グーフィス®錠5mg 特定使用成績調査 中間結果報告

日本標準商品分類番号 872359/医薬品リスク管理計画対象製品 グーフィス5mg特定使用成績調査 中間結果報告 胆汁酸トランスポーター阻害剤/グーフィス錠5㎎ 2.禁忌(次の患者には投与しないこと)2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者2.2 腫瘍、ヘルニア等による腸閉塞が確認されている又は疑われる患者[腸閉塞を悪化させるおそれがある。]

安全性情報には一部承認外(用法及び用量)の成績が含まれるデータですが、日常診療での使用下における安全性及び有効性を検討した特定使用成績調査の中間解析結果のため紹介します。

Nakajima A, et al.: J Neurogastroenterol Motil 2022; 28(3):431-441
(著者にEAファーマ株式会社よりアドバイザー料を受領している者が含まれる。当研究はEAファーマ株式会社、持田製薬株式会社の支援にて行われた。)
このページでは、下記2つの臨床試験の結果をご紹介いたします。
◆ 試験① 国内長期投与試験(簡易版)
◆ 試験② 特定使用成績調査 中間結果報告

「禁忌を含む注意事項等情報」等は、Drug Informationをご参照ください。

試験① 国内長期投与試験(簡易版)

一部承認外の成績(用法及び用量)が含まれるデータですが、長期投与時の承認時評価資料のため紹介します。
EAファーマ株式会社:社内資料(慢性便秘患者における長期投与時の安全性、有効性の検討)<承認時評価資料>
Nakajima A, et al.:Lancet Gastroenterol Hepatol 2018;3(8):537-547
(著者にEAファーマ株式会社よりアドバイザー料を受領している者が含まれる。当研究はEAファーマ株式会社、持田製薬株式会社の支援にて行われた。)

試験概要

試験デザイン 非盲検多施設共同試験
対象・方法 慢性便秘患者341例を対象に、2週間の観察期間の後、1日1回朝食前にグーフィス®を52週間経口投与した。初期投与量として10mgを1日1回7日間投与し、それ以降は症状に応じて1日1回、5、10又は15mgの間で適宜増減とした。
評価項目 〈有効性に関する評価項目〉
  • 観察期間第2週からの変化量と排便回数の推移(自発排便・完全自発排便)
  • Bristol便形状スケールに基づいた便硬度
〈安全性に関する評価項目〉
  • 有害事象、副作用
解析計画 FASを解析対象集団とし、投与期間各週における自発排便回数、完全自発排便回数について要約統計量を算出した。観察期間第2週からの変化量について、要約統計量を算出し、投与期間第4、12、24、36、52週において1標本t-検定を行った。
●検証的な解析以外で得られたp値を名目上のp値とした。

自発排便:下剤/浣腸あるいは摘便なしに発現する排便。本治験においては、観察期間開始3日前から観察期間開始前日までに使用した下剤および救済薬(ビサコジル坐剤10mg)使用後24時間以内の排便は自発排便としない。
完全自発排便:残便感のない自発排便
排便回数:「トイレに入ってから出るまでに生じた排便」を1回とカウントした(例:一度排便し、少し時間があいて再度排便した場合でも、トイレから出ていなければ1回とカウントする)。一方、排便後にトイレを出て再びトイレに入って排便した場合は、別々の排便としてカウントした。

*FAS:Full Analysis Set(最大の解析対象集団)治験薬が1回以上投与され、何らかの有効性に関する観測値を持つすべての被験者による集団を「最大の解析対象集団」とした。なお、排便回数の各週の評価可能日が5日未満の場合には、該当週の排便回数は欠測値として扱った。

有効性

観察期間第2週からの変化量と排便回数の推移(自発排便・完全自発排便)

自発排便回数、完全自発排便回数について、観察期間第2週と投与期間第4週、第12週、第24週、第36週及び第52週の時点における変化量について比較検定を行った。いずれの時点においても観察期間第2週と比較して有意な増加が認められた(いずれもp<0.0001、名目上のp値、1標本t-検定)。
週あたりの自発排便回数及び完全自発排便回数は、投与期間第1週から増加し52週時点まで下記の通り推移した。
観察期間第2週からの変化量
グラフ/縦軸が変化量(回 週)、横軸が投与期間、有効性解析対象例(n=340)Mean±SD *:p<0.0001(自発排便回数・完全自発排便回数ともに観察期間第2週との1標本t-検定)

Bristol便形状スケールに基づいた便硬度

Bristol便形状スケールの1週間あたりの中央値(Mean±SD)は、観察期間第2週2.05±1.02、投与期間第1週3.88±1.50、第2週3.80±1.44であり、第1週以降は3.60~3.98で第52週まで下記の通り推移した。
Bristol便形状スケールに基づいた便硬度(1週間あたりの中央値)
グラフ/縦軸が便硬度、横軸が投与期間、有効性解析対象例(n=340)Mean±SD
*Lewis SJ, et al.:Scand J Gastroenterol 1997; 32: 920-924より改変
※1回の排便で複数の形状の便が出た場合は、一番最初に出た便の形状を記録した(例:出始めは硬い便であったが、途中から軟便に変わった場合、最初の硬い便を記録)。

安全性

有害事象の発現率は77.6%(264/340例)であった。2%以上発現した有害事象は鼻咽頭炎25.6%(87/340例)、腹痛25.0%(85/340例)、下痢15.9%(54/340例)、下腹部痛及び悪心各5.0%(17/340例)、上気道の炎症3.8%(13/340例)、インフルエンザ、腹部膨満及び肝機能検査異常各3.5%(12/340例)、腹部不快感3.2%(11/340例)、咽頭炎2.9%(10/340例)、気管支炎、胃腸炎、上腹部痛及び背部痛各2.6%(9/340例)、湿疹2.4%(8/340例)、齲歯、胃炎、軟便及び血中クレアチンホスホキナーゼ増加各2.1%(7/340例)の20事象であった。重篤な有害事象は1.5%(5/340例:「くも膜下出血・硬膜下血腫・頭蓋骨骨折・硬膜下ヒグローマ」、「マイコプラズマ性肺炎」、「手根管症候群」、「網膜剥離」及び「鼡径ヘルニア」各1例)に認められ、「鼡径ヘルニア」は副作用とされたが、転帰は回復であった。死亡例は認められなかった。投与中止に至った副作用は18例26件(腹痛7件、下痢6件、腹部膨満、肝機能検査異常 各2件、顔面麻痺、腹部不快感、上腹部痛、鼓腸、鼡径ヘルニア、軟便、発疹、蕁麻疹、末梢性浮腫 各1件)であった。

6. 用法及び用量 通常、成人にはエロビキシバットとして10mgを1日1回食前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、最高用量は1日15mgとする。

試験② グーフィス®特定使用成績調査 中間結果報告

Nakajima A, et al.: J Neurogastroenterol Motil 2022; 28(3):431-441
(著者にEAファーマ株式会社よりアドバイザー料を受領している者が含まれる。当研究はEAファーマ株式会社、持田製薬株式会社の支援にて行われた。)

試験概要

調査目的 長期投与を含む日常診療の使用実態下での、慢性便秘患者に対するグーフィス®5mgの安全性、有効性を検討すること。
再審査期間 8年間(2018年1月~2026年1月)
対象患者 本剤を初めて使用する慢性便秘患者※1
調査予定症例数 3,000例(4週時点で投与が継続されていることを確認できた少なくとも300例を52週間観察する。)
観察期間 4週間、もしくは52週間
登録期間 2018年6月~2021年5月
調査期間 2018年6月~2022年12月
評価項目 〈安全性〉副作用の発現率、種類、重篤性
〈有効性〉グーフィス®投与2週及び4週後における平均排便回数(高齢者サブグループ解析)、Bristol便形状スケール(高齢者サブグループ解析)、いきみの頻度、摘便の有無 等
解析計画 平均排便回数及びBristol便形状スケールのベースラインから投与2週及び4週後における平均値の差は、それぞれ対応のあるt検定及びWilcoxon符号付順位検定を用いて解析した。摘便の有無の0週(ベースライン)と投与2週及び4週後における差は、ベースラインと各評価時期の対応データを有するそれぞれの患者において、McNemar検定を用いて解析した。また、高齢者(65歳以上および75歳以上)を対象に、グーフィス®投与2週及び4週後における平均排便回数やBristol便形状スケールなどについてサブグループ解析を実施した。
Limitation
  • 本結果は特定使用成績調査の1年目における短期(4週間)服用の中間解析結果であり、今後の症例情報追加に伴い結果が変わる可能性がある。
  • 本調査は、日常の診療での本剤の使用実態下における安全性及び有効性の把握を目的とした調査であり、治験(プラセボ対照群や他剤との比較)とは異なる。また、合併症や併用薬等の要因が本結果に影響している可能性は否定できない。
●検証的な解析以外で得られたp値を名目上のp値とした。
※1:今回提示する中間報告対象は2018年6月~2019年7月18日までの期間に調査票を収集した4週間観察症例を解析した。国内466施設にて1,846例が登録され、1,090例の調査票が収集された。1,049例を安全性解析対象症例[安全性解析除外症例数:41例(初回以降来院せず:39例、本剤未投与:1例、登録期間逸脱:1例)]、986例を有効性解析対象症例[有効性解析除外症例数:63例(承認された用法・用量の範囲外の症例:46例*、評価の情報が取得できない症例:17例)]とした。
*食前以外の服用:40例(主に食後と就寝前)、1錠以外の服用:5例(主に1錠未満)、15歳未満の患者:4例、過量服用:1例、重複あり

有効性

平均排便回数

有効性解析対象症例において、1週間あたりの平均排便回数(Mean±SD)は、投与2週後が5.0±3.1回、4週後が5.3±2.6回であり、0週(ベースライン)の2.9±2.5回に対して有意な増加が認められました(いずれもp<0.001、名目上のp値、対応のあるt検定)。
また、65歳以上および75歳以上の患者における平均排便回数は、それぞれ投与2週後が4.9±2.9回および4.8±2.8回、4週後が5.2±2.5回および5.1±2.5回であり、ともに0週(ベースライン)の2.9±2.5回および2.9±2.6回に対して有意な増加が認められました(いずれもp<0.001、名目上のp値、対応のあるt検定)。
排便回数の変化(高齢者サブグループ解析)
グラフ/排便回数、65歳以上(0週・2週・4週)・75歳以上(0週・2週・4週)
Nakajima A, et al.: J Neurogastroenterol Motil 2022; 28(3):431-441

4. 効能又は効果 慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
6. 用法及び用量 通常、成人にはエロビキシバットとして10mgを1日1回食前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、最高用量は1日15mgとする。

Bristol便形状スケール

有効性解析対象症例において、Bristol便形状スケールの平均値(Mean±SD)は、投与2週後が3.8±1.3、4週後が3.9±1.1であり、0週(ベースライン)の2.3±1.4に対して有意な増加が認められました(いずれもp<0.001、名目上のp値、Wilcoxon符号付順位検定)。
また、65歳以上および75歳以上の患者におけるBristol便形状スケールの平均値は、投与2週後が両群ともに3.7±1.3、4週後が4.0±1.1 および3.9±1.1であり、0週(ベースライン)の両群ともに2.3±1.4に対して有意な増加が認められました(いずれもp<0.001、名目上のp値、Wilcoxon符号付順位検定)。
Bristol便形状スケールの変化(高齢者サブグループ解析)
グラフ/便硬度、65歳以上(0週・2週・4週)・75歳以上(0週・2週・4週)
※Lewis SJ, et al.: Scand J Gastroenterol 1997; 32(9): 920-924.より改変
Nakajima A, et al.: J Neurogastroenterol Motil 2022; 28(3):431-441より作図

グーフィス®投与後のいきみの頻度

グーフィス®投与後の、排便時のいきみの頻度※2の割合は下図の推移を示した。
※2:「全くない」、「ほとんどない」、「時々ある」、「よくある」、「いつもある」の5段階で評価
グーフィス®投与後のいきみの頻度の変化(有効性解析対象症例)
グラフ/排便時いきみの頻度の割合(0週、2週、4週)
Nakajima A, et al.: J Neurogastroenterol Motil 2022; 28(3):431-441 より作図

(参考情報)グーフィス®投与後の摘便状況

摘便を行った患者は0週(ベースライン)104例(11.4%)、グーフィス®投与2週後32例(4.1%)、4週後28例(3.4%)であった。
  • グーフィス®投与後の摘便状況(有効性解析対象症例)

    グラフ/症例数、摘便なし、摘便あり(0週、2週、4週)

    グーフィス®投与後の摘便状況(有効性解析対象症例)

    Nakajima A, et al.: J Neurogastroenterol Motil 2022;28(3):431-441 より作図
  • グーフィス®投与2週後および4週後の摘便の有無への影響

    表/ベースラインとグーフィス®投与2週後の対応データを有する患者の摘便の有無の変化、ベースラインとグーフィス®投与4週後の対応データを有する患者の摘便の有無の変化

    グーフィス®投与2週後および4週後の摘便の有無への影響

    Nakajima A, et al.: J Neurogastroenterol Motil 2022;28(3):431-441 Supplementary Table 1 より作表
    ベースラインと投与2週後あるいは4週後の対応データを有する限定された数の患者において、投与2週及び4週後に統計学的有意な減少がみられた(p<0.0001、名目上のp値、McNemar検定)。

安全性

安全性解析対象症例1,049例のうち、4週間の観察期間において55例(5.24%)に副作用が認められました。最も多く発現した副作用(3例以上)は胃腸障害の52例(4.96%)であり、その内訳は下痢23例(2.19%)、腹痛19例(1.81%)、腹部膨満4例(0.38%)、悪心3例(0.29%)でした。重篤な副作用として死亡が1例※3(0.10%)認められましたが、死因及びグーフィス®の服用有無は不明でした。また、当例以外の重篤な副作用または有害事象については集計されませんでした。35例が有害事象により4週時までに投与を中止しました。
※3:80歳代女性。大動脈瘤、狭心症、アルツハイマー型認知症の既往有。登録から3日後に死亡の報告を受けた。

●安全性情報については最新の電子添文をご参照ください。

2025年4月作成

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