| 対象 | 国内8施設(獨協医科大学、愛媛大学、福岡大学、自治医科大学、東京慈恵会医科大学、北里大学、杏林大学、東京大学)において統合失調症と診断され、2020年4月から9月までの間に退院した139例 |
| 方法 | 患者の診療録から退院時の情報(年齢、性別、下剤の処方、処方された向精神薬の種類※、投与量、退院時の病棟の種類[開放病棟または閉鎖病棟])等を入手した。 ※抗精神病薬、抗うつ薬、抗コリン薬、睡眠薬、抗不安薬、気分安定薬、抗てんかん薬、その他を含む 患者を下剤処方群(n=62)と下剤非処方群(n=77)に分け、所見や、両群の患者に処方された抗精神病薬、抗コリン薬、抗うつ薬、ベンゾジアゼピン系薬剤(抗不安薬および催眠薬)、気分安定薬の処方率を比較した。なお、当研究では、リチウム、バルプロ酸、カルバマゼピン、ラモトリギンを気分安定薬と定義した。 向精神薬の投与量はクロルプロマジン換算量(CP)、イミプラミン換算量(IP)、ビペリデン換算量(BP)、ジアゼパム換算量(DP)などの向精神薬換算量に換算し、処方量を比較した。 次に、下剤使用の影響を明らかにするため、退院時の下剤使用の有無をロジスティック回帰分析の共変量として、性別、年齢、退院時の病棟の種類[開放病棟または閉鎖病棟]、および抗精神病薬、クロザピン、抗コリン薬、抗うつ薬、ベンゾジアゼピン系薬剤、気分安定薬の処方状況を比較した。 ダミー変数として以下を定義した:性別:男性=1、女性=2;病棟タイプ:開放病棟=1、閉鎖病棟=2;抗精神病薬療法:単剤療法=1、多剤併用=2;向精神薬処方:処方なし=0、処方あり=1。 |
| 解析方法 |
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| Limitation |
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高齢者と若年者での結腸通過時間
| 対象 | デンマークの健康高齢者16例( 男性8例、女性8例、平均年齢81歳[74-85歳]、平均body mass index 25.0kg/m2[21.6-29.7kg/m2])と健康若年者16例( 男性8例、女性8例、平均年齢24歳[20-30歳]、平均body mass index 22.4kg/m2[18.9-26.5kg/m2 ]) |
| 方法 | 朝に、ラベルマーカーを含む1600-kJのリキッドおよび固形食(80gのパン、120gのオムレツ、200gの水)を10分で摂取後、ラベルマーカーが小腸から検出されなくなるまで、30分間隔でガンマカメラにて確認した。翌日からは、24時間毎にラベルマーカーが結腸から排出するまでガンマカメラで確認し、結腸通過時間を測定した。なお、水に111In-DTPAを加え、99mTcはオムレツに加え、ラベルマーカーとした。 |
| Limitation | 当試験のlimitationとして、身体活動レベル、食習慣、心理的要因のばらつきが、結果に影響を与えた可能性があること、若年女性の胃排出評価が月経周期を考慮した時期に行われなかったことなどが挙げられる。 |
監修者コメント
ベンゾジアゼピン系薬剤の投与量と下剤の使用との関連性については、精神科救急病棟の入院患者を対象とした山田らの研究により既に報告7)されており、ベンゾジアゼピン系薬剤の抗コリン作用が便秘症の出現に促進的に作用する可能性があることが指摘されています。
当研究でも、統合失調症患者における下剤の使用とベンゾジアゼピン系薬剤の処方が有意な関係(OR:3.059、95%CI:1.523-6.144、p=0.002、多変量ロジスティック回帰分析)にあることが示されました。当研究の結果からも、ベンゾジアゼピン系薬剤の処方と便秘症および下剤の使用とに関連性があること、そして、統合失調症治療のためにベンゾジアゼピン系薬剤を処方する際には、慎重な検討を行う必要があることが示唆されたと考えます。
統合失調症患者の便秘症は、抗コリン作用だけが直接的に作用するのではなく、他の薬剤の作用も含め、より複雑なメカニズムが関与している可能性があります。
便秘症や下剤の使用が死亡率に関与するという報告8)に加え、ベンゾジアゼピン系薬剤への高曝露が統合失調症患者の死亡率に関与するという報告(海外データ)9)もあります。これからは、統合失調症患者の便秘症に気付いた場合は、抗精神病薬や抗コリン薬だけでなく、ベンゾジアゼピン系薬剤の処方についても検討し、ベンゾジアゼピン系薬剤が処方されていれば減量や中止も考慮していく必要があるのではないかと考えます。
2026年6月作成
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【監修】名古屋市立大学 大学院薬学研究科/薬学部/臨床薬学分野/臨床薬学教育研究センター 講師 石田 智滉 先生、高知大学医学部 老年病・循環器内科学講座 教授 北岡 裕章 先生、高知大学医学部附属病院薬剤部 教授・薬剤部長 浜田 幸宏 先生
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