慢性便秘症患者の直腸超音波検査所見とグーフィス®投与の関係-慢性便秘症患者※に対するグーフィス®投与の短期的な影響も含めた検討-

※グーフィス®の【4. 効能又は効果】 慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
【監修】公益財団法人 北海道対がん協会 札幌がん検診センター 国立病院機構函館医療センター 消化器科 津田 桃子先生
このページでは、下記2つの臨床試験の結果をご紹介いたします。
◆ 試験① 国内第Ⅲ相試験(簡易版)
◆ 試験② 慢性便秘症患者の直腸超音波検査所見とグーフィス®投与の関係-慢性便秘症患者に対するグーフィス®投与の短期的な影響も含めた検討-

「禁忌を含む注意事項等情報」等は、Drug Informationをご参照ください。

国内第Ⅲ相試験(簡易版)

試験概要

試験デザイン プラセボ対照無作為化二重盲検多施設共同並行群間比較試験
目的 慢性便秘症患者を対象にグーフィス®10mg又はプラセボを1日1回14日間経口投与し、投与期間第1週における自発排便回数の観察期間第2週からの変化量を主要評価項目とした二重盲検比較試験において、グーフィス®のプラセボに対する優越性を検証すると共に、安全性を検討することを目的とした。
対象 慢性便秘症患者133例(有効性解析対象〔FAS*1)〕:132例、安全性解析対象:132例)RomeⅢの機能性便秘の診断基準を参考として、同意取得時の6ヵ月以上前から自発排便回数が平均3回/週未満であり、かつ自発排便に関連した、①排便の25%以上にいきみがある、②排便の25%以上に兎糞状便又は硬便がある、③排便の25%以上に残便感がある、の3つのうち1つ以上の症状を有している慢性便秘症患者を対象とした。
プラセボ群:63例、グーフィス®10mg群:69例
投与方法 治験薬投与開始前の排便回数の調査期間として2週間の観察期間を設定した後、1日1回朝食前にグーフィス®10mg又はプラセボを14日間経口投与した。被験者は定められた時期に来院し、外来で観察・検査等が行われた。
評価項目 〈有効性に関する評価項目〉
主要評価項目(検証的解析項目)
  • 自発排便回数の変化量〔観察期間第2週 vs. 投与期間第1週〕(FAS)
〈安全性に関する評価項目〉
  • 副作用発現率
  • 臨床検査値
解析計画 主要評価項目である投与期間第1週における自発排便回数の観察期間第2週からの変化量*2)について、FASを解析対象とし観察期間第2週の自発排便回数を共変量とした共分散分析(ANCOVA)を適用した。
自発排便回数、完全自発排便回数については要約統計量を算出した。
●検証的な解析以外で得られたp値を名目上のp値とした。

自発排便:下剤/浣腸あるいは摘便なしに発現する排便。本治験においては、観察期間開始前日に下剤を使用した場合、又は観察期間開始後に救済薬(ビサコジル坐剤10mg)を使用した場合、使用後24時間以内の排便は自発排便としない。
完全自発排便:残便感のない自発排便
排便回数:「トイレに入ってから出るまでに生じた排便」を1回とカウントした(例:一度排便し、少し時間があいて再度排便した場合でも、トイレから出ていなければ1回とカウントする)。一方、排便後にトイレを出て再びトイレに入って排便した場合は、別々の排便としてカウントした。

*1)FAS:Full Analysis Set(最大の解析対象集団)治験薬が1回以上投与され、何らかの有効性に関する観測値を持つすべての被験者による集団を「最大の解析対象集団」とした。なお、排便回数の各週の評価可能日が5日未満の場合には、該当週の排便回数は欠測値として扱った。
*2)変化量=観察期間第2週データをベースライン値とした。

有効性

自発排便回数の変化量〔観察期間第2週 vs. 投与期間第1週〕(FAS)[主要評価項目(検証的解析項目)]

投与期間第1週における自発排便回数の観察期間第2週からの変化量(Mean±SD)は、プラセボ群1.73±1.88回、グーフィス®群6.40±4.73回であり、グーフィス®群はプラセボ群に対して自発排便回数の変化量が有意に大きく優越性が検証された(検証的解析結果、p<0.0001、共分散分析)。
〈主要評価項目(検証的解析結果)〉自発排便回数の変化量(観察期間第2週 vs. 投与期間第1週)
グラフ/縦軸が変化量(回/週)、横軸がプラセボ群 n=63、グーフィスⓇ10mg群 n=67
自発排便回数(観察期間第2週及び投与期間第1週)
グラフ/縦軸が回数(回/週)、横軸がプラセボ群 n=63/グーフィスⓇ10mg群 n=67/観察期間第2週、プラセボ群 n=63/グーフィスⓇ10mg群 n=67/投与期間第1週

安全性

副作用発現率

副作用の発現率は、プラセボ群7.9%(5/63例)、グーフィス®群30.4%(21/69例)であった。
いずれかの群で5%以上発現した副作用は、下表の通りであった。
本試験において死亡例を含む重篤な副作用は、いずれの投与群においても認められなかった。投与中止に至った副作用はプラセボ群0例、グーフィス®群4例9件(腹痛、下痢各4件、悪心1件)で認められた。
いずれかの群で5%以上発現した副作用
表/縦軸が副作用の種類、腹痛、下痢、横軸がプラセボ群 (n=63)、グーフィスⓇ10mg群 (n=69)

臨床検査値

血清LDL-コレステロール濃度(Mean±SD)は、本登録日、2週来院時(中止日)の順に、プラセボ群において113.4±31.5mg/dL、114.9±31.4mg/dL、グーフィス®群117.9±29.9mg/dL、104.5±25.9mg/dLであった。
血清LDL-コレステロール濃度
グラフ/縦軸がLDL-コレステロール、横軸がプラセボ群 n=63/グーフィスⓇ10mg群 n=69/本登録日、プラセボ群 n=63/グーフィスⓇ10mg群 n=67/2週来院時(中止日)

慢性便秘症患者の直腸超音波検査所見とグーフィス®投与の関係-慢性便秘症患者※に対するグーフィス®投与の短期的な影響も含めた検討-

※グーフィス®の【4. 効能又は効果】 慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
【監修】公益財団法人 北海道対がん協会 札幌がん検診センター 国立病院機構函館医療センター 消化器科 津田 桃子先生
はじめに
2018年に慢性便秘症の診断・治療における腹部超音波検査の有用性がManabeらにより報告され1)、2023年には慢性便秘症診療にかかわる多職種スタッフから構成されるメンバーによって、直腸超音波検査所見に基づく慢性便秘症の診断・治療アルゴリズム2)(以下、診断・治療アルゴリズム)が公表された。
この診断・治療アルゴリズムでは、直腸超音波検査の結果に基づき、慢性便秘症を3つのカテゴリー(「直腸内便貯留なし」「硬便を伴わない直腸内便貯留」「硬便を伴う直腸内便貯留」)に分類し、各カテゴリーに対する排便ケアと治療法も提案されている。しかし、これらを検証した研究は現在のところほとんどなく、さらなる検討が必要であることが示唆されている。さらにこの診断・治療アルゴリズムでは、生活習慣改善、食事療法で効果がみられなかった「直腸内便貯留なし」カテゴリーの患者に対して、胆汁酸トランスポーター阻害薬であるグーフィス®を用いることが提案されているが、これはグーフィス®の機序的考察と当診断・治療アルゴリズム作成メンバーの考えに基づくものであり、実患者検証を経ていないものとなっている。
そこで今回、「直腸内便貯留なし」カテゴリーに該当する患者に対するグーフィス®の有効性・安全性について検討したので報告する。
また、「硬便を伴わない直腸内便貯留」「硬便を伴う直腸内便貯留」カテゴリー、さらに、実臨床において無視できない「直腸内ガス貯留」についても独自のカテゴリーを設けて検討した。
1)Manabe N, et al.: Int J Colorectal Dis 2018; 33: 345-348(著者にEAファーマ株式会社より謝礼金を受領している者が含まれる)
2)Kessoku T, Nakajima A, et al.: Diagnostics 2024; 14: 1510(著者にEAファーマ株式会社より謝礼金を受領している者が含まれる)

『便通異常症診療ガイドライン2023-慢性便秘症』治療フローチャートにおける、腹部超音波検査の位置づけと薬物療法

注1)排便回数減少型は,日常診療における症状分類である.学術的な病態分類では,大腸通過正常型および大腸通過遅延型である.
注2)排便困難型は,日常診療における症状分類である.学術的な病態分類では便排出障害型である.
注3)非狭窄性器質性便秘症の小腸・結腸障害型の代表疾患は,慢性偽性腸閉塞症,巨大結腸である.
注4)非狭窄性器質性便秘症の直腸・肛門障害型の代表疾患は,直腸瘤、直腸重積である.
「日本消化管学会編, 便通異常症診療ガイドライン2023‒慢性便秘症, 南江堂, 2023, p.xxii」より許諾を得て転載
A2, B, Cはガイドラインを参照すること.
注1)マグネシウム製剤は, 高齢者や腎機能低下者には注意. 血清マグネシウム値をモニタリングする. 保医発により, 保険診療上, 糖類下剤のラクツロース製剤とPEG(polyethylene glycol)は, 従来薬を投与した後, 効果不十分の場合に投与可能である.
注2)高齢者など患者の病態に応じて投与する. 他の治療薬との併用も可である.
注3)オンデマンド療法が頻回になる場合は治療薬の変更を考慮する.
注4)他の治療薬との併用も可である.
「日本消化管学会編, 便通異常症診療ガイドライン2023‒慢性便秘症, 南江堂, 2023, p.xxiii」より許諾を得て転載
A1, A2, Bはガイドラインを参照すること.
プロバイオティクス、消化管運動機能改善薬は慢性便秘症の効能又は効果を有していない

●各薬剤の使用にあたっては、電子添文をご参照ください。

慢性便秘症患者の直腸超音波検査所見とグーフィス®投与の関係~慢性便秘症患者※に対するグーフィス®投与の短期的な影響~

※グーフィス®の【4. 効能又は効果】 慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
Tsuda M, et al.: Diagnostics 2026; 16: 354
COI:当論文執筆者に、EAファーマ株式会社より謝礼を受領している者、EAファーマ株式会社の社員を含む。

試験概要

目的 直腸超音波検査により直腸内に便貯留がないとされた慢性便秘症患者に対する、グーフィス®短期投与の有効性・安全性を検討すること。
試験デザイン 後ろ向きシングルアーム観察研究
対象・方法 2019年5月から2024年12月までの期間に、国立病院機構 函館医療センター、および北海道対がん協会 札幌がん検診センターで直腸超音波検査※1を受けた後、グーフィス®を投与された18歳以上の慢性便秘症患者32例※2を対象とした。
患者のデータは、グーフィス®投与開始の前日から投与終了後2週間まで収集した。患者の年齢、性別、身長、体重、併存症、服薬歴、直腸超音波所見、大腸径※3、グーフィス®投与量、初回グーフィス®投与3日後までの自発排便回数、ブリストル便形状スケール(BSFS)スコア※4、便秘症重症度(CSS)スコア※5、有害事象についての情報を診療録等より入手し後ろ向きに評価した。

※1 直腸超音波検査所見により、患者を「直腸内便貯留なし」「硬便を伴わない直腸内便貯留」「硬便を伴う直腸内便貯留」「直腸内ガス貯留」の4カテゴリー群(サブグループ)に分類した。
各所見の典型例と特徴は以下のとおりである。

(a)直腸内便貯留なし。高エコー領域がなく、膀胱下部に周状の低エコー領域を認める。
(b)硬便を伴わない直腸内便貯留。膀胱下部に半月状の高エコー領域を認める。
(c)硬便を伴う直腸内便貯留。膀胱下部にアコースティック・シャドウを伴う三日月状の高エコー領域を認める。
(d)直腸内ガス貯留。膀胱下部に多重陰影アーチファクトを伴う複数のエコーを認める。Tsuda M, et al.: Diagnostics 2026; 16: 354

※2 慢性便秘症の診断は、便通異常症診療ガイドライン2023-慢性便秘症によった。グーフィス®に対する過敏症の既往歴のある患者、腫瘍、ヘルニア、その他の原因による腸閉塞が確認あるいは疑われた患者、器質的疾患による便秘症が疑われた患者、直腸超音波検査の2日前から3日後までの間に腸管洗浄や浣腸を実施した患者は除外した。※3 大腸径は、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸の5部位について測定した。各部位の径は、最大3か所(近位部、中部、遠位部)の測定値の平均値を算出し、大腸全体の径は全部位の平均値を算出することにより求めた。※4 BSFSは便形状を客観的に評価するための世界的な基準であり、スコア1、2が硬便、3、4、5が正常便、6、7が軟便である。※5 排便回数、排便困難感、残便感、腹痛、排便時間、排便補助、排便未完遂回数、便秘症の病悩期間の8つの指標の合計スコアにより便秘の重症度を評価する。スコアが高いほど重症度が高い。
評価項目 [主要評価項目]
直腸超音波検査所見「直腸内便貯留なし」カテゴリー群(サブグループ)における、グーフィス®初回投与から3日以内に自発排便が認められた患者(レスポンダー)の割合
[その他の評価項目]
  • 直腸超音波検査所見各カテゴリー群(サブグループ)、有効性解析対象集団全体における、グーフィス®初回投与から1日後のレスポンダーの割合
  • 直腸超音波検査所見各カテゴリー群(サブグループ)、有効性解析対象集団全体における、ベースライン時およびグーフィス®投与開始から2週間後のBSFSスコア、modified CSSスコア※6
  • 有害事象
※6 CSSスコアから便秘症の病悩期間を除いたもの。
解析計画
  • 対象患者全例(32例)を安全性解析対象集団とした。また、安全性解析対象集団のうち、人工肛門の患者1例を除いた31例を有効性解析対象集団とした。
  • 有効性解析対象集団を直腸超音波検査所見に基づき、「直腸内便貯留なし」カテゴリー群、「硬便を伴わない直腸内便貯留」カテゴリー群、「硬便を伴う直腸内便貯留」カテゴリー群、「直腸内ガス貯留」カテゴリー群の4つのサブグループに分け、事前に計画されたサブグループ解析を行った。
  • 欠測データは補完せず、すべての解析は観察された症例に基づいて行われた。
  • ベースライン時とグーフィス®服用後の比較には、Wilcoxon符号順位検定を用い、p<0.05を有意差ありとした。
  • 大腸径と直腸超音波検査所見カテゴリーとの相関解析においては、5部位の大腸径の測定値のある患者のみを対象とし、大腸径の差を推定するために、「直腸内に便貯留なし」カテゴリー群をリファレンスとした線形回帰モデルを用いた。
Limitation
  • 後ろ向き観察研究であること、サンプルサイズが小さいこと、観察期間が短いことにより、推論の信頼性に制限がある。また、対照群や比較群が存在しなかったことから、潜在的なバイアスを排除できない。研究対象が外来患者のみに限定されていたため、選択バイアスを生じさせた可能性がある。
  • 「硬便を伴わない直腸内便貯留」および「硬便を伴う直腸内便貯留」カテゴリー群のサンプルサイズが極めて小さかった。「直腸内便貯留なし」カテゴリー群以外のサブグループ解析は探索的なものとみなすべきである。
  • 当研究では、観察者間信頼性の定量的評価は行われなかった。今後の前向き研究では、観察者間信頼性の正式な評価を取り入れるべきである。
  • 当研究の観察期間は短く、早期のアウトカムに焦点を当てていたため、便の硬さ、症状の重症度、およびQOLにおける長期的な改善については評価できなかった。
  • 当研究は日本国内のみで実施されたものであるため、提示された疫学データは日本人のみから得られたものであり、他の集団への一般化の可能性については不透明である。
●検証的な解析以外で得られたp値を名目上のp値とした。

結果

患者背景

安全性解析対象集団、および有効性解析対象集団の患者背景を表1に示す。
有効性解析対象集団における、直腸超音波検査所見による各カテゴリー群(サブグループ)の例数は、直腸内便貯留なし:18例、硬便を伴わない直腸内便貯留:1例、硬便を伴う直腸内便貯留:2例、直腸内ガス貯留:8例、所見を確認できなかった患者:2例であった(図1)。
図1. 患者フローダイアグラム
Tsuda M, et al.: Diagnostics 2026; 16: 354
表1. 患者背景
1:割合はそれぞれの解析対象集団の例数に基づいて算出した。
2:有効性解析対象例から除外された1例を含む。
3:重複あり。
4:貧血、子宮内膜症、胃食道逆流症、甲状腺機能低下症、頭蓋内動脈瘤、メニエール病、気胸、子宮平滑筋腫、および内リンパ水腫が、それぞれ1人の患者に併発している。
5:グーフィス®初回投与前2週間以内に何らかの薬剤が使用されたかどうかを示している。
6:ルビプロストン、リナクロチドを各1例が服用。
7:3例には漢方薬または生薬が、1例には浣腸およびプロバイオティクスが投与された。1例は胃食道逆流症と頭蓋内動脈瘤の両方を患っていた。1例は漢方薬または生薬とプロバイオティクスの両方を投与されていた。
※:当研究では、登録前に慢性便秘症治療薬を服用していなかった患者に対してもグーフィス®を投与しましたが、保医発1127 第2号でグーフィス®については以下の通り記載されていますのでご留意ください。「本薬剤の使用に当たっては、他の便秘症治療薬(ルビプロストン製剤、リナクロチド製剤、マクロゴール4000配合製剤及びラクツロース製剤を除く。)で効果不十分な場合に、器質的疾患による便秘を除く慢性便秘症の患者へ使用すること。(保医発1127 第2号)」
Tsuda M, et al.: Diagnostics 2026; 16: 354

直腸超音波検査所見各カテゴリー群(サブグループ)、有効性解析対象集団全体におけるレスポンダーの割合[主要評価項目・その他の評価項目]

主要評価項目である「直腸内便貯留なし」カテゴリー群(サブグループ)のレスポンダーの割合は、94.4%(95%CI:74.2-99.0%)であった。その他の評価項目である「直腸内便貯留なし」以外の各群(サブグループ)、有効性解析対象集団全体のレスポンダーの割合も含めて表2に示す。
表2. グーフィス®初回投与後3日以内に少なくとも1回以上の自発排便のあった患者(レスポンダー)の割合
chart06_1500-375_202610
1:レスポンダーは、エロビキシバット初回投与後3日以内に、坐剤(例:ビサコジル)、浣腸、または摘便を使用せずに少なくとも1回の自発排便を認めた患者と定義した。
2:値は、各直腸超音波検査所見カテゴリー群の患者数に基づく割合(%)として示した。
3:信頼区間(CI)はWilsonスコア法を用いて算出した。
Tsuda M, et al.: Diagnostics 2026; 16: 354

直腸超音波検査所見各カテゴリー群(サブグループ)、有効性解析対象集団全体におけるグーフィス®初回投与から1日後のレスポンダーの割合[その他の評価項目]

「直腸内便貯留なし」カテゴリー群(サブグループ)のグーフィス®初回投与から1日後のレスポンダーの割合は83.3%(95%CI:60.8-94.2%)であった。各カテゴリー群(サブグループ)、有効性解析対象集団全体のグーフィス®初回投与から1日後のレスポンダーの割合を表3に示す。
表3. グーフィス®初回投与後1日以内に少なくとも1回以上の自発排便のあった患者(レスポンダー)の割合
chart07_1500-275_202610
1:レスポンダーは、投与1日目において、坐剤(例:ビサコジル)、浣腸、または摘便を使用せずに少なくとも1回の自発排便を認めた患者と定義した。
2:値は、各直腸超音波検査所見カテゴリー群の患者数に基づく割合(%)として示した。
3:信頼区間(CI)はWilsonスコア法を用いて算出した。
Tsuda M, et al.: Diagnostics 2026; 16: 354

直腸超音波検査所見各カテゴリー群(サブグループ)、有効性解析対象集団全体における、ベースライン時およびグーフィス®投与開始から2週間後のBSFSスコア[その他の評価項目]

直腸超音波検査所見各カテゴリー群(サブグループ)、有効性解析対象集団全体における、ベースライン時およびグーフィス®投与開始から2週間後のBSFSスコアを表4に示す。
「直腸内ガス貯留」カテゴリー群(サブグループ)のBSFSスコアの中央値(IQR)は、ベースライン時1.0(1.0-3.0)、グーフィス®投与開始から2週間後4.0(2.5-4.5)であり、有意な変化が認められた(p=0.0350、名目上のp値、Wilcoxon符号順位検定)。有効性解析対象集団全体についてもベースライン時1.0(1.0-3.5)、グーフィス®投与開始から2週間後4.0(2.0-5.0)であり、有意な変化が認められた(p=0.0104、名目上のp値、Wilcoxon符号順位検定)。
表4. BSFSスコアの結果
chart08_1500-300_202610
*:p<0.05、名目上のp値、Wilcoxon符号順位検定
Tsuda M, et al.: Diagnostics 2026; 16: 354
有効性解析対象集団全体についての、ベースライン時とグーフィス®投与開始から2週間後のBSFSスコアの割合は図2のように変化した。
図2. 有効性解析対象例全体における、BSFSスコアの比率についての変化
chart09_1500-464_202610
Tsuda M, et al.: Diagnostics 2026; 16: 354より改変

直腸超音波検査所見各カテゴリー群(サブグループ)、有効性解析対象集団全体における、ベースライン時およびグーフィス®投与開始から2週間後のmodified CSSスコア[その他の評価項目]

直腸超音波検査所見各カテゴリー群(サブグループ)、有効性解析対象集団全体における、ベースライン時およびグーフィス®投与開始から2週間後のmodified CSSスコアを表5に示す。
有効性解析対象集団全体における、ベースライン時およびグーフィス®投与開始から2週間後のmodified CSSスコアに有意差が認められた(p=0.0231、名目上のp値、Wilcoxon符号順位検定)。
表5. modified CSS全体スコアの結果
chart10_1500-300_202610
*:p<0.05、名目上のp値、Wilcoxon符号順位検定
Tsuda M, et al.: Diagnostics 2026; 16: 354
また、有効性解析対象集団全体における、ベースライン時およびグーフィス®投与開始から2週間後のmodified CSSサブスコアを図3に示す。全体スコア、およびサブスコアのうち、排便時間について有意差が認められた(全体スコア:p=0.023、排便時間:p=0.0046、いずれも名目上のp値、Wilcoxon符号順位検定)。
図3. modified CSSサブスコア
Tsuda M, et al.: Diagnostics 2026; 16: 354

安全性

安全性解析対象集団における試験期間中の有害事象は2例(6.3%)に認められ、内訳は腹部膨満1例(3.1%)、腹痛1例(3.1%)であった。投与中止に至った有害事象、重篤な有害事象は認められなかった。

●グーフィス®の安全性情報については、最新の電子添文をご参照ください。

監修者コメント

当研究では、直腸超音波検査所見に基づく慢性便秘症の診断・治療アルゴリズム(以下、診断・治療アルゴリズム)1)において「直腸内便貯留なし」に分類される患者に対するグーフィス®の影響を中心に検討した。
当研究ではグーフィス®投与後3日以内の自発排便を達成した患者をレスポンダーとしており、「直腸内便貯留なし」に分類された患者のレスポンダー率は94.4%であった。グーフィス®の治療効果発現までの時間については、さらなる検討が必要であり、当研究の結果だけからは判断できないが、慢性便秘症の治療において、治療開始早期に効果を期待できることは、アドヒアランスや患者満足度の観点から重要であると考える。
当研究では、直腸超音波検査所見として「直腸内ガス貯留」カテゴリーも設定し、このカテゴリーに分類された患者に対するグーフィス®の影響も検討した。その結果グーフィス®投与開始から2週間後のBSFSスコアの中央値について、ベースライン時と比較して有意な変化が認められた(p=0.0350、名目上のp値、Wilcoxon符号順位検定)が、当研究における当該カテゴリーの患者数は少なく、この結果の解釈には制限がある。難治性便秘症の主要な原因の一つと考えられている機能性便排出障害の患者や、不十分な排便を呈する患者では、直腸や下行結腸のガス貯留が関与しているとする報告(海外データ含む)2,3)があり、これらの患者の治療に対するグーフィス®の有効性・安全性について、今後さらなる研究がすすめられることを期待したい。
また、ガス優位型の便秘症も拾い上げられるように、「直腸内ガス貯留」カテゴリーも診断・治療アルゴリズムに組み入れることを検討すべきではないかと考える。

1)Kessoku T, Nakajima A, et al.: Diagnostics 2024; 14: 1510(著者にEAファーマ株式会社より謝礼金を受領している者が含まれる)
2)Park SY, et al.: Clin Gastroenterol Hepatol 2017; 15: 543-552
3)Seike K, et al.: Dis Colon Rectum 2003; 46: 661-666

グーフィス®の特徴

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