監修:順天堂大学大学院 医学研究科整形外科・運動器医学 主任教授 石島 旨章 先生
目次
ポイント
日本は戦後、生活衛生環境や栄養状態の向上、医療技術の進歩によって長寿社会を迎え、どのように“老いていくか”が重要な課題となりました。今、「健康寿命」という言葉が注目されていますが、それは運動機能障害によるロコモの割合が増加したことが理由です1)。ロコモにより運動機能が障害となり、筋力低下・不動によって便秘を誘発する可能性があります2)。
膝OAにおける疼痛緩和や骨粗鬆症においては薬剤治療による副作用や相互作用などに注意しています。激しい痛みを訴える膝OAの患者さんには弱オピオイドを処方しますので、患者さんには便秘や嘔気、悪心などの副作用について説明します。さらに弱オピオイドの服用においては使い始めから便秘対策を行う場合もありますので、便秘予防について丁寧な説明をするようにしています。
腰痛に対しては腹筋運動を行います。膝の痛みを訴える場合は、太腿の筋力を意識するように指導しています。腰痛、膝痛に関わらず、長時間立脚するためには筋肉によって姿勢を保持しなければなりません。姿勢保持に必要な背筋や腹筋が弱体化すると、ロコモ同様、便秘の原因となる可能性があります。整形外科における筋力を鍛える背筋・腹筋運動は、慢性便秘症診療ガイドラインでも記載のある通り、便秘の治療ないし予防に役立つと考えられます2) 。どれほどの運動が必要かは、明確なエビデンスはありませんが、2021年9月時点では、厚生労働省が作成した「健康づくりのための身体活動基準2013」が適切であると考えられます。
骨粗鬆症の治療には主に活性型ビタミンD3製剤やビスホスホネート製剤等が処方されます。しかし、酸化マグネシウムのような多価陽イオンを含む便秘薬と合わせて服用することで相互作用もあり注意が必要です。例えば、活性型ビタミンD3製剤では、酸化マグネシウムと併用することで、腸管でのマグネシウムの吸収を促進させ、高マグネシウム血症が起こりやすくなる恐れがあります3)。またビスホスホネート製剤では、多価陽イオン製剤と併用すると、錯体を形成し、ビスホスホネート製剤の吸収を妨げる恐れがあります4)。
便秘薬はたくさん種類がありますので、患者さんの意見を取り入れながら処方しています。患者さんからは酸化マグネシウムを希望されることが多いですが、刺激性下剤の頓服で十分改善するケースもあります。処方する便秘薬の作用機序は必ず説明していますが、専門外であるため、服用期間や量の調整などをどの程度配慮したらいいのか、判断が難しい場合があります。酸化マグネシウムを処方する際、高マグネシウム血症の発症リスクを意識するので、内科系の医師よりも少なめに処方しています。
整形外科領域は薬物による疼痛管理が高度化しています。疼痛に効果のあるオピオイド系薬剤等は副作用として便秘を誘発する場合があるので注意を要します。特に、オピオイド治療開始後に、排便頻度の低下、いきみを伴うようになる/より強いいきみを伴うようになる、残便感、便習慣に苦痛を感じるなど症状を発現する場合があります5)。また、多剤による相互作用についても配慮しなければなりません。今後、整形外科は腰痛、膝痛、関節痛などに対する疼痛治療が進んでいくので、薬剤に対する意識をさらに高める必要があると考えています。
※各製剤の使用にあたっては、電子添文をご確認ください。
順天堂大学大学院 医学研究科整形外科・運動器医学 主任教授 石島 旨章 先生
2002年順天堂大学大学院医学研究科卒業。2007年順天堂大学大学院医学研究科整形外科・運動器医学助教を経て2012年順天堂大学大学院 医学研究科 整形外科・運動器医学 准教授、2020年より現職。日本骨粗鬆症学会評議員、日本軟骨代謝学会評議員、順天堂大学大学院医学研究科スポートロジーセンター委員、横浜市ロコモ予防推進検討会委員
※2024年3月現在の情報です。
精神疾患と便秘の関係性
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