィス®の作用機序(IBATを阻害し、大腸内に流入する胆汁酸の量を増加させる)
  • 1.水分分泌促進、2.大腸運動促進、3.便意の促進→排便促進作用(イメージ図)

グーフィス®の作用機序5~7)

エロビキシバット(エロビキシバットがⅠBATの胆汁 酸の再吸収を阻害することに より、大腸に流入する胆汁酸の量 が増加する。)、胆汁酸再吸収の阻害、イメージ図

胆汁酸の排便に対する作用8~10)

①水分分泌促進

大腸に流入した胆汁酸がTGR5に結合することによりcAMP生成、CFTRが活性化しCl-を分泌、傍細胞経路よりNa+、H2Oが分泌される。

②大腸運動促進

大腸に流入した胆汁酸が、TGR5に結合することにより5-HTが腸壁側に放出される。5-HTは腸管神経叢内の内在性感覚神経であるⅠPANを活性化する。これにより介在ニューロンを介して口側、肛門側それぞれの運動ニューロンが活性化され、口側ではAChなどが分泌されて収縮を起こし、肛門側でNOなどが分泌されて弛緩する。これにより蠕動運動が起きる。

③便意の促進

直腸伸展刺激への感度を高め、便意を促進させる。

CFTR:cystic fibrosis transmembrane conductance regulator(嚢胞性線維症膜貫通型コンダクタンス調節因子)、TGR5:transmembrane G protein-coupled receptor 5(膜貫通Gタンパク質共役型受容体5)、AC:adenylyl cyclase(アデニル酸シクラーゼ)、ATP:adenosine triphosphate(アデノシン三リン酸)、cAMP:adenosine cyclic monophosphate(サイクリックアデノシン3’,5’ 一リン酸)、PKA:cAMP-dependent protein kinase A(プロテインキナーゼA)、EC細胞(腸クロム親和性細胞)、5-HT:セロトニン、ⅠPAN:intrinsic primary afferentneuron(内在性一次求心性神経:腸管神経叢内に限局し、消化管の機械的・化学的刺激を感知する感覚神経と考えられている)、ACh:アセチルコリン、NO:一酸化窒素

【監修】川崎医科大学 検査診断学(内視鏡・超音波) 教授 眞部 紀明 先生
5) Acosta A, Camilleri M : Ther Adv Gastroenterol 2014; (4): 167-175(著者のCamilleriはエロビキシバットの創薬会社であるアルビレオ社より研究助成金を受領している。)
6) EAファーマ株式会社:社内資料(胆汁酸トランスポーターに対する作用)
7) EAファーマ株式会社:社内資料(胆汁酸吸収に対する作用)
8) Mekhjian HS, et al.: J Clin Invest 1971; 50: 1569-1577 より作成
9) Bampton PA, et al.: Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol 2002;282(3): G443-G449
10) Mitchell WD, et al.: Gut 1973; 14(5): 348-353

2024年9月作成

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