日本における慢性便秘症患者に対するグーフィス®の多施設・市販後調査(最終結果報告)-前治療薬からグーフィス®への切り替え例、あるいは前治療薬へのグーフィス®の追加例についての安全性・有効性の検討-

※グーフィス®の【4.効能又は効果】 慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
中島淳ら: 薬理と治療 2025; 53(9): 777-798[著者にEAファーマ株式会社より医学専門家委託費等を受領している者、EAファーマ株式会社の社員が含まれる。
当調査はEAファーマ株式会社、持田製薬株式会社の資金提供により実施された。]
【監修】国際医療福祉大学 消化器内科統括教授/熱海病院 病院長 中島 淳 先生
このページでは、下記2つの臨床試験の結果をご紹介いたします。
◆ 試験① 国内第Ⅲ相試験(簡易版)
◆ 試験② 日本における慢性便秘症患者に対するグーフィス®の多施設・市販後調査(最終結果報告)
-前治療薬からグーフィス®への切り替え例、あるいは前治療薬へのグーフィス®の追加例についての安全性・有効性の検討-

「禁忌を含む注意事項等情報」等は、Drug Informationをご参照ください。

試験① 国内第Ⅲ相試験(簡易版)

試験概要

試験デザイン プラセボ対照無作為化二重盲検多施設共同並行群間比較試験
目的 慢性便秘症患者を対象にグーフィス®10mg又はプラセボを1日1回14日間経口投与し、投与期間第1週における自発排便回数の観察期間第2週からの変化量を主要評価項目とした二重盲検比較試験において、グーフィス®のプラセボに対する優越性を検証すると共に、安全性を検討することを目的とした。
対象 慢性便秘症患者133例(有効性解析対象〔FAS*1)〕:132例、安全性解析対象:132例)RomeⅢの機能性便秘の診断基準を参考として、同意取得時の6ヵ月以上前から自発排便回数が平均3回/週未満であり、かつ自発排便に関連した、①排便の25%以上にいきみがある、②排便の25%以上に兎糞状便又は硬便がある、③排便の25%以上に残便感がある、の3つのうち1つ以上の症状を有している慢性便秘症患者を対象とした。
プラセボ群:63例、グーフィス®10mg群:69例
投与方法 治験薬投与開始前の排便回数の調査期間として2週間の観察期間を設定した後、1日1回朝食前にグーフィス®10mg又はプラセボを14日間経口投与した。被験者は定められた時期に来院し、外来で観察・検査等が行われた。
評価項目 〈有効性に関する評価項目〉
主要評価項目(検証的解析項目)
  • 自発排便回数の変化量〔観察期間第2週 vs. 投与期間第1週〕(FAS)
〈安全性に関する評価項目〉
  • 副作用発現率
  • 臨床検査値
解析計画 主要評価項目である投与期間第1週における自発排便回数の観察期間第2週からの変化量*2)について、FASを解析対象とし観察期間第2週の自発排便回数を共変量とした共分散分析(ANCOVA)を適用した。
自発排便回数、完全自発排便回数については要約統計量を算出した。
●検証的な解析以外で得られたp値を名目上のp値とした。

自発排便:下剤/浣腸あるいは摘便なしに発現する排便。本治験においては、観察期間開始前日に下剤を使用した場合、又は観察期間開始後に救済薬(ビサコジル坐剤10mg)を使用した場合、使用後24時間以内の排便は自発排便としない。
完全自発排便:残便感のない自発排便
排便回数:「トイレに入ってから出るまでに生じた排便」を1回とカウントした(例:一度排便し、少し時間があいて再度排便した場合でも、トイレから出ていなければ1回とカウントする)。一方、排便後にトイレを出て再びトイレに入って排便した場合は、別々の排便としてカウントした。

*1)FAS:Full Analysis Set(最大の解析対象集団)治験薬が1回以上投与され、何らかの有効性に関する観測値を持つすべての被験者による集団を「最大の解析対象集団」とした。なお、排便回数の各週の評価可能日が5日未満の場合には、該当週の排便回数は欠測値として扱った。
*2)変化量=観察期間第2週データをベースライン値とした。

有効性

自発排便回数の変化量〔観察期間第2週 vs. 投与期間第1週〕(FAS)[主要評価項目(検証的解析項目)]

投与期間第1週における自発排便回数の観察期間第2週からの変化量(Mean±SD)は、プラセボ群1.73±1.88回、グーフィス®群6.40±4.73回であり、グーフィス®群はプラセボ群に対して自発排便回数の変化量が有意に大きく優越性が検証された(検証的解析結果、p<0.0001、共分散分析)。
〈主要評価項目(検証的解析結果)〉自発排便回数の変化量(観察期間第2週 vs. 投与期間第1週)
グラフ/縦軸が変化量(回/週)、横軸がプラセボ群 n=63、グーフィスⓇ10mg群 n=67
自発排便回数(観察期間第2週及び投与期間第1週)
グラフ/縦軸が回数(回/週)、横軸がプラセボ群 n=63/グーフィスⓇ10mg群 n=67/観察期間第2週、プラセボ群 n=63/グーフィスⓇ10mg群 n=67/投与期間第1週

安全性

副作用発現率

副作用の発現率は、プラセボ群7.9%(5/63例)、グーフィス®群30.4%(21/69例)であった。
いずれかの群で5%以上発現した副作用は、下表の通りであった。
本試験において死亡例を含む重篤な副作用は、いずれの投与群においても認められなかった。投与中止に至った副作用はプラセボ群0例、グーフィス®群4例9件(腹痛、下痢各4件、悪心1件)で認められた。
いずれかの群で5%以上発現した副作用
表/縦軸が副作用の種類、腹痛、下痢、横軸がプラセボ群 (n=63)、グーフィスⓇ10mg群 (n=69)

臨床検査値

血清LDL-コレステロール濃度(Mean±SD)は、本登録日、2週来院時(中止日)の順に、プラセボ群において113.4±31.5mg/dL、114.9±31.4mg/dL、グーフィス®群117.9±29.9mg/dL、104.5±25.9mg/dLであった。
血清LDL-コレステロール濃度
グラフ/縦軸がLDL-コレステロール、横軸がプラセボ群 n=63/グーフィスⓇ10mg群 n=69/本登録日、プラセボ群 n=63/グーフィスⓇ10mg群 n=67/2週来院時(中止日)

日本における慢性便秘症患者に対するグーフィス®の多施設・市販後調査(最終結果報告)-前治療薬からグーフィス®への切り替え例、あるいは前治療薬へのグーフィス®の追加例についての安全性・有効性の検討-

※グーフィス®の【4.効能又は効果】 慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
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中島淳ら: 薬理と治療 2025; 53(9): 777-798[著者にEAファーマ株式会社より医学専門家委託費等を受領している者、EAファーマ株式会社の社員が含まれる。
当調査はEAファーマ株式会社、持田製薬株式会社の資金提供により実施された。]
【監修】国際医療福祉大学 消化器内科統括教授/熱海病院 病院長 中島 淳 先生
Summary
  • 本市販後調査では、グーフィス®が初めて投与される慢性便秘症患者を対象とし、52週間の長期投与を含む日常診療の使用実態下での慢性便秘症患者に対する本剤の安全性、有効性に関する情報を収集し評価した。さらに、他の便秘症治療薬による既治療症例を対象に安全性・有効性についても検討した。
  • 他剤からグーフィス®への切り替え(Switch)群の副作用発現率は、4週間投与試験7.67%(79/1,030例)、52週間投与試験5.60%(19/339例)であった。他剤治療へのグーフィス®追加(Add-on)群の治療の副作用発現状況は、4週間投与試験6.45%(81/1,256例)、52週間投与試験6.25%(32/512例)であった。
  • 他剤からグーフィス®への切り替え(Switch)治療、他剤治療へのグーフィス®追加(Add-on)治療ともに、排便回数、BSFSスコア、いきみの頻度、排便に関する患者満足度(参考情報)、腹部膨満感の頻度(参考情報)において良好な結果が得られた。

高齢者における「便秘」の実態と、考えられる要因

高齢になるにつれて、便秘が増加します1)
その要因としては、加齢に伴う食事量の変化や、神経細胞数・直腸感覚閾値の変化など、複数の要因が考えられます2)
・高齢者の排便・排便に大切な3つのポイント

1)厚生労働省「令和元年国民生活基礎調査」
2)日本消化管学会 編『 便通異常症診療ガイドライン2023-慢性便秘症』 南江堂 2023 p.34
3)平塚 秀雄.:治療. 1994;76(2):377-381
4)医療情報科学研究所 編『 病気がみえる vol.1 消化器 第6版』 メディックメディア 2020 p.143

高齢になるにつれて、一次胆汁酸の合成量が減少しました[海外データ]5)

一次胆汁酸の合成量と年齢との関係[海外データ]
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5)Einarsson K, et al.:N Engl J Med 1985;313(5):277-282

対象・方法 非肥満、かつ非胆石症の北欧の健康成人ボランティア60例(年齢範囲21~74歳、男性31例、女性29例)を対象とした。被検者はいずれも胆嚢造影図、超音波画像に異常がなく、肝臓、腎臓、心臓、甲状腺機能の疾患の既往がなかった。また、脂質代謝に影響を与える薬剤の服用もなかった。
被検者の空腹時の十二指腸胆汁の脂質組成(コレステロール、胆汁酸、リン脂質)を測定した。うち18例について、年齢と胆汁コレステロール飽和度の関連性に関するメカニズムを調査するため、一次胆汁酸(コール酸、ケノデオキシコール酸)の動態を測定し、年齢との相関係数を算出した。

腸管運動に関する変化[海外データ]

高齢者は若年者に比して、結腸通過時間の延長が認められました6)
6)Madsen JL, et al.: Age and Ageing 2004; 33(2):154-159
  • 高齢者および若年者における消化管運動の評価結果

    高齢者および若年者における消化管運動の評価結果

    平均値(range) Madsen JL, et al.: Age and Ageing 2004; 33(2):154-159より抜粋

  • 年齢、性差、BMIおよび喫煙が消化管運動に与える影響

    年齢、性差、BMIおよび喫煙が消化管運動に与える影響

    (重回帰分析) Madsen JL, et al.: Age and Ageing 2004; 33(2):154-159より抜粋

高齢者と若年者での結腸通過時間

Madsen JL, et al.: Age and Ageing 2004; 33(2):154-159

対象 デンマークの健康高齢者16例(男性8例、女性8例、平均年齢81歳[74-85歳]、平均body mass index 25.0kg/m2[21.6-29.7kg/m2])と健康若年者16例(男性8例、女性8例、平均年齢24歳[20-30歳]、平均body mass index22.4kg/m2[18.9-26.5kg/m2])。
方法 朝に、ラベルマーカーを含む1600kJのリキッドおよび固形食(80gのパン、120gのオムレツ、200gの水)を10分で摂取後、ラベルマーカーが小腸から検出されなくなるまで、30分間隔でガンマカメラにて確認した。翌日からは、24時間毎にラベルマーカーが結腸から排出するまでガンマカメラで確認し、結腸通過時間を測定した。なお、水に111In-DTPAを加え、99mTcはオムレツに加え、ラベルマーカーとした。
Limitation 当試験のlimitationとして、身体活動レベル、食習慣、心理的要因のばらつきが、結果に影響を与えた可能性があること、若年女性の胃排出評価が月経周期を考慮した時期に行われなかったことなどがあげられる。

「胆汁酸」と便秘との関わり

胆汁酸は、排便を促進させる作用を有しています7~12)
グーフィス®は、大腸内に流入する胆汁酸の量を増加7,13,14)させることで、便秘の改善が期待されます
イメージ図
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【監修】川崎医科大学 検査診断学(内視鏡・超音波) 教授 眞部 紀明先生

7) Acosta A, Camilleri M: Ther Adv Gastroenterol 2014;(4): 167-175(著者のCamilleriはエロビキシバットの創薬会社であるアルビレオ社より研究助成金を受領している。)
8) Mekhjian HS, et al.: J Clin Invest 1971; 50: 1569-1577
9) Mitchell WD, et al.: Gut 1973; 14(5): 348-353
10) Bunnet NW: J Physiol 2014; 592: 2943-2950
11) 眞部紀明, 春間賢: 肝胆膵 2018; 77(1): 65-69
12) Bampton PA, et al.: Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol 2002; 282(3): G443-G449
13) EAファーマ株式会社:社内資料(胆汁酸トランスポーターに対する作用)
14) EAファーマ株式会社:社内資料(胆汁酸吸収に対する作用)

「禁忌を含む注意事項等情報」等は、Drug Informationをご参照ください。

安全性情報には一部承認外の用法及び用量で投与された患者のデータが含まれますが、日常診療での使用下で認められた安全性の調査結果の提供を目的として紹介します。
♯服薬状況で投与量または服薬タイミングが「その他」の患者

日本における慢性便秘症患者に対するグーフィス®の多施設・市販後調査(最終結果報告)-前治療薬からグーフィス®への切り替え例、あるいは前治療薬へのグーフィス®の追加例についての安全性・有効性の検討-

※グーフィス®の【4.効能又は効果】 慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
Nakajima A, et al.:SAGE Open Med 2025;13:1-13[著者に、EAファーマ株式会社よりアドバイザー料を受領している者、EAファーマ株式会社の社員が含まれる。
当研究はEAファーマ株式会社、持田製薬株式会社の資金提供を受けている。]/ 中島淳ら:薬理と治療 2025;53(9):777-798[著者にEAファーマ株式会社より医学専門家委託費等を受領している者、EAファーマ株式会社の社員が含まれる。当調査はEAファーマ株式会社、持田製薬株式会社の資金提供により実施された。]

調査概要

目的 約1,000例の慢性便秘症患者を対象とした、グーフィス®の4週間投与についての安全性・有効性に関する暫定的な市販後調査については既に報告されているが1)、当研究では、実臨床におけるグーフィス®の52週間の長期投与に関する安全性・有効性を含めた市販後調査の最終解析を行い、また、他の便秘症治療薬による既治療症例を対象に安全性・有効性についても検討した。
対象・方法 グーフィス®をはじめて投与された慢性便秘症患者3,876例を、国内の682施設より登録した。慢性便秘症の診断は、「慢性便秘症診療ガイドライン2017」2)に従った。
グーフィス®の処方・投与は電子添文に従い、1日1回10mg(症状に応じて5mgまたは15mgに調節)を食前に服用することとした。
患者のベースライン時の背景、投与歴、有害事象、有効性の評価に関する情報は、電子症例報告(CRF)より収集した。
調査期間を2018年6月~2022年12月、観察期間を4週間(グーフィス®4週間投与試験:以下4週間投与試験)及び52週間(グーフィス®52週間投与試験:以下52週間投与試験)とし、副作用、および有効性の結果を解析した。
グーフィス®の過去の治験結果3,4)、統計的な検定力を踏まえ、4週間投与試験には3,000例、52週間継続投与試験には300例より多いサンプルサイズを設定した。
3,876例の登録患者より、4週間投与試験では3,638例を安全性解析対象例、3,410例を有効性解析対象例とした。加えて、4週間投与試験を完了し治療を継続した患者1,315例を52週間投与試験の安全性解析対象例、1,215例を有効性解析対象例とした。
また、グーフィス®投与開始前の他の便秘症治療薬(前治療薬)からグーフィス®への切り替え投与(Switch)、および前治療薬へのグーフィス®追加投与(Add-on)における4週および52週観察による安全性・有効性等も検討した。
評価項目 〈安全性の評価項目〉
グーフィス®と副作用との因果関係は、重症度とともに各施設の医師が評価した。副作用はMedDRAver.25.1によって分類した。同一の副作用が、同一の観察期間中に同一の患者に複数回みられた場合は、初回に発生した副作用のみをカウントし、4週間投与試験、及び52週間投与試験についての副作用の発現率を算出した。グーフィス®による治療中断、中止までに発生した副作用は発現率の算出に含めた。
また、4週間投与試験、52週間投与試験それぞれにおける、グーフィス®への切り替え治療群(Switch群)、グーフィス®追加投与群(Add-on群)ごとの副作用発現率についても算出した。
〈有効性の評価項目〉
有効性のデータは、ベースライン時、グーフィス®投与後2、4、12、24、36、52週時に、調査票を用いた医師による問診より得た。全体の有効性の評価項目は、週あたりの排便回数の経時的変化、ブリストル便形状スケール(Bristol Stool Form Scale:BSFS)スコア、排便時のいきみの頻度、排便に関する患者満足度(参考情報)、腹部膨満感の頻度(参考情報)の経時的変化等とした。週あたりの排便回数は、評価時点の前週の排便回数とした。
また、以下のサブグループ解析を行った。
  • 塩類下剤または刺激性下剤からグーフィス®へのSwitch群、塩類下剤または刺激性下剤へのグーフィス®Add-on群で分けた、週あたりの排便回数、BSFSスコア、排便時のいきみの頻度、排便に関する患者満足度(参考情報)、腹部膨満感の頻度(参考情報)の経時的変化についてのサブグループ解析
  • 前治療薬の数別で2群に分けた、週あたりの排便回数、BSFSスコアの推移についてのサブグループ解析
解析方法
  • ベースライン時の人口統計学的特性、疾患特性は記述統計量を用いて要約した。
  • 安全性解析対象集団は、グーフィス®を投与され安全性に関する情報を有する患者より構成された。登録時より前に、グーフィス®による治療を受けたことがある患者は除外した。
  • 安全性のサブグループ解析として、4週間投与試験、52週間投与試験それぞれについて、グーフィス®への切り替え治療群(Switch群)、グーフィス®追加投与群(Add-on群)別の副作用発現率についても算出した。
  • 有効性に関するデータのない患者、承認外投与の患者は、有効性解析対象集団から除外した。
  • 有効性のサブグループ解析として、4週間投与試験、52週間投与試験それぞれについて、グーフィス®への切り替え治療群(Switch群)、グーフィス®追加投与群(Add-on群)別の週あたりの排便回数、BSFSスコア、排便時のいきみの頻度、排便に関する患者満足度(参考情報)、腹部膨満感の頻度(参考情報)の経時的変化について解析した。また、前治療薬の数別(1剤 or 2剤以上)のサブグループ別の週あたりの排便回数、BSFSスコアの経時的変化についても解析した。
  • 排便回数、BSFSに基づく便硬度についての、ベースライン時と各観察時点との比較には、それぞれ対応のあるt検定、Wilcoxonの符号付順位検定を用いた。
  • グーフィス®を中止、もしくは終了した患者は、その患者の最終の観察時点で打ち切りとした。
  • 有意水準は両側5%とした。
Limitation
  • 治療歴、安全性、グーフィス®の有効性に関する情報は患者への問診を通して得られた情報であり、有効性の結果については実際の患者数で評価されていない。
  • 当研究はプラセボコントロールのない、シングルアーム研究である。
  • 有効性の欠如または副作用の発現により、グーフィス®を中断、中止した患者がいることから、グーフィス®の有効性を過大評価している可能性がある。
  • グーフィス®の有効性は、質問票を用いた医師の問診に対する患者の反応をもとに評価、要約していることから、患者満足度を除き、客観的な測定に基づく排便状況と必ずしも一致するとは限らない。
  • 有効性は、疾患の重症度を考慮せずに評価された。
● 検証的な解析以外で得られたp値を名目上のp値とした。
1)Nakajima A, et al.:J Neurogastroenterol Motil 2022;28:431-441(著者にEAファーマ株式会社よりアドバイザー料を受領している者、EAファーマ株式会社の社員が含まれる。当研究はEAファーマ株式会社、持田製薬株式会社の支援にて行われた。)
2)日本消化器病学会関連研究会 慢性便秘の診断・治療研究会編, 慢性便秘症診療ガイドライン2017, 南江堂, 2017
3)Nakajima A, et al.:J Gastroenterol 2018;53:525-534(著者にEAファーマ株式会社よりアドバイザー料を受領している者、EAファーマ株式会社の社員が含まれる。)
4)Nakajima A, et al.:Lancet Gastroenterol Hepatol 2018;3:537-547(著者にEAファーマ株式会社よりアドバイザー料を受領している者、EAファーマ株式会社の社員が含まれる。当研究はEAファーマ株式会社、持田製薬株式会社の支援にて行われた。)

結果

患者背景

4週間投与試験および52週間投与試験における安全性解析対象症例の患者背景を表1に示す。
4週間投与試験における前治療薬ありは62.8%(2,286/3,638例)で、そのうち塩類下剤54.8%(1,252/3,638例)、刺激性下剤39.9%(911/3,638例)であった。グーフィス®投与4週間において、他の便秘治療薬は37.5%(1,364/3,638例)で併用され、主なものは、塩類下剤52.8%、刺激性下剤33.7%であった。グーフィス®への切り替え治療群(Switch群)は28.3%(1,030/3,638例)、グーフィス®追加投与群(Add-on群)は34.5%(1,256/3,638例)であった。
52週間投与試験における前治療薬ありは64.7%(851/1,315例)で、投与52週間において他の便秘症治療薬は43.1%(567/1,315例)で併用されていた。グーフィス®開始前およびグーフィス®投与52週間において使用されていた便秘症治療薬の種類別の割合は4週間投与試験と大きな違いはなかった。グーフィス®への切り替え治療群(Switch群)は25.8%(339/1,315例)、グーフィス®追加投与群(Add-on群)は38.9%(512/1,315例)であった。

投与量、継続状況

4週間投与試験、52週間投与試験におけるグーフィス®10mgの服用割合はそれぞれ、77.8%、71.6%であった。
グーフィス®の継続率は、4週間投与試験終了時76.0%、52週間投与試験終了時55.4%であった。グーフィス®投与中止、終了の主な理由は、症状改善(4週間投与試験:4.7%、52週間投与試験:14.4%)、有効性の欠如(4週間投与試験:6.2%、52週間投与試験:6.8%)、患者希望(4週間投与試験:4.9%、52週間投与試験:7.8%)、有害事象(4週間投与試験:4.2%、52週間投与試験:3.8%)であった。

服薬タイミング

服薬タイミングについては、4週間投与試験では、朝食前67.4%、昼食前5.0%、夕食前23.3%、その他4.4%、52週間投与試験では、朝食前71.3%、昼食前5.5%、夕食前19.0%、その他4.3%であった。

安全性の結果

[全体]
〈4週間投与試験〉
安全性解析対象例3,638例のうち、231例(6.35%)が副作用を発現した。4例以上(>0.10%)に認められた副作用は胃腸障害 219例:6.02%(下痢 122例:3.35%、腹痛 75例:2.06%、悪心 11例:0.30%、便秘 7例:0.19%、腹部膨満 5例:0.14%、軟便 5例:0.14%、排便回数の増加 4例:0.11%を含む)であった。154例が有害事象によって投与中止に至った。中止に至った症例に発現した主な有害事象は、下痢61例、腹痛47例、嘔気5例であった。
予期せぬ副作用として、おくび、排便困難、異常感、死亡、転倒がそれぞれ1例に認められた。
重篤な副作用として死亡が1例に認められた。この患者は82歳の女性で、腹部大動脈瘤、アルツハイマー型認知症、骨粗鬆症、高尿酸血症、狭心症、胃潰瘍を合併していた。この女性は、登録後3日後に死亡した。調査担当医の因果関係評価は「グーフィス®との関連性を否定できない」であった。
〈52週間投与試験〉
安全性解析対象例1,315例のうち、71例(5.40%)が副作用を発現した。2例(0.10%)以上に認められた副作用は、胃腸障害 63例:4.79%(下痢 38例:2.89%、腹痛 16例:1.22%、便秘 6例:0.46%、悪心 2例:0.15%、腹部膨満 2例:0.15%を含む)、食欲減退 3例:0.23%、高血圧 3例:0.23%であった。50例が有害事象によって投与中止に至った。中止に至った症例に発現した主な有害事象は、下痢16例、腹痛6例、誤嚥性肺炎4例であった。
予期せぬ副作用として、高血圧 3例:0.23%、上咽頭炎、咳喘息、消化管運動亢進、深部静脈血栓症、慢性胃炎、心不全が各1例:0.08%に認められた。死亡例を含む重篤な副作用は報告されなかった。
副作用の発現率は、投与開始から4週まで2.51%(33/1,315)、5週から24週まで2.06%(27/1,309)、25週から52週まで1.75%(16/914)と推移した。(表2)
[サブグループ解析]
〈Switch群、Add-on群における副作用発現状況(サブグループ解析)〉
Switch群、Add-on群の副作用発現状況を表3に示す。
Switch群の副作用発現率は、4週間投与試験7.67%(79/1,030例)、52週間投与試験5.60%(19/339例)であった。
Add-on群の副作用発現状況は、4週間投与試験6.45%(81/1,256例)、52週間投与試験6.25%(32/512例)であった。
表1. 患者背景
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BMI:ボディマス指数、PEG:ポリエチレングリコール
a)4週観察は2,369例、52週観察は841例から算出した。
b)4週観察は2,502例、52週観察は889例から算出した。
c)4週観察は2,339例、52週観察は832例から算出した。
中島淳ら:薬理と治療 2025;53(9):777-798より改変

●各薬剤の使用にあたっては、電子添文をご参照ください。

表2. 安全性の結果:全体(年齢階級別サブグループ解析も含む)
n(%) a:4週間投与試験において副作用を経験した患者41例を含む。 MedDRA ver. 25.1
Nakajima A, et al.:SAGE Open Med 2025;13:1-13
表3. Switch群およびAdd-on群における副作用発現状況[サブグループ解析]
表3. Switch群およびAdd-on群における副作用発現状況[サブグループ解析]
中島淳ら:薬理と治療 2025;53(9):777-798より改変

有効性の結果

週あたりの排便回数の経時的変化

[全体]
〈4週間投与試験〉
週あたりの排便回数(Mean±SD)は、ベースライン時2.9±2.4回、グーフィス®投与後4週時5.4±2.6回であり、有意な増加が認められた(p<0.0001、名目上のp値、対応のあるt検定)。
〈52週間投与試験〉
週あたりの排便回数(Mean±SD)は、ベースライン時2.9±2.5回、グーフィス®投与後52週時5.6±2.2回であり、有意な増加が認められた(p<0.0001、名目上のp値、対応のあるt検定)。
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Nakajima A, et al.:SAGE Open Med 2025;13:1-13
[サブグループ解析]
〈Switch群、Add-on群についてのサブグループ解析〉
便秘症治療薬として使用頻度の高い塩類下剤、刺激性下剤に着目し、Switch群として①塩類下剤からグーフィス®へのSwitch群、②刺激性下剤からグーフィス®へのSwitch群、Add-on群として①塩類下剤+グーフィス®のAdd-on群、②刺激性下剤+グーフィス®のAdd-on群の計4群を抽出し、これら4群における排便回数について分析した。
各サブグループにおける4週間投与試験、52週間投与試験の週あたりの排便回数は下図のように推移した。
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中島淳ら:薬理と治療 2025;53(9):777-798

BSFSスコアの経時的変化

[全体]
〈4週間投与試験〉
グーフィス®投与開始後2週時のBSFSスコア(Mean±SD)は3.8±1.3、4週時3.9±1.1であり、ベースライン時の2.3±1.3と比較して有意差が認められた(いずれもp<0.0001、名目上のp値、Wilcoxonの符号付順位検定)。
〈52週間投与試験〉
グーフィス®投与開始後52週時のBSFSスコア(Mean±SD)は3.9±0.8であり、ベースライン時の2.3±1.4と比較して有意差が認められた(p<0.0001、名目上のp値、Wilcoxonの符号付順位検定)。
※:Lewis SJ, et al.:Scand J Gastroenterol 1997;32:920-924より改変
Nakajima A, et al.:SAGE Open Med 2025;13:1-13より改変
[サブグループ解析]
〈Switch群、Add-on群についてのサブグループ解析〉
便秘症治療薬として使用頻度の高い塩類下剤、刺激性下剤に着目し、Switch群として①塩類下剤からグーフィス®へのSwitch群、②刺激性下剤からグーフィス®へのSwitch群、Add-on群として①塩類下剤+グーフィス®のAdd-on群、②刺激性下剤+グーフィス®のAdd-on群の計4群を抽出し、これら4群におけるBSFSスコアについて分析した。
各サブグループにおける4週間投与試験、52週間投与試験のBSFSスコアは下図のように推移した。
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中島淳ら:薬理と治療 2025;53(9):777-798
〈排便時のいきみの頻度、排便に関する患者満足度(参考情報)、腹部膨満感の頻度(参考情報)の経時的変化〉
[全体]
4週間投与試験におけるベースライン時とグーフィス®投与4週時、52週間投与試験におけるベースライン時とグーフィス®投与52週時の排便時のいきみの頻度、排便に関する患者満足度(参考情報)、腹部膨満感の頻度(参考情報)の経時的変化は、下図のような結果であった。
[サブグループ解析]
便秘症治療薬として使用頻度の高い塩類下剤、刺激性下剤に着目し、Switch群として①塩類下剤からグーフィス®へのSwitch群、②刺激性下剤からグーフィス®へのSwitch群、Add-on群として①塩類下剤+グーフィス®のAdd-on群、②刺激性下剤+グーフィス®のAdd-on群の計4群を抽出した。これら4群についての、4週間投与試験におけるベースライン時とグーフィス®投与4週時、52週間投与試験におけるベースライン時とグーフィス®投与52週時の排便時のいきみの頻度、排便に関する患者満足度(参考情報)、腹部膨満感の頻度(参考情報)の経時的変化は、下図のような結果であった。
●評価対象例数は、各項目における未評価および「評価の有無」なしを除いたものである。

■いきみの頻度

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Nakajima A, et al.:SAGE Open Med 2025;13:1-13より改変

中島淳ら:薬理と治療 2025;53(9):777-798 Appendix より作図

4. 効能又は効果 慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
6. 用法及び用量 通常、成人にはエロビキシバットとして10mgを1日1回食前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、最高用量は1日15mgとする。

■排便に関する患者満足度(参考情報)

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Nakajima A, et al.:SAGE Open Med 2025;13:1-13より改変

中島淳ら:薬理と治療 2025;53(9):777-798 Appendix より作図

■腹部膨満感の頻度(参考情報)

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Nakajima A, et al.:SAGE Open Med 2025;13:1-13より改変

中島淳ら:薬理と治療 2025;53(9):777-798 Appendix より作図

〈前治療薬の数別のサブグループ解析〉
グーフィス®開始前に前治療薬を使用していたがグーフィス®投与後に前治療薬を中止した症例のうち、グーフィス®開始前の使用薬剤数が確認できた症例は4週間投与試験で1,026例、52週間投与試験で350例であった。これらの症例について前治療薬1剤(前治療薬1剤群)および前治療薬2剤以上(前治療薬2剤以上群)に区分してグーフィス®の排便関連評価(週あたりの排便回数、BSFSスコア)について分析した。
1)週あたりの排便回数
各群の4週間投与試験および52週間投与試験における、週あたりの排便回数の推移は下図のように推移した。
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2)BSFSスコア
各群の4週間投与試験、52週間投与試験における、BSFSスコアは下図のように推移した。
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中島淳ら:薬理と治療 2025;53(9):777-798

監修者コメント

本調査では、グーフィス®がはじめて投与された主に高齢の慢性便秘症患者を対象(患者の平均年齢4週間投与試験:70.8歳、52週間投与試験:71.7歳)として、日常診療下のグーフィス®の安全性と有効性を評価した。その結果、副作用発現率は、4週間投与試験6.35%、52週間投与試験5.40%、有効性については、4週間投与試験、52週間投与試験ともに週当たりの排便回数がグーフィス®投与後に増加するなど、良好な結果が得られた。
 また、前治療薬として塩類下剤、刺激性下剤を使用していたがグーフィス®に切り替えた患者(Switch群)、またはそれらにグーフィス®を追加した患者(Add-on群)についてのサブグループ解析を行ったところ、副作用発現率は、4週間投与試験でSwitch群7.67%、Add-on群6.45%、52週間投与試験ではSwitch群5.60%、Add-on群6.25%、有効性については4週間投与試験、52週間投与試験において、Switch群、Add-on群ともにグーフィス®投与後に週当たりの排便回数が増加するなど、良好な結果が得られた。
 全体的な結果もさることながら、これらのサブグループ解析の結果は、グーフィス®の治療上の位置づけを考えるうえで重要な所見であると考えられる。
 「便通異常症診療ガイドライン2023-慢性便秘症」では、代表的な塩類下剤として広く使用されている酸化マグネシウム製剤については、特に高齢者において高マグネシウム血症等に留意して用いること1)、刺激性下剤については、耐性や習慣性を避けるために必要最小限の使用にとどめ、できるだけ頓用または短期間での投与とすることを提案する2)などとされている。当調査の、特にサブグループ解析における安全性や有効性の結果を踏まえれば、酸化マグネシウム製剤や刺激性下剤の使用や増量が必要な場合には、グーフィス®の使用を一考する価値があるのではないかと考えられる。

1)日本消化管学会編, 便通異常症診療ガイドライン2023-慢性便秘症, 南江堂, 2023, pp.77-78
2)日本消化管学会編, 便通異常症診療ガイドライン2023-慢性便秘症, 南江堂, 2023, p.81

グーフィス®の特徴

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