グーフィス®夕食前投与による日本人慢性便秘患者の後ろ向き観察研究

日本標準商品分類番号 872359/医薬品リスク管理計画対象製品 グーフィス®夕食前投与による日本人慢性便秘患者の後ろ向き観察研究 胆汁酸トランスポーター阻害剤/グーフィス錠5㎎ 2.禁忌(次の患者には投与しないこと)2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者2.2 腫瘍、ヘルニア等による腸閉塞が確認されている又は疑われる患者[腸閉塞を悪化させるおそれがある。]
Odaka T, et al.:Curr Ther Res Clin Exp 2020;93:100616
(当研究はEAファーマ株式会社の支援にて行われた。)
このページでは、下記2つの臨床試験の結果をご紹介いたします。
◆ 試験① 国内長期投与試験(簡易版)
◆ 試験② グーフィス®夕食前投与による日本人慢性便秘患者の後ろ向き観察研究

「禁忌を含む注意事項等情報」等は、Drug Informationをご参照ください。

試験① 国内長期投与試験(簡易版)

一部承認外の成績(用法及び用量)が含まれるデータですが、長期投与時の承認時評価資料のため紹介します。
EAファーマ株式会社:社内資料(慢性便秘患者における長期投与時の安全性、有効性の検討)<承認時評価資料>
Nakajima A, et al.:Lancet Gastroenterol Hepatol 2018;3(8):537-547
(著者にEAファーマ株式会社よりアドバイザー料を受領している者が含まれる。当研究はEAファーマ株式会社、持田製薬株式会社の支援にて行われた。)

試験概要

試験デザイン 非盲検多施設共同試験
対象・方法 慢性便秘患者341例を対象に、2週間の観察期間の後、1日1回朝食前にグーフィス®を52週間経口投与した。初期投与量として10mgを1日1回7日間投与し、それ以降は症状に応じて1日1回、5、10又は15mgの間で適宜増減とした。
評価項目 〈有効性に関する評価項目〉
  • 観察期間第2週からの変化量と排便回数の推移(自発排便・完全自発排便)
  • Bristol便形状スケールに基づいた便硬度
〈安全性に関する評価項目〉
  • 有害事象、副作用
解析計画 FASを解析対象集団とし、投与期間各週における自発排便回数、完全自発排便回数について要約統計量を算出した。観察期間第2週からの変化量について、要約統計量を算出し、投与期間第4、12、24、36、52週において1標本t-検定を行った。
●検証的な解析以外で得られたp値を名目上のp値とした。

自発排便:下剤/浣腸あるいは摘便なしに発現する排便。本治験においては、観察期間開始3日前から観察期間開始前日までに使用した下剤および救済薬(ビサコジル坐剤10mg)使用後24時間以内の排便は自発排便としない。
完全自発排便:残便感のない自発排便
排便回数:「トイレに入ってから出るまでに生じた排便」を1回とカウントした(例:一度排便し、少し時間があいて再度排便した場合でも、トイレから出ていなければ1回とカウントする)。一方、排便後にトイレを出て再びトイレに入って排便した場合は、別々の排便としてカウントした。

*FAS:Full Analysis Set(最大の解析対象集団)治験薬が1回以上投与され、何らかの有効性に関する観測値を持つすべての被験者による集団を「最大の解析対象集団」とした。なお、排便回数の各週の評価可能日が5日未満の場合には、該当週の排便回数は欠測値として扱った。

有効性

観察期間第2週からの変化量と排便回数の推移(自発排便・完全自発排便)

自発排便回数、完全自発排便回数について、観察期間第2週と投与期間第4週、第12週、第24週、第36週及び第52週の時点における変化量について比較検定を行った。いずれの時点においても観察期間第2週と比較して有意な増加が認められた(いずれもp<0.0001、名目上のp値、1標本t-検定)。
週あたりの自発排便回数及び完全自発排便回数は、投与期間第1週から増加し52週時点まで下記の通り推移した。
観察期間第2週からの変化量
グラフ/縦軸が変化量(回 週)、横軸が投与期間、有効性解析対象例(n=340)Mean±SD *:p<0.0001(自発排便回数・完全自発排便回数ともに観察期間第2週との1標本t-検定)

Bristol便形状スケールに基づいた便硬度

Bristol便形状スケールの1週間あたりの中央値(Mean±SD)は、観察期間第2週2.05±1.02、投与期間第1週3.88±1.50、第2週3.80±1.44であり、第1週以降は3.60~3.98で第52週まで下記の通り推移した。
Bristol便形状スケールに基づいた便硬度(1週間あたりの中央値)
グラフ/縦軸が便硬度、横軸が投与期間、有効性解析対象例(n=340)Mean±SD
*Lewis SJ, et al.:Scand J Gastroenterol 1997; 32: 920-924より改変
※1回の排便で複数の形状の便が出た場合は、一番最初に出た便の形状を記録した(例:出始めは硬い便であったが、途中から軟便に変わった場合、最初の硬い便を記録)。

安全性

有害事象の発現率は77.6%(264/340例)であった。2%以上発現した有害事象は鼻咽頭炎25.6%(87/340例)、腹痛25.0%(85/340例)、下痢15.9%(54/340例)、下腹部痛及び悪心各5.0%(17/340例)、上気道の炎症3.8%(13/340例)、インフルエンザ、腹部膨満及び肝機能検査異常各3.5%(12/340例)、腹部不快感3.2%(11/340例)、咽頭炎2.9%(10/340例)、気管支炎、胃腸炎、上腹部痛及び背部痛各2.6%(9/340例)、湿疹2.4%(8/340例)、齲歯、胃炎、軟便及び血中クレアチンホスホキナーゼ増加各2.1%(7/340例)の20事象であった。重篤な有害事象は1.5%(5/340例:「くも膜下出血・硬膜下血腫・頭蓋骨骨折・硬膜下ヒグローマ」、「マイコプラズマ性肺炎」、「手根管症候群」、「網膜剥離」及び「鼡径ヘルニア」各1例)に認められ、「鼡径ヘルニア」は副作用とされたが、転帰は回復であった。死亡例は認められなかった。投与中止に至った副作用は18例26件(腹痛7件、下痢6件、腹部膨満、肝機能検査異常 各2件、顔面麻痺、腹部不快感、上腹部痛、鼓腸、鼡径ヘルニア、軟便、発疹、蕁麻疹、末梢性浮腫 各1件)であった。

6. 用法及び用量 通常、成人にはエロビキシバットとして10mgを1日1回食前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、最高用量は1日15mgとする。

試験② グーフィス®夕食前投与による日本人慢性便秘患者の後ろ向き観察研究

Odaka T, et al.:Curr Ther Res Clin Exp 2020;93:100616
(当研究はEAファーマ株式会社の支援にて行われた。)

試験概要

試験デザイン 後ろ向き観察研究
目的 実臨床下において、慢性便秘症患者を対象にグーフィス®を夕食前に投与したデータが蓄積されたため、それらを解析してその有効性と安全性を検討した。
対象 下記条件に該当した41例。平均年齢は49.1±8.8歳(Mean±SD)、うち女性68.3%、身長162.6±8.2cm(Mean±SD)、体重61.5±9.9kg(Mean±SD)。
調査対象は2018年6月4日から2018年12月3日までに当院を受診し、グーフィス®内服前に、RomeⅣ基準により機能性便秘と診断された20歳以上の男女で、週の排便回数が3回未満であり、調査期間中に夕食前にグーフィス®を投与されている者を対象とした。なお、器質性便秘が疑われる者、グーフィス®服用前2週間以内に酸化マグネシウム、刺激性下剤、上皮機能変容薬、消化管運動促進薬、漢方薬など便秘症治療薬や排便に関与する経口薬を服用している者、精神疾患で向精神薬、抗うつ薬、抗不安薬の服薬歴のある者は除外した。
投与方法 1日1回夕食前にグーフィス®10mgを投与。
評価項目 〈有効性に関する評価項目〉
1)主要評価項目
・投与開始前と投与後8週間(1週、2週、4週、8週のそれぞれのポイント)の自発排便回数/週の比較
2)副次評価項目
・内服後初回自発排便発現までの時間(8週投与継続群の個別推移含む)等
〈安全性に関する評価項目〉
・有害事象
解析計画 解析計画評価項目に関して、投与開始前の値と各評価ポイントの値を対応のあるt検定を用いて比較した。
Limitation 当研究は後ろ向き観察研究である。カルテにより、中止例の除外、継続、症状の改善を確認したが、4週時36例に対して8週時では17例のデータに不備があり、19例の評価となった。また、患者の夕食前の服用については来院時の度に確認したが、正確な服用時刻については確認しなかった。
●検証的な解析以外で得られたp値を名目上のp値とした。

有効性

投与開始前と投与後8週間の自発排便回数/週の比較[主要評価項目]

グラフ/自発排便回数、投与週(投与前-8週)
Odaka T, et al.:Curr Ther Res Clin Exp 2020;93:100616

グーフィス®内服後、初回自発排便発現までの時間(中央値)の変化[副次評価項目]

患者全体の中央値(Mean±SD)の推移
グラフ/内服後初回自発排便までの時間、投与週
Odaka T, et al.:Curr Ther Res Clin Exp 2020;93:100616
8週投与継続患者における個人毎の中央値の推移
グラフ/内服後初回自発排便までの時間、投与週
Odaka T, et al.:Curr Ther Res Clin Exp 2020;93:100616

安全性

服薬を中止した症例以外に、投与期間中に観察された有害事象はなかった。尚、服薬を中止した3例は、水様便と腹痛(重度ではない)によるものであった。

●安全性情報については最新の電子添文をご参照ください。

6. 用法及び用量 通常、成人にはエロビキシバットとして10mgを1日1回食前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、最高用量は1日15mgとする。

2025年4月作成

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