| 対象・方法 | 2012年1月~2023年12月に当院に急性心筋梗塞で入院した連続1,429症例のうち、院内死亡された105症例を除外した1,324症例(平均年齢:68±14歳、男性:76%)を対象とした。退院時に1種類以上の定期便秘薬が処方されている症例を便秘症あり群(n=253)、処方されていない症例を便秘症なし群(n=1,071)に分け、退院後の転帰を後ろ向きに調査した。 |
| 評価項目 | 退院後の全死亡、心不全再入院 |
| 解析計画 | 心筋梗塞後の心不全発症イベントは退院後6ヶ月間に多い3)ことから、半年の時点をランドマークに設定し、退院から0~0.5年、0.5~3.0年の期間別にKaplan-Meier解析を行った。更に年齢、性別、心筋梗塞既往、高血圧、糖尿病、心房細動、eGFR、利尿剤内服の8因子で補正したCox比例ハザード解析を施行、および同8因子による傾向スコアマッチングにより249ペアを抽出して比較した。 3)Sulo G, et al.: J Am Heart Assoc 2016; 5: e002667 |
| Limitation | 単施設での後ろ向き観察研究であること、サンプルサイズが比較的小さいこと、便秘症の定義が便秘薬の定期服用であること、便秘薬の服用期間が不明であることなどがあげられる。 |
高齢者と若年者での結腸通過時間
| 対象 | デンマークの健康高齢者16例( 男性8例、女性8例、平均年齢81歳[74-85歳]、平均body mass index 25.0kg/m2[21.6-29.7kg/m2])と健康若年者16例( 男性8例、女性8例、平均年齢24歳[20-30歳]、平均body mass index 22.4kg/m2[18.9-26.5kg/m2 ]) |
| 方法 | 朝に、ラベルマーカーを含む1600-kJのリキッドおよび固形食(80gのパン、120gのオムレツ、200gの水)を10分で摂取後、ラベルマーカーが小腸から検出されなくなるまで、30分間隔でガンマカメラにて確認した。翌日からは、24時間毎にラベルマーカーが結腸から排出するまでガンマカメラで確認し、結腸通過時間を測定した。なお、水に111In-DTPAを加え、99mTcはオムレツに加え、ラベルマーカーとした。 |
| Limitation | 当試験のlimitationとして、身体活動レベル、食習慣、心理的要因のばらつきが、結果に影響を与えた可能性があること、若年女性の胃排出評価が月経周期を考慮した時期に行われなかったことなどが挙げられる。 |
監修者コメント
本研究の結果からは、便秘症が心筋梗塞後の心不全入院リスクを高める可能性があることが示唆されました。排便時のいきみによる血圧上昇が繰り返されることが心不全発症の原因の一つであった可能性が考えられます。特に退院から半年という期間で便秘症の患者さんの心不全入院が多くみられたのは、心筋梗塞による心機能低下を代償しきれていない脆弱な時期にいきみの悪影響を受けやすかったということかもしれません。心筋梗塞後の心不全予防のためには既に実臨床において様々な取り組みがなされていますが、生活習慣改善の一つとして便秘症のマネジメントにも目を向けていく必要があるのではないかと思われます。
| 対象・方法 | 1988~1993年に、米国ミネソタ州オルムステッド郡に住む20歳以上の5,262例にIBS、慢性便秘症、慢性下痢症、ディスペプシア、及び腹痛の診断のため、消化器症状についてアンケート調査(BDQ:the original Bowel Disease Questionnaire)を実施した。アンケートに回答した4,176例より不適格者を除いた3,933例を対象として、2008年までの15年間、生存状況を行政の死亡記録によって確認し、機能性消化管障害と生存率の関係を調査した。 |
| 結果 | 各機能性消化管障害の有無と生存率の関係を、単変量及び調整ハザード比を用いた比例ハザードモデルにて評価したところ、IBS(HR=1.06, 95%CI:0.86‒1.32)、慢性下痢症(HR=1.03, 95%CI:0.90‒1.19)、ディスペプシア(HR=1.08, 95%CI:0.58‒2.02)、腹痛(HR=1.09, 95%CI:0.92‒1.30)については関連が認められなかったが、慢性便秘症については関連が認められ、慢性便秘症患者の生存率は、慢性便秘症ではない人に比べ生存率が低かった(HR=1.23, 95%CI:1.07‒1.42、チャールソン併存疾患指数による調整後のHR=1.19, 95%CI:1.03‒1.37)。 Kaplan-Meier推定による調査開始から10年経過時の生存率は、慢性便秘症あり:73%(95%CI:69-76)、慢性便秘症なし:85%(95%CI:84-86)であった。 |
| Limitation | 当研究の対象者はMayo Clinicで治療を受けた者に限定されており、集団の約90%が白人であったことから、結果は他の民族集団に当てはまらない可能性がある。また、測定バイアスが結果に影響した可能性がある。 |
| 対象・方法 | 療養型病棟に入院中の患者と外来通院患者から76~98歳の被験者22例、比較対照群として19~26歳の若年健常者10例を選択し、夏季4ヵ月間に、非観血的携帯型自動血圧計を使用して、オシロメトリック法により30分間隔で24時間血圧を測定した。 |
| 結果 | 排便による収縮期血圧の変動は、高齢者では、排便直前133.6±19.5mmHg、排便時147.6±20.5mmHg、排便30分後143.4±17.4mmHg、若年者では、排便直前118.0±20.4mmHg、排便時116.6±18.5mmHg、排便30分後111.6±19.1mmHgであり、排便時と排便30分後は、高齢者は若年者に比べ有意な高値を示した(いずれもp<0.05、t検定)。 |
| Limitation | 当研究では排便時の血圧の変化を検討したが、高齢者は一般に複数の疾患を持つことが多く、血圧変動には、年齢、日常生活動作、睡眠覚醒リズム、疾患などの要素が混在し、結果に影響を及ぼしていることを考慮する必要がある。 |
2026年6月作成
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統合失調症の治療におけるベンゾジアゼピン系薬剤の処方と下剤使用のリスクの関係
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治療継続のコツ 治療段階を患者さんと共有する
医師と便秘症患者さんとの間には治療への意識の差がある。便秘の不快症状を訴える患者さんへの正しい治療の啓発が求められている。
整形外科における便秘について
ロコモティブシンドロームは大きな活動性低下を招き、便秘を誘発する可能性がある。また、関節症の疼痛治療においては副作用としての便秘を予防する必要がある。
緩和ケアにおける便秘治療のポイントとは
緩和ケアで起こる便秘の原因は様々であり、体力の温存の観点からも排便コントロールが難しく、QOLに大きな影響を与える。身体状態、食事摂取量や便秘の症状に合わせた便秘治療が求められる。
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