対象・方法 | 2007年~2010年の間にオランダの精神科センターに入院した18歳以上の患者4,728例を対象に、精神医学的診断(DSMIV基準に従う)ごとの便秘(少なくとも1回の下剤の処方を受けた)の有病率、精神医学的診断と便秘との関係(ロジスティック回帰分析による)を調査した。 |
Limitation | 当試験のlimitationとして、BMI高値、低栄養、低運動量、低収入、喫煙状況など、便秘の潜在的危険因子と考えられる項目についてのデータがなかったこと、下剤の処方を少なくとも1回受けた患者を便秘患者としたこと、適応障害の患者を対照群としたことが挙げられる。 |
対象・方法 | 便秘と睡眠障害の関係を明らかにするため、北九州市八幡病院の2007年2月~2009年10月の入院患者344例を対象として、排便習慣、下剤の使用、アテネ不眠尺度(Athens Insomnia Scale)※のスコアを調査した。 患者を便秘群(n=161 排便習慣について「便秘」、あるいは「偶発的な便秘」と自己申告した患者、及び又は下剤を使用している患者)と非便秘群(n=183 排便習慣が「普通」かつ下剤の使用なしの患者)の2群に分けて比較した。 ※アテネ不眠尺度は不眠重症度を測定する尺度で、8つの質問項目からなり24点満点で評価する。0~3点:不眠症の心配なし、4~5点:やや不眠傾向あり、6~9点:軽度不眠症の可能性、10~15点:中等度不眠症の可能性、16~24点:重度不眠症の可能性 |
結果 | アテネ不眠尺度のスコアが、不眠症の可能性があることを示す6点以上の患者の割合は、便秘群31.7%、非便秘群16.4%であり、便秘群が有意に多かった(p<0.001、χ2検定) |
Limitation | 便秘と関連があるとされる食事と運動については当研究では考慮しなかった。 |
高齢者と若年者での結腸通過時間
対象 | デンマークの健康高齢者16例( 男性8例、女性8例、平均年齢81歳[74-85歳]、平均body mass index 25.0kg/m2[21.6-29.7kg/m2])と健康若年者16例( 男性8例、女性8例、平均年齢24歳[20-30歳]、平均body mass index 22.4kg/m2[18.9-26.5kg/m2 ]) |
方法 | 朝に、ラベルマーカーを含む1600-kJのリキッドおよび固形食(80gのパン、120gのオムレツ、200gの水)を10分で摂取後、ラベルマーカーが小腸から検出されなくなるまで、30分間隔でガンマカメラにて確認した。翌日からは、24時間毎にラベルマーカーが結腸から排出するまでガンマカメラで確認し、結腸通過時間を測定した。なお、水に111In-DTPAを加え、99mTcはオムレツに加え、ラベルマーカーとした。 |
Limitation | 当試験のlimitationとして、身体活動レベル、食習慣、心理的要因のばらつきが、結果に影響を与えた可能性があること、若年女性の胃排出評価が月経周期を考慮した時期に行われなかったことなどが挙げられる。 |
2025年2月作成
【対談】精神科における便秘症診療を考える
横浜市立大学大学院医学研究科 肝胆膵消化器病学教室 主任教授 中島 淳 先生/医療法人 静心会 桶狭間病院 藤田こころケアセンター 病院長 藤田 潔 先生
不適切な排便コントロールの影響
【監修:看護師】医療経営コンサルタント 田中 智恵子 先生
統合失調症患者の下剤使用開始に関連する因子の検討:レトロスペクティブコホート研究
【監修】獨協医科大学 精神神経医学講座 講師 川俣 安史 先生
精神科外来患者における便秘症の有病率とリスク因子の検討
【監修】医療法人社団 心緑会 小石川メンタルクリニック 院長 山田 浩樹 先生
信頼関係を築いて便秘の「思い込み」を解く
トイレweek2024(EAファーマ協賛)特設ページにて便秘の専門医、津田桃子先生のインタビュー記事を公開
心血管イベントにおける排便管理の重要性
【監修】自治医科大学内科学講座 循環器内科学部門 教授 苅尾 七臣 先生
排便頻度と心血管疾患による死亡率との関連
【監修】熊本大学大学院 生命科学研究部 循環器内科学 教授 辻田 賢一 先生
便秘は急性心不全患者の心不全再入院リスクを高める可能性があります
【監修】仙台市医療センター 仙台オープン病院 循環器内科 主任部長 浪打 成人 先生
慢性便秘症診療に直腸エコー観察は有用か? 【2】直腸エコー観察に基づいた治療アルゴリズム
【監修】横浜市立大学大学院医学研究科 肝胆膵消化器病学教室 主任教授 中島 淳 先生
慢性便秘症診療に直腸エコー観察は有用か? 【1】病態機能評価における有用性
【監修】横浜市立大学大学院医学研究科 肝胆膵消化器病学教室 主任教授 中島 淳 先生
「便通異常症診療ガイドライン2023-慢性便秘症」のポイント グーフィス®とモビコール®の紹介を含めて
【監修】九州大学大学院医学研究院 病態制御内科学(第三内科)准教授 伊原 栄吉 先生
「便通異常症診療ガイドライン2023-慢性便秘症」におけるグーフィスⓇの位置付け
【監修】横浜市立大学大学院医学研究科 肝胆膵消化器病学教室 主任教授 中島 淳 先生
治療継続のコツ 治療段階を患者さんと共有する
医師と便秘症患者さんとの間には治療への意識の差がある。便秘の不快症状を訴える患者さんへの正しい治療の啓発が求められている。
整形外科における便秘について
ロコモティブシンドロームは大きな活動性低下を招き、便秘を誘発する可能性がある。また、関節症の疼痛治療においては副作用としての便秘を予防する必要がある。
緩和ケアにおける便秘治療のポイントとは
緩和ケアで起こる便秘の原因は様々であり、体力の温存の観点からも排便コントロールが難しく、QOLに大きな影響を与える。身体状態、食事摂取量や便秘の症状に合わせた便秘治療が求められる。
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