日本における慢性便秘症患者に対するグーフィス®の特定使用成績調査(最終結果報告)-うつ病を併発している慢性便秘症患者に対するグーフィス®の安全性・有効性の検討-

※グーフィス®の【4. 効能又は効果】 慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
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【監修】関西医科大学 医学部 精神神経科学講座 診療教授 嶽北 佳輝 先生
国際医療福祉大学 消化器内科統括教授 熱海病院 病院長 中島 淳 先生
このページでは、下記2つの臨床試験の結果をご紹介いたします。
◆ 試験① 国内第Ⅲ相試験(簡易版)
◆ 試験② 日本における慢性便秘症患者に対するグーフィス®の特定使用成績調査( 最終結果報告)-うつ病を併発している慢性便秘症患者に対するグーフィス®の安全性・有効性の検討-

「禁忌を含む注意事項等情報」等は、Drug Informationをご参照ください。

国内第Ⅲ相試験(簡易版)

試験概要

試験デザイン プラセボ対照無作為化二重盲検多施設共同並行群間比較試験
目的 慢性便秘症患者を対象にグーフィス®10mg又はプラセボを1日1回14日間経口投与し、投与期間第1週における自発排便回数の観察期間第2週からの変化量を主要評価項目とした二重盲検比較試験において、グーフィス®のプラセボに対する優越性を検証すると共に、安全性を検討することを目的とした。
対象 慢性便秘症患者133例(有効性解析対象〔FAS*1)〕:132例、安全性解析対象:132例)RomeⅢの機能性便秘の診断基準を参考として、同意取得時の6ヵ月以上前から自発排便回数が平均3回/週未満であり、かつ自発排便に関連した、①排便の25%以上にいきみがある、②排便の25%以上に兎糞状便又は硬便がある、③排便の25%以上に残便感がある、の3つのうち1つ以上の症状を有している慢性便秘症患者を対象とした。
プラセボ群:63例、グーフィス®10mg群:69例
投与方法 治験薬投与開始前の排便回数の調査期間として2週間の観察期間を設定した後、1日1回朝食前にグーフィス®10mg又はプラセボを14日間経口投与した。被験者は定められた時期に来院し、外来で観察・検査等が行われた。
評価項目 〈有効性に関する評価項目〉
主要評価項目(検証的解析項目)
  • 自発排便回数の変化量〔観察期間第2週 vs. 投与期間第1週〕(FAS)
〈安全性に関する評価項目〉
  • 副作用発現率
  • 臨床検査値
解析計画 主要評価項目である投与期間第1週における自発排便回数の観察期間第2週からの変化量*2)について、FASを解析対象とし観察期間第2週の自発排便回数を共変量とした共分散分析(ANCOVA)を適用した。
自発排便回数、完全自発排便回数については要約統計量を算出した。
●検証的な解析以外で得られたp値を名目上のp値とした。

自発排便:下剤/浣腸あるいは摘便なしに発現する排便。本治験においては、観察期間開始前日に下剤を使用した場合、又は観察期間開始後に救済薬(ビサコジル坐剤10mg)を使用した場合、使用後24時間以内の排便は自発排便としない。
完全自発排便:残便感のない自発排便
排便回数:「トイレに入ってから出るまでに生じた排便」を1回とカウントした(例:一度排便し、少し時間があいて再度排便した場合でも、トイレから出ていなければ1回とカウントする)。一方、排便後にトイレを出て再びトイレに入って排便した場合は、別々の排便としてカウントした。

*1)FAS:Full Analysis Set(最大の解析対象集団)治験薬が1回以上投与され、何らかの有効性に関する観測値を持つすべての被験者による集団を「最大の解析対象集団」とした。なお、排便回数の各週の評価可能日が5日未満の場合には、該当週の排便回数は欠測値として扱った。
*2)変化量=観察期間第2週データをベースライン値とした。

有効性

自発排便回数の変化量〔観察期間第2週 vs. 投与期間第1週〕(FAS)[主要評価項目(検証的解析項目)]

投与期間第1週における自発排便回数の観察期間第2週からの変化量(Mean±SD)は、プラセボ群1.73±1.88回、グーフィス®群6.40±4.73回であり、グーフィス®群はプラセボ群に対して自発排便回数の変化量が有意に大きく優越性が検証された(検証的解析結果、p<0.0001、共分散分析)。
〈主要評価項目(検証的解析結果)〉自発排便回数の変化量(観察期間第2週 vs. 投与期間第1週)
グラフ/縦軸が変化量(回/週)、横軸がプラセボ群 n=63、グーフィスⓇ10mg群 n=67
自発排便回数(観察期間第2週及び投与期間第1週)
グラフ/縦軸が回数(回/週)、横軸がプラセボ群 n=63/グーフィスⓇ10mg群 n=67/観察期間第2週、プラセボ群 n=63/グーフィスⓇ10mg群 n=67/投与期間第1週

安全性

副作用発現率

副作用の発現率は、プラセボ群7.9%(5/63例)、グーフィス®群30.4%(21/69例)であった。
いずれかの群で5%以上発現した副作用は、下表の通りであった。
本試験において死亡例を含む重篤な副作用は、いずれの投与群においても認められなかった。投与中止に至った副作用はプラセボ群0例、グーフィス®群4例9件(腹痛、下痢各4件、悪心1件)で認められた。
いずれかの群で5%以上発現した副作用
表/縦軸が副作用の種類、腹痛、下痢、横軸がプラセボ群 (n=63)、グーフィスⓇ10mg群 (n=69)

臨床検査値

血清LDL-コレステロール濃度(Mean±SD)は、本登録日、2週来院時(中止日)の順に、プラセボ群において113.4±31.5mg/dL、114.9±31.4mg/dL、グーフィス®群117.9±29.9mg/dL、104.5±25.9mg/dLであった。
血清LDL-コレステロール濃度
グラフ/縦軸がLDL-コレステロール、横軸がプラセボ群 n=63/グーフィスⓇ10mg群 n=69/本登録日、プラセボ群 n=63/グーフィスⓇ10mg群 n=67/2週来院時(中止日)

日本における慢性便秘症患者に対するグーフィス®の特定使用成績調査(最終結果報告)-うつ病を併発している慢性便秘症患者に対するグーフィス®の安全性・有効性の検討-

※グーフィス®の【4. 効能又は効果】 慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
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Nakajima A, et al.:SAGE Open Med 2025;13:1-13[著者に、EAファーマ株式会社よりアドバイザー料を受領している者、EAファーマ株式会社の社員が含まれる。当研究はEAファーマ株式会社、持田製薬株式会社の資金提供を受けている。]/Takekita Y, et al.:Front Psychiatry 2026;17:1763059[著者に、EAファーマ株式会社よりアドバイザー料を受領している者、EAファーマ株式会社の社員が含まれる。当研究はEAファーマ株式会社、持田製薬株式会社の資金提供を受けている。]
【監修】関西医科大学 医学部 精神神経科学講座 診療教授 嶽北 佳輝 先生
国際医療福祉大学 消化器内科統括教授 熱海病院 病院長 中島 淳 先生
Summary
  • 本特定使用成績調査では、グーフィス®が初めて投与される慢性便秘症患者を対象とし、52週間の長期投与を含む日常診療の使用実態下での慢性便秘症患者に対するグーフィス®の安全性、有効性に関する情報を収集し評価した。また、うつ病を併発している慢性便秘症患者(うつ病サブグループ)を対象としたサブグループ解析を行った。
  • うつ病サブグループにおけるグーフィス®のADR発現率は、4週間投与試験3.88%(5/129例)、52週間投与試験9.09%(5/55例)であった。
  • うつ病サブグループに対するグーフィス®投与において、週あたりの排便回数が増加したなどの結果が得られた。

精神疾患における便秘の主な要因

精神疾患における便秘の主な要因として、①ストレス反応、②運動不足・生活リズムの変調、③向精神薬の影響・刺激性下剤の影響が挙げられる。
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1)内藤裕二 編:脳腸相関-各種メディエーター, 腸内フローラから食品の機能性まで, p1-10, 58, 2018, 医歯薬出版
2)水上 健:月刊薬事 2017;59(11):63-67

3)日本消化管学会 編:便通異常症診療ガイドライン2023-慢性便秘症, p36, 37, 81, 2023, 南江堂

主な抗精神病薬および抗うつ薬の抗コリン作用

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※1 今日の治療薬2017
岩﨑真三 Science of Kampo Medicine 漢方医学 Vol.41 No.2 2017 より作成

精神疾患と便秘の関連性(海外データ)

精神疾患を有する患者を対象とした検討において、便秘の併存が認められた。
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a すべてのカテゴリーは、性別、年齢、抗精神病薬、気分安定剤、抗うつ薬、カルシウムサプリメント、鉄サプリメント、利尿薬、NSAIDs、オピオイド、リチウム、交感神経刺激薬、抗コリン作用薬、およびベンゾジアゼピンの使用について調整された。
*5%水準で有意である。
※not estimable:評価不能
Jessurun JG, et al.:Psychiatry J 2016;2016:2459693
対象・方法 2007年~2010年の間にオランダの精神科センターに入院した18歳以上の患者4,728例を対象に、精神医学的診断(DSM-Ⅳ基準に従う)ごとの便秘(少なくとも1回の下剤の処方を受けた)の有病率、精神医学的診断と便秘との関係(ロジスティック回帰分析による)を調査した。
Limitation 当試験のlimitationとして、BMI高値、低栄養、低運動量、低収入、喫煙状況など、便秘の潜在的危険因子と考えられる項目についてのデータがなかったこと、下剤の処方を少なくとも1回受けた患者を便秘患者としたこと、適応障害の患者をリファレンスとしたことが挙げられる。

便通異常症診療ガイドライン2023-慢性便秘症

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注1)マグネシウム製剤は, 高齢者や腎機能低下者には注意. 血清マグネシウム値をモニタリングする. 保医発により, 保険診療上, 糖類下剤のラクツロース製剤とPEG(polyethylene glycol)は, 従来薬を投与した後, 効果不十分の場合に投与可能である.
注2)高齢者など患者の病態に応じて投与する. 他の治療薬との併用も可である.
注3)オンデマンド療法が頻回になる場合は治療薬の変更を考慮する.
注4)他の治療薬との併用も可である.
「日本消化管学会編, 便通異常症診療ガイドライン2023‒慢性便秘症, 南江堂, 2023, p.xxiii」より許諾を得て転載 A1, A2, Bはガイドラインを参照すること.
プロバイオティクス、消化管運動機能改善薬は慢性便秘症の効能又は効果を有していない

●各薬剤の使用にあたっては、電子添文をご参照ください。
 


●「禁忌を含む注意事項等情報」等は、Drug Informationをご参照ください。

安全性情報には一部承認外の用法及び用量で投与された患者のデータが含まれますが、日常診療での使用下で認められた安全性の調査結果の提供を目的として紹介します
♯服薬状況で投与量または服薬タイミングが「その他」の患者

日本における慢性便秘症患者に対するグーフィス®の特定使用成績調査(最終結果報告)-うつ病を併発している慢性便秘症患者に対するグーフィス®の安全性・有効性の検討-

※グーフィス®の【4. 効能又は効果】 慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
Nakajima A, et al.:SAGE Open Med 2025;13:1-13[著者に、EAファーマ株式会社よりアドバイザー料を受領している者、EAファーマ株式会社の社員が含まれる。当研究はEAファーマ株式会社、持田製薬株式会社の資金提供を受けている。]/Takekita Y, et al.:Front Psychiatry 2026;17:1763059[著者に、EAファーマ株式会社よりアドバイザー料を受領している者、EAファーマ株式会社の社員が含まれる。当研究はEAファーマ株式会社、持田製薬株式会社の資金提供を受けている。]

調査概要

目的 約1,000例の慢性便秘症患者を対象とした、グーフィス®の4週間投与についての安全性・有効性に関する暫定的な市販後調査については既に報告されているが1)、当研究では、実臨床におけるグーフィス®の52週間の長期投与に関する安全性・有効性を含めた市販後調査の最終解析を行った。またうつ病を併発している慢性便秘症患者(うつ病サブグループ)に対するグーフィス®投与の安全性・有効性についても検討した。
対象・方法 グーフィス®をはじめて投与された慢性便秘症患者3,876例を、国内の682施設より登録した。慢性便秘症の診断は、「慢性便秘症診療ガイドライン2017」2)に従った。
グーフィス®の処方・投与は電子添文に従い、1日1回10mg(症状に応じて5mgまたは15mgに調節)を食前に服用することとした。
患者のベースライン時の背景、投与歴、有害事象、有効性の評価に関する情報は、電子症例報告より収集した。
調査期間を2018年6月~2022年12月、観察期間を4週間(グーフィス®4週間投与試験:以下4週間投与試験)及び52週間(グーフィス®52週間投与試験:以下52週間投与試験)とし、薬物有害事象(ADR)、および有効性の結果を解析した。
グーフィス®の過去の治験結果3,4)、統計的な検定力を踏まえ、4週間投与試験には3,000例、52週間継続投与試験には300例より多いサンプルサイズを設定した。
3,876例の登録患者より、4週間投与試験では3,638例を安全性解析対象例、3,410例を有効性解析対象例とした。
加えて、4週間投与試験を完了し治療を継続した患者1,315例を52週間投与試験の安全性解析対象例、1,215例を有効性解析対象例とした。
また、電子症例報告に基づいて、併存症としてうつ病の記載があった患者129例(うつ病サブグループ)に対するグーフィス®投与の安全性・有効性についても、4週間投与試験、52週間投与試験ごとに検討した。
※ADR(adverse drug reaction):グーフィス®との因果関係が否定できない有害事象。
評価項目 〈安全性の評価項目〉
グーフィス®とADRとの因果関係は、重症度とともに各施設の医師が評価した。ADRはMedDRA ver.25.1によって分類した。同一のADRが、同一の観察期間中に同一の患者に複数回みられた場合は、初回に発生したADRのみをカウントし、4週間投与試験、及び52週間投与試験についてのADRの発現率を算出した。グーフィス®による治療中断、中止までに発生したADRは発現率の算出に含めた。
また、4週間投与試験、52週間投与試験それぞれにおいて、うつ病を併発している慢性便秘症患者(うつ病サブグループ)のADR発現率についても算出した。
〈有効性の評価項目〉
有効性のデータは、ベースライン時、グーフィス®投与後2、4、12、24、36、52週時に、調査票を用いた医師による問診より得た。全体の有効性の評価項目は、週あたりの排便回数の経時的変化、ブリストル便形状スケール(Bristol Stool Form Scale:BSFS)スコア、排便時のいきみの頻度、排便に関する患者満足度(参考情報)、腹部膨満感の頻度(参考情報)の経時的変化、グーフィス®投与後の排便までの時間、グーフィス®投与後24時間以内・48時間以内に排便した患者の割合とした。週あたりの排便回数は、評価時点の前週の排便回数とした。
また、4週間投与試験、52週間投与試験それぞれにおいて、うつ病を併発している慢性便秘症患者(うつ病サブグループ)について、週あたりの排便回数の経時的変化、BSFSスコア、排便時のいきみの頻度、排便に関する患者満足度(参考情報)、腹部膨満感の頻度(参考情報)の経時的変化、グーフィス®投与後の排便までの時間、グーフィス®投与後24時間以内・48時間以内に排便した患者の割合を評価した。
〈その他の評価項目〉
うつ病サブグループにおける、精神疾患治療薬の併用状況
解析方法
  • ベースライン時の人口統計学的特性、疾患特性は記述統計量を用いて要約した。
  • 安全性解析対象集団は、グーフィス®を投与され安全性に関する情報を有する患者より構成された。登録時より前に、グーフィス®による治療を受けたことがある患者は除外した。
  • 安全性のサブグループ解析として、4週間投与試験、52週間投与試験それぞれについて、うつ病サブグループのADR発現率についても算出した。
  • 有効性に関するデータのない患者、承認外投与の患者は、有効性解析対象集団から除外した。
  • 有効性のサブグループ解析として、4週間投与試験、52週間投与試験それぞれについて、うつ病サブグループの排便回数、BSFSスコア、排便時のいきみの頻度、排便に関する患者満足度(参考情報)、腹部膨満感の頻度(参考情報)の経時的変化、グーフィス®投与後の排便までの時間、グーフィス®投与後24時間以内・48時間以内に排便した患者の割合について解析した。
  • その他の評価項目として、うつ病サブグループにおける精神疾患治療薬の併用状況についても調査した。
  • 排便回数、BSFSに基づく便硬度についての、ベースライン時と各観察時点との比較には、それぞれ対応のあるt検定、Wilcoxonの符号付順位検定を用いた。
  • グーフィス®を中止、もしくは終了した患者は、その患者の最終の観察時点で打ち切りとした。
  • 有意水準は両側5%とした。
Limitation
  • 診療歴、安全性、グーフィス®の有効性に関する情報は患者への問診を通して得られた情報であり、有効性の結果については実際の患者数で評価されていない。
  • 当研究はプラセボコントロールのない、シングルアーム研究である。
  • 安全性、有効性の解析は、他の下剤との併用療法とグーフィス®の単剤療法への切り替えとに関係なく行われている。
  • 有効性の欠如またはADRの発現により、グーフィス®を中断、中止した患者がいることから、グーフィス®の有効性を過大評価している可能性がある。
  • グーフィス®の有効性は、質問票を用いた医師の問診に対する患者の反応をもとに評価、要約していることから、患者満足度を除き、客観的な測定に基づく排便状況と必ずしも一致するとは限らない。
  • 有効性は、疾患の重症度を考慮せずに評価された。
  • うつ病サブグループを対象としたサブグループ解析の結果は、併用している精神疾患治療薬で層別化されていない。
    また、4週間投与試験の患者のほぼ半数が52週間投与試験の評価対象となっておらず、52週間投与試験の結果には生存者バイアス等が生じている可能性がある。さらに、うつ病の診断が一定の基準に基づいていないこと、また重症度についてもHamiltonうつ病評価尺度(HAM-D)などによって評価していないことから、分類上の誤りが生じている可能性がある。
●検証的な解析以外で得られたp値を名目上のp値とした。
1)Nakajima A, et al.:J Neurogastroenterol Motil 2022;28:431-441(著者にEAファーマ株式会社よりアドバイザー料を受領している者、EAファーマ株式会社の社員が含まれる。当研究はEAファーマ株式会社、持田製薬株式会社の支援にて行われた。)
2)日本消化器病学会関連研究会慢性便秘の診断・治療研究会編, 慢性便秘症診療ガイドライン2017, p.7-9, 2017, 南江堂
3)Nakajima A, et al.:J Gastroenterol 2018;53:525-534(著者にEAファーマ株式会社よりアドバイザー料を受領している者、EAファーマ株式会社の社員が含まれる。)
4)Nakajima A, et al.:Lancet Gastroenterol Hepatol 2018;3:537-547(著者にEAファーマ株式会社よりアドバイザー料を受領している者、EAファーマ株式会社の社員が含まれる。当研究はEAファーマ株式会社、持田製薬株式会社の支援にて行われた。)

結果

うつ病サブグループの患者背景

うつ病サブグループの慢性便秘症の罹病期間は、4週間投与試験で43.4%(56/129)、52週間投与試験で56.4%(31/55)の患者が5年以上であり、下剤の処方歴のある患者は、4週間投与試験で79.8%(103/129)、52週間投与試験で80%(44/55)であった。また、他の下剤を併用している患者の割合は、4週間投与試験で45.7%(59/129)、52週間投与試験で56.4%(31/55)であり、4週間投与試験では50.8%(30/59)で塩類下剤、33.9%(20/59)で刺激性下剤が併用され、52週間投与試験では54.8%(17/31)で塩類下剤、32.3%(10/31)で刺激性下剤が併用されていた。
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OTC:市販薬 PEG:ポリエチレングリコール
a:女性のみ b:重複あり c:過去に処方された下剤を使用した患者のうちの割合
d:併用下剤を使用した患者のうちの割合 e:漢方薬やプロバイオティクスを含む
Takekita Y, et al.:Front Psychiatry 2026;17:1763059 より作表

●各薬剤の使用にあたっては、電子添文をご参照ください。

6. 用法及び用量 通常、成人にはエロビキシバットとして10mgを1日1回食前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、最高用量は1日15mgとする。

投与量、継続状況

うつ病サブグループにおいてグーフィス®10mgを服薬した患者の割合は、4週間投与試験82.9%(107/129)、52週間投与試験74.5%(41/55)であった。
グーフィス®の継続率は、4週間投与試験81.4%(105/129)、52週間投与試験50.9%(28/55)であった。グーフィス®投与中止、終了の主な原因は、症状改善[4週間投与試験2.3%(3/129)、52週間投与試験10.9%(6/55)]、有効性の欠如[4週間投与試験7.0%(9/129)、52週間投与試験3.6%(2/55)]、有害事象[4週間投与試験3.9%(5/129)、52週間投与試験9.1%(5/55)]、患者希望(有害事象によるものを除く)[4週間投与試験3.1%(4/129)、52週間投与試験10.9%(6/55)]、治療中の脱落[4週間投与試験1.6%(2/129)、52週間投与試験14.5%(8/55)]、その他[4週間投与試験0.8%(1/129)、52週間投与試験0.0%(0/55)]であった。

精神疾患治療薬の併用状況

[サブグループ解析]
うつ病サブグループの患者において併用されている主な精神疾患治療薬は、4週間投与試験では、睡眠薬53.5%(69/129)、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSAs)24.0%(31/129)、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRIs)24.0%(31/129)、52週間投与試験では、NaSSAs 27.3%(15/55)、SSRIs 21.8%(12/55)、抗コリン作用をもつ第二世代抗精神病薬20%(11/55)などであった。
■精神疾患治療薬の併用状況(うつ病患者)
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a 抗コリン作用を有する薬剤
Takekita Y, et al.:Front Psychiatry 2026;17:1763059 より作表

安全性

[全体]
〈4週間投与試験〉

安全性解析対象例3,638例のうち、231例(6.35%)がADRを発現した。4例以上(>0.10%)に認められたADRは胃腸障害6.02%(下痢3.35%、腹痛2.06%、悪心0.30%、便秘0.19%、腹部膨満0.14%、軟便0.14%、排便回数の増加0.11%を含む)であった。154例が有害事象によって投与中止に至った。中止に至った症例に発現した主な有害事象は、下痢61例、腹痛47例、嘔気5例であった。予期せぬADRとして、おくび、排便困難、異常感、死亡、転倒がそれぞれ1例に認められた。
重篤なADRとして死亡が1例に認められた。この患者は82歳の女性で、腹部大動脈瘤、アルツハイマー型認知症、骨粗鬆症、高尿酸血症、狭心症、胃潰瘍を合併していた。この女性は、登録後3日後に死亡した。死因は不明であった。
〈52週間投与試験〉
安全性解析対象例1,315例のうち、71例(5.40%)がADRを発現した。2例(0.10%)以上に認められたADRは、胃腸障害4.79%(下痢2.89%、腹痛1.22%、便秘0.46%、悪心0.15%、腹部膨満0.15%を含む)、食欲減退0.23%、高血圧0.23%であった。50例が有害事象によって投与中止に至った。中止に至った症例に発現した主な有害事象は、下痢16例、腹痛6例、誤嚥性肺炎4例であった。予期せぬADRとして、高血圧が3例に、上咽頭炎、心不全、咳喘息、消化管運動亢進、深部静脈血栓症、慢性胃炎が各1例に認められた。死亡例を含む重篤なADRは報告されなかった。ADRの発現率は、投与開始から4週まで2.51%(33/1,315)、5週から24週まで2.06%(27/1,309)、25週から52週まで1.75%(16/914)と推移した。
Nakajima A, et al.:SAGE Open Med 2025;13:1-13
[サブグループ解析]
うつ病サブグループの安全性解析対象例129例のADR発現率は、4週間投与試験3.88%(5/129)、52週間投与試験9.09%(5/55)であった。3例以上に認められたADRは、4週間投与試験では下痢2.33%(3/129)、52週間投与試験でも同じく下痢5.45%(3/55)であった。重篤なADRは認められなかった。
Takekita Y, et al.:Front Psychiatry 2026;17:1763059

●グーフィス®の安全性については、DI頁の安全性情報をご参照ください。

■安全性の結果:全体(年齢階級別も含む)
a:4週間投与試験においてADRを経験した患者41例を含む。 MedDRA ver. 25.1
Nakajima A, et al.:SAGE Open Med 2025;13:1-13
■安全性の結果:サブグループ解析(うつ病患者)
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ADRは、基本語を使用してコード化され、MedDRA/J version 25.1に従って器官別大分類にて分類した。
a 4週間の治療期間中に発生したADR
b 4週間の治療期間後に1人の患者に発生したADR
Takekita Y, et al.:Front Psychiatry 2026;17:1763059 より作表

有効性

週あたりの排便回数の経時的変化

[全体]
〈4週間投与試験〉

週あたりの排便回数(Mean+SD)は、ベースライン時2.9+2.4回、グーフィス®投与後4週時5.4+2.6回であり、有意な増加が認められた(p<0.0001、名目上のp値、対応のあるt検定)。
〈52週間投与試験〉
週あたりの排便回数(Mean+SD)は、ベースライン時2.9+2.5回、グーフィス®投与後52週時5.6+2.2回であり、有意な増加が認められた(p<0.0001、名目上のp値、対応のあるt検定)。
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Nakajima A, et al.:SAGE Open Med 2025;13:1-13
[サブグループ解析]
うつ病サブグループの週あたりの排便回数(Mean+SD)は、下図のように推移した。4週間投与試験ではベースライン時3.0+3.4、グーフィス®投与後4週時4.9+2.4回であり、有意な増加が認められた(p<0.001、名目上のp値、対応のあるt検定)。52週間投与試験ではベースライン時3.6+4.6、グーフィス®投与後52週時4.7+2.3であった。
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Takekita Y, et al.:Front Psychiatry 2026;17:1763059

BSFSスコアの経時的変化

[全体]
4週間投与試験、52週間投与試験におけるBSFSスコア分布は下図のように推移した。
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※:Lewis SJ, et al.:Scand J Gastroenterol 1997;32:920-924より改変
Nakajima A, et al.:SAGE Open Med 2025;13:1-13より改変
[サブグループ解析]
うつ病サブグループのBSFSスコア分布は下図のように推移した。
chart12_1500-703_202608
※:Lewis SJ, et al.:Scand J Gastroenterol 1997;32:920-924より改変
Takekita Y, et al.:Front Psychiatry 2026;17:1763059より改変

参考情報

排便に関する患者満足度の経時的変化

[全体]
4週間投与試験、52週間投与試験における排便に関する患者満足度は、下図のように推移した。
chart13_1500-787_202608
Nakajima A, et al.:SAGE Open Med 2025;13:1-13より改変
[サブグループ解析]
うつ病サブグループの4週間投与試験、52週間投与試験における排便に関する患者満足度は、下図のように推移した。
chart14_1500-787_202608
Takekita Y, et al.:Front Psychiatry 2026;17:1763059 より作図

参考情報

腹部膨満感の頻度の経時的変化

[全体]
4週間投与試験、52週間投与試験における腹部膨満感の頻度の経時的変化は、下図のように推移した。
chart15_1500-789_202608
Nakajima A, et al.:SAGE Open Med 2025;13:1-13より改変
[サブグループ解析]
うつ病サブグループの4週間投与試験、52週間投与試験における腹部膨満感の頻度の経時的変化は、下図のように推移した。
chart16_1500-789_202608
Takekita Y, et al.:Front Psychiatry 2026;17:1763059 より作図

排便時のいきみの頻度の経時的変化

[全体]
4週間投与試験、52週間投与試験における排便時のいきみの頻度の経時的変化は、下図のように推移した。
chart21_1500-804_202608
Nakajima A, et al.:SAGE Open Med 2025;13:1-13より改変
[サブグループ解析]
うつ病サブグループの4週間投与試験、52週間投与試験における排便時のいきみの頻度の経時的変化は、下図のように推移した。
chart22_1500-804_202608
Takekita Y, et al.:Front Psychiatry 2026;17:1763059 より作図

グーフィス®投与後の排便までの時間、グーフィス®投与後24時間以内・48時間以内に排便した患者の割合

[全体]
4週間投与試験、52週間投与試験における、グーフィス®投与から24時間以内、48時間以内に排便した患者の割合は、下図のように推移した。
chart17_1500-378_202608
Nakajima A, et al.:SAGE Open Med 2025;13:1-13より作図
chart18_1500-192_202608
Nakajima A, et al.:SAGE Open Med 2025;13:1-13より作表
[サブグループ解析]
うつ病サブグループの4週間投与試験、52週間投与試験における、グーフィス®投与から24時間以内、48時間以内に排便した患者の割合は、下図のように推移した。
chart19_1500-379_202608
Takekita Y, et al.:Front Psychiatry 2026;17:1763059より作図
chart20_1500-192_202608
Takekita Y, et al.:Front Psychiatry 2026;17:1763059より作表

監修者コメント

本調査では、グーフィス®がはじめて投与された慢性便秘症患者(器質的疾患による便秘を除く)を対象として、日常診療下のグーフィス®の安全性と有効性を評価した。その結果、ADR発現率は、4週間投与試験6.35%、52週間投与試験5.40%、有効性については、4週間投与試験、52週間投与試験ともに週当たりの排便回数がグーフィス®投与後に増加したなどの結果が得られた。
また、うつ病を併発している患者を対象としたサブグループ解析を行ったところ、ADR発現率は、4週間投与試験で3.88%(5/129)、52週間投与試験9.09%(5/55)、有効性については、4週間投与試験、52週間投与試験ともに週あたりの排便回数が増加したなどの結果が得られた。
うつ病が慢性便秘症の原因疾患となる基礎疾患であると考えられていること、また、うつ病の治療に用いられる向精神薬には抗コリン作用を持つものが多く、これが慢性便秘症の原因になりうることから、うつ病と慢性便秘症が併存しているケースは多いと考えられる。
当研究のサブグループ解析においては52週間投与試験においては例数が少なかったことから、長期的な有効性、安全性についてはさらなる検討が必要となるが、うつ病を併発している慢性便秘症患者の便秘症治療において、グーフィス®は選択肢の一つになりうると考える。

グーフィス®の特徴

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